冠攣縮性狭心症の診断方法・侵襲的検査

冠攣縮性狭心症の診断は、大きく侵襲的検査と非侵襲的検査に分けられます。侵襲的検査とは身体的危害を伴う検査(カテーテル挿入など)のことで、非侵襲的検査とは身体的危害を伴わない検査(心電図など)のこと。ここでは冠攣縮性狭心症における侵襲検査について詳しく解説します。

冠攣縮性狭心症の侵襲的検査の種類

冠攣縮性狭心症の代表的な侵襲検査として、アセチルコリン負荷試験、エルゴノビン負荷試験、冠血流測定、冠血管内視鏡、血管内超音波の5つの検査法を紹介します。

アセチルコリン負荷試験

アセチルコリンとは、本来は動脈を拡張する作用を持つ薬剤のこと。ただ、攣縮しやすい部位に触れると血管が収縮する作用があることから、冠攣縮性狭心症の検査においては頻繁に利用されています。

検査方法は、心臓カテーテルを用いて心臓の冠動脈に直接アセチルコリンを注入するだけ。これによって冠動脈の攣縮を確認すれば、冠攣縮性狭心症の疑いがあり、ということになります。

なお検査のためとは言え、軽微な冠攣縮性狭心症を人為的に発症させるため、医師における管理は慎重に行なわれなければなりません。検査中は徐脈(脈拍が60未満)になるため、ペースメーカーの留置も必要です。薬剤を注入して冠動脈の攣縮を確認したら、速やかに硝酸イソソルビドという薬剤を注入することで攣縮を解消します。

エルゴノビン負荷試験

エルゴノビン負荷試験の目的や検査要領は、基本的にアセチルコリン負荷試験と同じです。

エルゴノビンもまた、攣縮を誘発する薬剤の一種。冠動脈造影用のカテーテルを通じて直接薬剤を注入し、攣縮の発症の有無を確認します。攣縮が確認できれば、冠攣縮性狭心症の疑いがあることになります。検査が終了したら、速やかに硝酸イソソルビドを投与して冠動脈の攣縮を解除します。

なお、検査の薬剤においてアセチルコリンを使用するか、それともエルゴノビンを使用するかについては、各医療機関または担当医師の判断に委ねられます。アセチルコリンのほうが攣縮時間が短いという理由で、エルゴノビンに比べて安全性が高いとも言われています。

冠血流測定

冠動脈に狭窄部分(狭くなっている部分)を確認できたとき、この狭窄によって血流にどれだけの阻害があるかを調べる検査です。狭窄部分における治療の必要性、また複数の狭窄部分がある場合には治療の優先順位などを判断する際に行なわれています。

冠攣縮性狭心症の検査においては、冠動脈にワイヤー装置を設置しつつ、並行して薬剤によって冠攣縮を誘発する検査も行なわれます。決して簡単な検査ではなく、場合によっては冠動脈の解離や穿孔、血栓形成などの合併症を起こすリスクもあるため、検査は冠攣縮薬物誘発試験に習熟した医療機関で受けることが望ましいとされます。

冠血管内視鏡

血管内視鏡によって、冠動脈の内壁の状態を確認する検査。内視鏡を通じた画像は色調も鮮やかなため、肉眼で病変の確認、および病理診断をすることも可能です。

冠血管内視鏡は、主に冠動脈内部の傷や血栓などの有無を確認する検査。よって冠攣縮狭心症の検査においては、疾病の有無の診断ではなく、疾病の病態検査やメカニズムを解明するために用いられます。

なお、すでに攣縮が確認されている部位への冠血管内視鏡検査において、10例中4例について血栓や潰瘍、出血などの症状が確認できたとする報告があります。あるいは別の報告では、13例中5例において同様の内膜障害が確認されたとしています。

血管内超音波

血管内超音波検査とは、先端に超音波照射装置の付いたカテーテルを冠動脈に挿入して、血管の内部の状況を確認する検査のこと。先端から照射される超音波の反射信号を読解し、血管内の状態を判断します。通常、狭心症や心筋梗塞の検査において用いられます。

