冠攣縮性狭心症の予後

ここでは、冠攣縮性狭心症の予後の注意点について詳しく解説します。

冠攣縮性狭心症を起こしたのちに適切な治療を受けた場合でも、一定の比率で病気が再発し、かつ再発による突然死も確認されています

最悪の事態を招かないためには、薬物治療や生活習慣の改善以外にも、仕事や運動する上での注意点を守る必要があります。

冠攣縮性狭心症の予後における再発防止

複数の追跡データによると、冠攣縮性狭心症の再発によって突然死する人の割合は5~15%程度。

別のデータでは2%とする報告もありますが、いずれの数字においても、再発による突然死のリスクはある、というのが結論です。冠攣縮性狭心症の治療を経て、安定的に生活をしている方でも、今後、再発の恐れがないとは限りません。

再発を防ぐためには、自分が冠攣縮の要素を持っていることを忘れず、日々、慎重に過ごすことが大切です。禁煙や節酒など、医師から指導されている項目については、一生涯守るようにしましょう。

再発防止の対策は?:
冠攣縮性狭心症の原因を抑えることが大事

イラスト

「動脈硬化」「血栓」のほか、心筋梗塞を引き起こす原因と言われている血管攣縮(れんしゅく)」。

血管が痙攣するように異常に収縮して血流を滞らせる血管攣縮。時と場所を選ばずに、何の前触れもなく突然血管がギュッと詰まります。最悪の場合、血管が完全に詰まってしまうと急性の心筋梗塞が発症し、突然死を招く危険もはらんでいます。

血管攣縮の治療法は生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。しかし、今まで有効とされてきた治療薬は、表面的な解決策としか言えません。さらに、耐性やリバウンド効果が報告され、正常な血管収縮も抑えてしまい、血圧降下などの副作用も懸念されています。

ところが近年、山口大学の小林誠教授のチームにより、血管攣縮の改善に有効な成分、「小林式EPA」の開発に成功しました。根本から血管の異常収縮を抑制できる唯一の成分として注目を浴びています。

「小林式EPA」は従来の成分より優れているところは、ピンポイントで異常な収縮のみ抑制でき、副作用がないことです。 教授らは血管攣縮のメカニズムを解明し、それを劇的に抑制できる成分は、生魚に多く含まれるある構造をしているEPAであることを突き止めました。また、特殊な抽出方法によりEPAの吸収力を高め、血管攣縮の抑制に特化した成分の開発に成功。市販されている一般的なEPAサプリメントには同様の作用がないことから、両者を区別する意味で、血管の異常収縮を抑制できるEPAを「小林式EPA」と呼ばれています。

注目の成分「小林式EPA」開発の経緯やメカニズム、また、唯一「小林式EPA」が配合されている商品の説明は以下のサイトで確認してください。

以下、冠攣縮性狭心症の再発を予防するための運動制限、および仕事上での注意点について詳しく解説します。

再発を防ぐための運動制限

冠攣縮性狭心症の大きな原因の一つに、肥満が挙げられています。太り気味の人は高血圧や脂質異常症、動脈硬化、糖尿病などを併発していることがあり、これらの要素はすべて冠攣縮性狭心症の原因として知られています。逆に言うと、肥満を解消すれば冠攣縮の再発リスクを大幅に低下させることができる、ということです。そのため太り気味の患者は、予後における食事療法と運動療法が主治医から入ることになるでしょう。

食事療法と運動療法は、再発予防において非常に重要な要素です。ただし、これらのうち運動療法については、少々注意しなければならない点もあります。医師の指導内容を「とにかく肥満を解消すれば良いのだ」と短絡的に解釈し、指導を外れるような運動をした場合は、再発による突然死の恐れがあるので注意してください。

冠攣縮性狭心症の予後における運動は、原則として有酸素運動のみです。有酸素運動とは、平時と同じ呼吸を保ちながらできる運動のこと。具体的にはウォーキングやサイクリング、ゴルフなどです。運動というよりも、適度に体を動かすこと、と考えたほうが良いかも知れません。

このレベルを超える中度・重度の運動については、原則として禁止になります。冠攣縮性狭心症を発症する要素を持っている人は、一定の運動をしてしばらく経った後に発作を発症する例が多く見られるからです。

再発による突然死のリスクを回避するためには、軽度の有酸素運動の範囲内に抑えることが大切であることを理解しておきましょう。

トヨタ記念病院では、狭心症・心筋梗塞の再発予防のための運動について次のように提唱しています。

トヨタ記念病院:狭心症・心筋梗塞の方へ-「Ⅲ.運動のはなし」より

狭心症や心筋梗塞の再発予防のために運動はとても効果的です。

ただし、運動だけを行っていればこれらの病気が完全に再発しなくなるというわけではありません。医師から処方された薬をしっかりと飲み、適切な食事をしながら行うことで初めて運動の効果が発揮されます。

