冠攣縮性狭心症の診断方法・非侵襲的検査

ここでは、冠攣縮性狭心症の非侵襲的検査について解説します。非侵襲的検査とは、体に一切の危害を与えない検査方法のこと。心電図や運動負荷検査などです。体に何らかの危害を与えて行なう侵襲的検査と対になる概念です。

 

冠攣縮性狭心症の非侵襲的検査の種類

冠攣縮性狭心症の非侵襲的検査として、以下では心電図検査・ホルター心電図、運動負荷、過換気負荷、内皮機能負荷、心筋シンチグラムの5つをご紹介します。

心電図検査・ホルター心電図

冠攣縮性狭心症の検査を始め、心臓に関する病気の検査においては心電図検査が大前提となります。

 

心電図とは、心臓の動きを司っている電気信号を読み取る機器のこと。健康な心臓はリズミカルな動きをしていますが、このリズムは心臓に微弱に送られている電気信号のリズムでもあります。この電気信号のリズムは、何らかの心臓病を発症すると乱れてしまいます。この乱れ方のパターンを分析することで、医師は、それがどのような種類の心臓病であるかを特定します。

 

ただ、冠攣縮性狭心症においては、発作が起こっていないときに心電図を見ても、リズムに異常は確認されません。この弱点を克服するために利用されている機器が、ホルター心電図です。

 

ホルター心電図とは、言わば携帯型の心電図。電極を体に張り付けて小さな本体(記録機器)を腰にぶら下げる形で、24時間にわたり心電図を取り続ける機器のことです。病院で心電図を取る方法に比べて、高い確率で狭心症発作時の心電図をキャッチすることができます。病院における心電図検査に比べて精度は低いのですが、冠攣縮性狭心症においては非常に重要な検査法となっています。

 

運動負荷

運動負荷検査とは、狭心症が疑われる患者に対して軽く運動をさせ、人為的に軽度の狭心症を誘発したうえで心電図を確認する検査法。発作時に心電図を取らなければ狭心症の有無が判断できない、という弱点を克服するために開発された方法です。

 

運動負荷の主な方法としては、段差の昇降、自転車(エルゴメーター)、ベルトコンベア歩行(トレッドミル)など。医療機関や医師により、方法は異なります。

 

なお冠攣縮性狭心症は早朝に発症することの多い疾病。運動負荷検査においても早朝に実施することで、少なくない確率で冠攣縮が誘発されます。

 

過換気負荷

運動を通じて冠攣縮を誘発する運動負荷検査に対し、過換気負荷検査とは呼吸に負荷を与えて冠攣縮を誘発する方法。患者を一時的に過呼吸に似た状態にして冠動脈発作を人為的に作り出し、そのタイミングで心電図を見て病状を確認します。

 

患者は医師の指示にしたがい、一定時間、患者ができる範囲で活発に呼吸をします。一般に1分25回以上を目安とし、数分間にわたり過剰な呼吸を続けます。患者が活発に呼吸を続ける一方で、医師は心電図を確認。ここから狭心症の有無、またはその可能性を心電図上から読み取ります。

 

なお昨今、過換気負荷や運動負荷を単独で行なうよりも、両方法を合わせて行なったほうが精度が高くなるという報告があります。検査を受ける患者の心身の負担・不安をより軽くするためにも、これら非侵襲的検査の進化が望まれます。

 

内皮機能負荷

内皮機能負荷検査とは、血管の内部の状態を確認することで動脈硬化の有無や程度などを確認する検査。上腕に圧迫を加え、その後、圧迫から解放したときの動脈の拡張率を計ることにより、血管の内皮機能の異常の有無を判断します。冠攣縮狭心症を含め、動脈硬化全般の検査全般に用いられる方法です。

 

動脈に異常が見られない場合には、圧迫解放後の血管拡張率は8~10%。最低でも6%以上と言われています。よって5%未満の拡張しか見られない場合には、血管内皮に何らかの障害が生じていると判断されます。

 

なお血管の拡張率は、朝方に低くなる傾向があります。検査をする際には、時間帯を含め諸条件を整えておく必要があります。

 