狭心症や心筋梗塞の原因は、冠動脈内に生成したプラーク(動脈硬化)と呼ばれる病変。血管内超音波検査の主な目的は、このプラークの性質を検証することになります。これにより、病変の治療必要性の有無や、複数の病変があった場合には治療の優先順位などを判断することができます。

なお冠攣縮性狭心症においてもプラークが確認されることがあるため、必要に応じて血管内超音波検査が行われますが、同疾患における超音波検査は、主に冠攣縮の病態を知るために行なわれています。

不安な方は事前に検査方法を確認する

カテーテルを使った侵襲的検査法においては、カテーテルを太ももや手首の結果から挿入し、そのまま心臓の冠動脈まで差し込んでいく方法を用います。初めてカテーテルによる検査を受ける方にとっては、想像するだけでも不安になるでしょう。

昨今では、少しでも患者の身体的負担や精神的不安を軽くするために、非侵襲的検査も積極的に行なわれています。複数の非侵襲的検査を組み合わせることによって、精度の高い判定も可能となりました。

狭心症の検査が不安な方は、事前にその病院における検査方法を確認してみたほうが良いかも知れません。

 

イラスト侵襲的検査が可能な医療機関

首都圏 - 東京大学医学部付属病院

東京大学医学部付属病院
*画像引用元:東京大学医学部付属病院公式HP
(https://cardiovasc.m.u-tokyo.ac.jp/)

  • ■病院名
    東京大学医学部付属病院
  • ■所在地
    〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~17:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:03-3815-5411
  • ■サイトURL
    https://cardiovasc.m.u-tokyo.ac.jp/

「東京大学医学部付属病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

心臓移植認定施設として活動しており、重症心不全にとっては最終的な医療機関。研究面では数々の学会からの受賞歴あり。

■診療概要

労作性狭心症・異型狭心症・心筋梗塞・心筋症・僧帽弁膜症・大動脈弁膜症・心不全・重症心不全・不整脈・心房細動以外の不整脈に対するアブレーション治療・心房細動に対するアブレーション治療・肺高血圧症・肺塞栓症・心臓リハビリテーションなど。

■実績

2017年、診療科で行った主な心臓カテーテル検査(侵襲的検査)は、冠動脈造影検査867例、左心室造影157例、大動脈造影17例、右心室造影493例など。

大阪府 - 大阪警察病院

大阪警察病院
*画像引用元:大阪警察病院公式HP
(http://www.oph.gr.jp/)

  • ■病院名
    大阪警察病院
  • ■所在地
    〒543-0035 大阪府大阪市天王寺区北山町10-31
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~14:30
    土曜:09:00~12:00
  • ■定休日:日曜
  • ■電話番号:06-6771-6051
  • ■サイトURLhttp://www.oph.gr.jp/

「大阪警察病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

急性心筋梗塞を始めとした心臓救急疾患に対し、常時カテーテル治療ができるよう24時間体制が整えられています。1978年に心臓センターが設立して以来、一貫して心臓病治療には最先端医療を提供し続けてきています。

■診療概要

狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈・下肢閉塞性動脈硬化症・大動脈疾患・感染性心内膜炎などに対応。

■実績

侵襲的検査では、2017年の心臓カテーテル検査(侵襲的検査)は1,913例。

福岡県 - 九州大学大学院医科学研究院

九州大学大学院医科学研究院
*画像引用元:九州大学大学院医科学研究院公式HP
(https://www.cardiol.med.kyushu-u.ac.jp/)

  • ■病院名
    九州大学大学院医科学研究院
  • ■所在地
    〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1
  • ■時間:要問い合わせ
  • ■定休日:要問い合わせ
  • ■電話番号:092-642-5371
  • ■サイトURL
    https://www.cardiol.med.kyushu-u.ac.jp/

