冠攣縮性狭心症と生活習慣の是正

一般的な狭心症の原因は冠動脈における動脈硬化。一方、冠攣縮性狭心症の原因は冠動脈の痙攣による収縮。一見、まったく違った原因なのですが、実は冠攣縮性狭心症の患者の血管を超音波検査してみると、ほとんどの患者において収縮部分に動脈硬化が見られます。そのため、生活習慣による予防方法としては、一般的な狭心症も冠攣縮性狭心症も同じと考えられています。以下、狭心症患者における生活習慣是正について確認していきましょう。

冠攣縮性狭心症の患者が注意すべき生活習慣

冠攣縮性狭心症と診断された場合、または症状が疑われる場合、病院では主に以下の7つの生活習慣是正について指導されます。

禁煙

喫煙が冠攣縮性狭心症を誘発することについては、すでに医学的に一致した見解となっています。「冠攣縮性狭心症のリスク要因は喫煙のみ」とする極端な報告もあるほどです。

 

冠攣縮性狭心症を誘発する喫煙習慣については、今までの喫煙歴の長さよりも、1日に吸う本数との間に密接な関連があります。1日20本以上を吸う人は、発病のリスクが非常に高くなるため注意を要します。

 

受動喫煙もまた、冠攣縮性狭心症の高いリスク要因となっています。そのため、医師は喫煙する本人も含め、家族全員に対しての禁煙指導を行なっています。

 

血圧管理

高血圧と冠攣縮性狭心症との直接的な関係は証明されていませんが、冠攣縮性狭心症を含む虚血性心疾患の危険因子としては、高血圧が大きなリスク要因となっていることは明らかになっています。適正血圧を維持するよう努力することは、冠攣縮性狭心症の改善にも意味があるでしょう。

生活上、血圧を上昇させる大きな要因は塩分摂取量。日本人の1日における平均塩分摂取量は13gですが、適正血圧の維持のためには、これを半分程度の6gに抑えるようにしましょう。

 

体重維持

肥満症と診断された人は、多くの場合、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの疾患を随伴しています。随伴される症状は、ほぼすべて冠攣縮狭心症のリスク要因です。肥満症ではなくとも、一般的に太り気味の人は減量をして適正体重を維持するようにしましょう。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを考えた食事をし、かつ適度な運動を日常に取り入れることで効率的に体重を落とすことができます。1ヶ月に1キロペースの減量が理想的です。

 

体重維持のための食事療法を詳しく見る

 

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耐糖能異常是正

耐糖能異常とは、ブドウ糖負荷試験において血糖値が「正常」と「糖尿病」との間に位置した状態。糖尿病予備軍という異名もあります。冠攣縮性狭心症の患者には耐糖能異常を示している人が多いと言われているので、健康診断で指摘されたことのある人は注意が必要です。

 

耐糖能異常の原因は主に遺伝ですが、これに過食や運動不足などが加わると糖尿病を発症し、冠攣縮性狭心症を誘発するリスクが高くなります。食事療法、運動療法で適正な血糖値を目指しましょう。

 

脂質異常症是正

血中脂質の異常は、冠攣縮性狭心症を誘発する大きな要因と指摘されています。特に多く見られるのが、コレステロール値の異常です。

 

血糖値の是正方法と同じように、食事療法や運動療法によって数値の改善を目指しましょう。

 

過労・精神ストレス回避

ストレスは虚血性心疾患を招く大きな要因として知られていますが、特に冠攣縮性狭心症の誘発要因として突出的に関与しています。冠攣縮性狭心症の発作の直接的な要因に過換気(過剰に呼吸をすること)がありますが、ストレスは過換気を招きやすいために発作を誘発するのでは、という見解もあります。

 

趣味や運動など、各患者に合った方法でストレスを解消することが大事です。

 

冠攣縮性狭心症を改善するためのストレス解消法を詳しく見る

 

節酒

冠攣縮性狭心症の発作は、アルコールを摂取した翌朝に頻発することが知られています。過度なアルコールを常用している人は、高血圧およびマグネシウム欠乏症を示すことがありますが、これらは共に冠攣縮性狭心症の大きな誘発要因。煙草とは違って完全にやめる必要はありませんが、化膿な限りの摂取を心がけるようにしたいものです。

喫煙とアルコールの過剰摂取は
突然死のリスクを飛躍的に高める

一般的な狭心症も冠攣縮性狭心症も、生活習慣是正のポイントについてはほぼ同じです。ただ、これらの中でも特に冠攣縮性狭心症と高い関連性が認められるのが喫煙。多くの報告において、喫煙が冠攣縮性狭心症を誘発する突出した要因として指摘されています。また深酒した翌朝に発作を起こす傾向が高いことから、アルコールの過剰摂取も大きな危険因子として挙げられています。

 

煙草・お酒が生活にしみついている人にとって、これらを近視することは困難を極めるでしょう。しかしながら、煙草・お酒を命と天秤にかけることはできません。冠攣縮性狭心症は突然死のリスクが高い病気です。ご自身のためにもご家族のためにも、医師の指導のもと必ず禁煙と節酒を実践していきましょう。

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