再発予防のために運動を行う場合は、事前に必ず医師に相談し許可を受けてから開始しましょう。

運動の主な効果としては次のような事柄が挙げられます。

  • 心臓病の原因となる生活習慣病の改善
  • 動脈硬化の進行を防ぐ
  • 体力や筋力をつけることで体を動かしたときの心臓の負担を減らす

実際に行う際は正しい方法で、自分に合ったペースで運動することが大切です。

いくら体力作りのためとは言え、無理な運動をしていては健康にいいどころか心臓に負担かけることになってしまいます。正しい運動の仕方を身につけましょう。

適切な運動量

入院中であっても、医師の許可があればごく軽い運動から始めることができます。退院後には少しずつ運動を増やし、何よりも継続することが大切になります。

退院後の適切な運動量の目安は次の通りです。

  • 「楽」と「ややきつい」の中間
  • 話をしながら運動ができ、少し息切れしたり息が弾む程度
  • 「きつい」と感じる運動は行わない
自分の体に合ったペースで運動をする

自分の体に合うペースで、無理をすることなく運動をするために次の事柄を守りましょう。

  • 少しでも体調の優れないときは運動を休む。
  • こまめに水分を摂取する(水分制限のある人以外)
  • 薬を飲んだあとに運動する。
  • 運動を1週間以上休んだ場合は、軽く体を動かすことから始める。
  • 食後に1時間ほど休憩を置いてから運動する。
  • 暑い時間や寒い時間、早朝の運動は避ける。
運動の注意点

運動をしていて、もしも胸痛や動悸、めまいや呼吸困難が起こった場合はすぐに体を動かすことを中止して安静にしてください。しばらくしても症状が治まらないときには医師の診察を受けましょう。

また、疲労を感じたり、夜に眠れなくなったり、脈拍が120を超えた場合には運動量が多すぎる可能性があります。もっと軽い運動に変えましょう。

狭心症や心筋梗塞の再発予防に運動は有効な手段ではありますが、健康を目指すばかりにやりすぎないように注意が必要です。

ゆったりと心に余裕を持って、自分の体と向き合いながらの運動をおすすめします。

仕事での注意点

冠攣縮性狭心症の予後においては、仕事による無理な負荷も避ける必要があります。中度・重度の運動は禁忌との説明をしましたが、体をよく動かす仕事に就いている方は、医師からの指導に基づき、一度、職場の責任者に相談をしてみるべきでしょう。できれば体の負担の少ない部署に異動できるよう、医師とともに職場へ働きかけてみてください。

また、たとえ体を動かすことの少ない部署であったとしても、長時間の残業は避けてください。1日4時間以上の残業をする職場では、虚血性心疾患の発作を再発するリスクが通常の2倍になるとされています。さらに、残業の影響で平均睡眠時間が5時間以下になった場合には、再発リスクが4.8倍になるとも言われています。残業時間や下番時間についても、医師の診断書をもとに職場の責任者へ相談する必要があるでしょう。

また、たとえ残業時間に問題がなかったとしても、仕事の要求度の高さから慢性的なストレスを抱える職場の場合、発作の再発率は2倍程度になるとも言われています。併せて注意しましょう。

「狭心症・心筋梗塞―正しい治療がわかる本」の中で、仕事の復帰と狭心症や心筋梗塞の再発について、次のように記述されています。

野々木宏:「狭心症・心筋梗塞―正しい治療がわかる本」より

緊張する場面、興奮する場面では心臓が強く鼓動を打ちます。

体を動かしているわけでもないのにこうした場面で心臓がドキドキするのは精神的なストレスによって交感神経が刺激されるため。心臓の動きは活発になり、血圧も上昇します。

忙しい仕事、職場や家庭の人間トラブル、さらには冠婚葬祭もストレスの原因となります。

ときどき心臓の鼓動が速くなる程度のストレスであれば問題はないのですが、常にストレスにさらされるような仕事などは心臓に負担がかかることとなります。狭心症や心筋梗塞の再発を防ぐには、ストレスをためないようにすることがとても重要です。

仕事は以前の70~80%までに抑え、夜勤などもなるべく控えるようにしましょう。

睡眠不足もストレスになるため、しっかりと眠る時間を確保することも大切です。

たとえ仕事がデスクワークであっても、ストレスの強い環境下では狭心症の再発リスクも増してしまうことが解説されています。

予後良好とされる一般認識は正しいのか?

冠攣縮性狭心症における一般的な認識では「予後は良好な病気」とされています。実際に様々な一般情報源を検索すると、適切な治療を受けている限り予後は良いとする旨のコメントが多く見つかります。中には「きちんと治療を受ければ再発はほとんどない病気」と断言する医師もいます。

しかしながら一般情報源や医師個人の経験的主観とは別に、学術的な臨床データでは、冠攣縮性狭心症の再発死亡率は5~15%です。「予後は良好な病気」とされる一般的認識とは随分かけ離れている数字です。

なおかつ、再発による死亡例のほとんどは、冠攣縮から誘発された重度不整脈による「突然死」。何の前触れもなく、愛する家族へのお別れの言葉もなく、突然の心臓発作で命をなくします。

予後は良好という一般認識、あるいは、治療を受ければ再発しないとする医師らの見解が、冠攣縮性狭心症の既往者に対して油断をもたらさないことを願います。ご自身のため、ご家族のため、一部の情報に惑わされず、再発させないための対策を真剣に考えるべきでしょう。

冠攣縮性狭心症など、死に直結する血管の異常収縮を抑制できる注目の成分「小林式EPA」の説明は以下のサイトで確認してください。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?