「九州大学大学院医科学研究院 循環器内科学」の医療情報

■特徴

九州大学病院での外来は、初診だと原則的に他院からの紹介が必要です。また、予約制が取られているためあらかじめ連絡を入れておかなければなりません。九州大学循環器内科医局での治療を受けるには、九州大学病院循環器内科へ。JR吉塚駅で下車し徒歩15分、地下鉄箱崎線の馬出九大病院前駅からは徒歩5分の距離。路線バスによるアクセスが便利です。

■診療概要

狭心症・心筋梗塞・不整脈・心不全・心筋症・弁膜症・高血圧症・肺高血圧症・大動脈疾患・静脈血栓症などの心臓や血管の疾患に対し、専門的な診療をしています。

■実績

近年のカテーテル検査で(侵襲的検査)は1年間で約1,000例を実施。

愛知県 - 名古屋市立東部医療センター

名古屋市立東部医療センター
*画像引用元:名古屋市立東部医療センター公式HP
(http://www.higashi.hosp.city.nagoya.jp/index.html)

  • ■病院名
    名古屋市立東部医療センター
  • ■所在地
    〒464-8547 愛知県名古屋市千種区若水1-2-23
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~11:30
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:052-721-7171
  • ■サイトURL
    http://www.higashi.hosp.city.nagoya.jp/index.html

「名古屋市立東部医療センター 循環器内科」の医療情報

■特徴

心臓救急は24時間体制で受け入れ。日帰りカテーテル検査を導入しており、朝に来院して午前中にカテーテル検査を行い当日中に検査結果が伝えられます。診療方針もそのときに決定が下され、夕方には帰宅することができます。また、患者の親族には心臓カテーテル検査と治療が操作室にて公開されています。

■診療概要

心臓血管外科と連携を取り合い、虚血性心疾患・大坊脈疾患・末梢血管疾患・心臓弁膜症・不整脈・心不全などに対して治療がほどこされています。

■実績

心臓カ―テル検査(侵襲的検査)は2016年に723例実施。

北海道 - 国立病院機構北海道医療センター

独立行政法人 国立病院機構北海道医療センター
*画像引用元:国立病院機構北海道医療センター公式HP
(https://www.hosp.go.jp/~hokkaidomc/index.html)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構北海道医療センター
  • ■所在地
    〒063-0005 北海道札幌市西区山の手5条7-1-1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~03:00(夜間)
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:011-611-8111
  • ■サイトURL
    https://www.hosp.go.jp/~hokkaidomc/index.html

「国立病院機構北海道医療センター」の医療情報

■特徴

札幌市の閑静な住宅街と緑に恵まれた山沿いの間に立地。そこから札幌市全域をカバーしている第三次救急医療機関です。ヘリポートも設置されていて365日24時間体制での対応がなされています。

■診療概要

放射線部門ではさまざまな画像検査を手がけ、患者に対して安全で質の優れた医療を提供しています。

■実績

2010年、国立病院機構西札幌病院と国立病院機構札幌南病院が統合することで誕生した医療センターで、急性期や慢性期を問わず全ての医療ニーズにこたえています。放射線科では侵襲的検査として血管造影検査が採用されています。

沖縄県 - 沖縄赤十字病院

沖縄赤十字病院
*画像引用元:沖縄赤十字病院公式HP
(http://www.okinawa-med.jrc.or.jp/)

  • ■病院名
    沖縄赤十字病院
  • ■所在地
    〒902-8588 沖縄県那覇市与儀1-3-1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~16:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:098-853-3134
  • ■サイトURL
    http://www.okinawa-med.jrc.or.jp/

沖縄赤十字病院」の医療情報

■特徴

循環器内科では医師5名が各専門分野を持ち、循環器疾患のほぼ全てに対応可能。病院は大型で、院内サービスとしてATMやコンビニも設置されています。アクセスは、ゆいレール(モノレール)安里駅から徒歩15分とやや距離が。赤十字病院前のバス停がある路線バスを利用すると便利です。

■診療概要

侵襲的検査では、心臓カテーテル検査、冠動脈造影検査などを実施。

■実績

冠動脈造影(カテーテルを心臓の血管に挿入させる侵襲的検査)は400例の実績あり。

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