心筋シンチグラム

心筋シンチグラムとは、放射線を放出する物質を静脈から注射し、動脈硬化等の有無を確認する検査法。注射を用いて行われる検査ですが、侵襲性は極めて低いという意味において、一般には非侵襲的検査に含まれます。

 

検査方法は、まずタリウムなどの放射線を出す薬剤を静脈に注射。放射線が冠動脈の隅々から放出されていれば血流は順調と判断されます。逆に、放射線の放出が確認できない部位においては、血栓等の血流を阻害する要因の存在が推定されます。これにより動脈硬化などの血管病変の有無や程度を判定します。

その検査を選択する理由を医師から確認する

非侵襲的検査は、身体にほとんど危害を加えない形での狭心症検査になるため、侵襲的検査に比べると患者の精神的不安はだいぶ軽減することでしょう。できることなら、非侵襲的検査だけで病状を判断してもらいたいものです。

 

ただし状態によっては、カテーテルなどを使う侵襲的検査が必要になることもあります。検査を受ける際には、なぜその検査を行なう必要があるのかを、医師からしっかりと説明を聞くようにしましょう。

 

イラスト非侵襲的検査が可能な医療機関

首都圏 - 東京医科大学病院

東京医科大学病院
*画像引用元:東京医科大学病院公式HP
(http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/)

  • ■病院名
    東京医科大学病院
  • ■所在地
    〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1
  • ■時間:要問い合わせ
  • ■定休日:要問い合わせ
  • ■電話番号:03-3342-6111
  • ■サイトURL
    http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/

「東京医科大学病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

最先端の心臓病治療を提供しており、病院内には24時間体制で専門医師が待機しています。重篤な心臓病患者に対しては心臓集中治療室(CCU)で専属チームが治療を行います。

■診療概要

主な非侵襲的検査としては、ホルター心電図・心エコー・超音波ドプラー法・超音波検査・トレッドミル運動負荷心電図・心臓と大血管のMRIとCTなどが行われています。中には初回来院時には実施できないものも含まれています。

■実績

2016年の循環器内科医の診療実績は、虚血性心疾患に対し冠動脈造影検査が1130例、経皮的冠動脈インターベンション365例。不整脈疾患に対してはカテーテルアブレーションが194例、ペースメーカー植え込み手術が79例。

大阪府 - 大阪市立総合医療センター

大阪市立総合医療センター
*画像引用元:大阪市立総合医療センター公式HP
(http://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/)

  • ■病院名
    大阪市立総合医療センター
  • ■所在地
    〒534-0021 大阪府大阪市都島区都島本通2-13-2
  • ■時間:月曜~金曜:24時間
  • ■定休日:土曜・日曜:要問い合わせ
  • ■電話番号:06-6929-1221
  • ■サイトURLhttp://www.osakacity-hp.or.jp/ocgh/

「大阪市立総合医療センター 循環器内科」の医療情報

■特徴

救命救急センター及び心臓血管外科と密な連携を取り、24時間体制で循環器診療に対応。特に弁膜症への診断については高精度を誇っています。

■診療概要

扱っている主な疾患は、心筋梗塞・狭心症・弁膜症・感染性心内膜炎・拡張型心筋症・肥大型心筋症・急性心筋炎・不整脈・急性心不全・慢性心不全・肺血栓塞栓症・急性大動脈解離・高血圧・深部静脈血栓症など多数。

■実績

検査では2017年の成人における心臓超音波検査数が8,000例を超えています。経食道エコー検査は354例実施。

福岡県 - 福岡県済生会福岡総合病院

福岡県済生会福岡総合病院
*画像引用元:福岡県済生会福岡総合病院公式HP
(https://www.saiseikai-hp.chuo.fukuoka.jp/)

  • ■病院名
    福岡県済生会福岡総合病院
  • ■所在地
    〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-3-46
  • ■時間:要問い合わせ
  • ■定休日:要問い合わせ
  • ■電話番号:092-771-8151
  • ■サイトURL
    https://www.saiseikai-hp.chuo.fukuoka.jp/

「福岡県済生会福岡総合病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

心筋梗塞など循環器系の救急疾患に対し、いつでも迅速に応じることができるよう365日24時間体制が整えられています。福岡の都市圏においては循環器救急体制が最も整っている病院。外来を受ける際にはかかりつけのクリニックなどで医師から紹介状を書いてもらい、電話での予約が必要となります。

■診療概要

特に、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈インターベンション、不整脈のカテーテルアブレーション、末梢動脈疾患への血管内治療の3つを柱として治療を実施。

■実績

非侵襲的検査においては2017年に、経胸壁心エコーを9,971例、経食道心エコー271例、トレッドミル403例、24時間心電図1,043例、心筋シンチ379例を実施。

愛知県 - 愛知医科大学病院

愛知医科大学病院
*画像引用元:愛知医科大学病院公式HP
(http://www.aichi-med-u.ac.jp/hospital/index.html)

  • ■病院名
    愛知医科大学病院
  • ■所在地
    〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~11:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:0561-62-3311
  • ■サイトURL
    http://www.aichi-med-u.ac.jp/hospital/index.html

「愛知医科大学病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

愛知医科大学病院 循環器内科では「虚血グループ」・「不整脈グループ」・「心不全グループ」の3つにグループを分け、より専門的な診療を行っているのが特徴。狭心症を扱う虚血グループでは、冠動脈CT・血管内超音波・光干渉断層撮影などの非侵襲的検査を駆使し、病変を適切に特定しています。

■診療概要

対象とする主な疾患は、急性心筋梗塞・陳旧性心筋梗塞・無症候性心筋虚血・狭心症・急性大動脈解離・大動脈瘤・下肢閉塞性動脈硬化症・肺塞栓症・不整脈・弁膜症・拡張型心筋症・肥大型心筋症・急性心筋炎・心不全など。

■実績

2015年の検査では、冠動脈造影604例、経胸壁への心エコー5,873例、経食道への心エコーが142例、冠動脈CTが648例。

北海道 - 北海道大学病院

北海道大学病院
*画像引用元:北海道大学病院公式HP
(http://www.huhp.hokudai.ac.jp/)

  • ■病院名
    北海道大学病院
  • ■所在地
    〒060-8648 北海道札幌市北区北14条西5
  • ■時間:要問い合わせ
  • ■定休日:要問い合わせ
  • ■電話番号:011-716-1161
  • ■サイトURL
    http://www.huhp.hokudai.ac.jp/

「北海道大学病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

北海道大学病院は札幌市のほぼ中心地に位置する北海道の代表的な医療施設。その敷地は面積の広さが日本一と言われているほど広大。予約制が取られており、初診の際には予約時間の30分前に受付を済ませ、他院からの紹介状を持参する必要があります。

■診療概要

循環器系の疾患として主に、高血圧・狭心症・心筋梗塞・不整脈・心不全・心筋症・心臓弁膜症・先天性心疾患などを診療。

■実績

2017年に行われた年間の非侵襲的検査数は、経胸壁心エコーが5,369例、経食道心エコー131例、ホルター心電図 192例、運動負荷試験が326例、心臓MRI検査324例、心臓CT検査197例など。

沖縄県 - 琉球大学医学部付属病院

琉球大学医学部付属病院
*画像引用元:琉球大学医学部付属病院公式HP
(http://www.ryukyu-radt.com/)

  • ■病院名
    琉球大学医学部付属病院
  • ■所在地
    〒903-0125 沖縄県中頭郡西原町字上原207番地
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~11:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:098-895-3331
  • ■サイトURL
    http://www.ryukyu-radt.com/

琉球大学医学部付属病院 放射線科」の医療情報

■特徴

ほかの診療科から依頼を受け、CTやMRIなど画像検査を高精度で実施。琉球大学医学部付属病院 放射線科では科目を「診断部門」・「治療部門」・「核医学部門」の3つに分け、患者の体への負担と苦痛の少ない低侵襲の検査と診療を目標に活動しています。

■診療概要

一般的に放射線科の検査では、全身のありとあらゆる疾患の画像診断が対象となっています。

■実績

画像診断では、CT18,119例、MR6,862例など。

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