このページでは、冠攣縮性狭心症の発作が起こった際の緊急対処法について詳しく解説します。

突如として襲ってくる激しい胸の痛み。すぐに治まれば良いのですが、痛みが数分間も続いてしまうと、自分に命の危険が差し迫っているのではないかと不安になります。

発作が起こった際には、落ち着いて段取り良く行動してください。発作時の対処法を知り、冷静に行動できるよう事前に準備しておくようにしましょう。

冠攣縮性狭心症の発作が起こった際の緊急対処法

冠攣縮性狭心症の発作時の対応については、すでに「狭心症」との診断がされている人と、まだ何ら診断を受けていない人とで異なります。

まずは、すでに「狭心症」との診断を受けている人の発作時の対応について見ていきましょう。

「狭心症」と診断を受けている人の発作時の対応

すでに「狭心症」との診断を受けている人は、すでに発作時の対応について、主治医から指導を受けているはずです。発作に備え、改めて指導内容を復習するとともに、発作が起こった時に落ち着いて行動ができるよう、何度もシミュレーションしておくようにしてください。

発作時、基本的には次の要領で対処をします。

1.薬を口に含む

医師から処方されている硝酸剤(ニトログリセリンなど)を、舌の下に1錠入れ、溶かしながら飲んでください。体を安静にして薬を飲むようにします。一般には、薬を飲んでから1~2分程度で発作・胸の痛みが治まります。

2.発作が治まらない場合には、もう1錠を口に含む

1錠目を飲んでから1~2分で発作が治まらず、その後、5分経っても胸の痛みが続くようであれば、もう1錠を追加して飲んでみてください。引き続き、安静を保ちながら薬を服用します。

3.それでも発作が治まらない場合には、さらに1錠追加する

硝酸剤を2錠飲んでも胸の痛みが治まらない場合には、さらに続けてもう1錠を口に含みます。なお、硝酸剤を飲み過ぎると血圧が急激に低下して危険なので、絶対に3錠を超えて飲むことのないようにしましょう。

4.以下に該当する場合には、迷わず医療機関を受診してください

  • 今までの発作では経験したことのないような胸の痛みがある
  • 薬を飲んで30分経っても痛みが治まらない
  • 発作の頻度が上がってきた
  • 今までの発作とは異なる何らかの違和感がある

発作が重症であると判断された場合には、すぐに救急車を呼びましょう。

※薬を飲む際の注意点

発作が生じた際には、できるだけ安静にするのが基本です。横になり、ズボンのベルトを緩め、体を保温するようにして安静にしてください。

次に、まだ何ら診断を受けていない人の発作時の対処について見ていきます。

まだ何ら診断を受けていない人の発作時の対応

何の診断も受けていない人が急激な胸の痛みに襲われた場合、その原因を一刻も早く特定させなければなりません。原因に応じ、以後は適切に対処するようにします。

1.早急に病院を受診する

痛みが激しい場合には、迷わず救急車を要請してください。狭心症であれば数分で痛みは治まりますが、急性心筋梗塞の場合には、そのまま意識を失って命を落とす危険性があります。

2.すぐに痛みが治まったとしても病院を受診する

たとえ胸の痛みがすぐに治まったとしても、早急に病院を受診するようにしてください。痛みの原因を特定させ、以後の発作時には適切に対応するためです。

発作時に落ち着いて行動ができるよう準備しておく

何の前触れもなく突如として狭心症の発作に襲われた場合、人によってはパニックに陥り、冷静さを失って適切な行動をとれない恐れがあります。いつ発作が起こっても段取り良く対処できるよう、自身の環境を万全の状態に整えておくようにしましょう。

突然の発作に備え、以下の準備をしておくようにしてください。

決まった場所に薬を置く

発作時、我を失って薬の置き場所を忘れてしまう可能性があります。必ず決まった場所に薬を置き、発作時には反射的に手が伸びるようにしておきましょう。

手の届きやすい場所で、なおかつ子供の手が届きにくい場所に置いてください。

外出時には薬を携帯する

冠攣縮性狭心症は、多くの場合、安静時に起こる発作です。ただし、そうとは言え、必ず安静時のみに発症するという保証はありません。

いつ発作が起こってもすぐに対処できるよう、外出時には、硝酸剤などの薬を常に携帯しておくようにしましょう。旅行に行く際にも、忘れずに荷物の中に入れておいてください。

自分の基本情報を書いた紙を電話の近くに貼っておく

薬を飲んでも胸の痛みが治まらない場合や、いつもの発作よりも激しい痛みを自覚した場合には、迷わず救急車を要請します。狭心症ではなく、急性心筋梗塞の恐れもあるからです。

救急車を呼ぶまでの事態に至ると、発作を起こした本人はもちろん、一般には家族も著しく動揺します。平静時には理解しがたいことかも知れませんが、自らの名前や住所、年齢、電話番号などを失念してしまう人も少なくありません。中には、119なのか199なのか110なのかを分からなくなり、なかなか救急車を要請できない人もいるほどです。

自宅の電話機の近くには、発作の時に冷静に受け答えできるよう「住所・氏名・年齢・電話番号・持病」など、自分を取り巻く基本情報を書いた紙を貼っておくようにしましょう。

携帯電話の操作に慣れておく

外出先で発作を起こした際、携帯電話から救急車を要請しなければならない事態も起こり得ます。すぐに電話をかけられるよう、携帯電話の操作に慣れておくようにしてください。

昨今の携帯電話(スマホなど)には、購入時からたくさんのアプリが登録されており、電話アプリの場所を見つけにくいことがあります。特に若い人は、普段あまり電話機能を使用しない傾向があります。分かりやすい場所に電話アプリを貼っておくようにしましょう。

発作時の対処法を家族にも伝えておく

発作による痛みが著しい場合、自分では適切な対処ができなくなる恐れもあります。万が一の事態に備え、家族全員で発作時の対処法を共有しておくようにしてください。

薬での対処法だけではなく、救急車を要請する基準なども共有しておくべきでしょう。

家族だけではなく、職場の同僚など身近にいる人たちにも対処法を伝えておくと安心です。

一人暮らしの場合は近隣の人に持病を伝えておく

一人暮らしの人が狭心症や心筋梗塞の発作を起こし、迅速な対処をできなかった場合、ともすると、そのまま死に至る危険性があります。自身で対処できないような発作が起こった場合に備え、できることならば持病のことを近隣の人にも伝えておくと良いかも知れません。

ただし、持病のことはデリケートな問題なので、伝えたくない人もいるでしょう。近隣の人との距離感を考慮の上、各自、伝えるべきかどうかを判断してください。

副作用を抑えた発作治療薬の可能性

発作時には薬を飲むことで、冠動脈の異常攣縮を抑えることができます。しかしながら従来の薬は、異常攣縮を起こした血管のみならず、正常な働きをしている血管にまで作用を及ぼすことが問題点。結果として、薬を服用することによる低血圧など、危険な副作用のリスクを避けることができませんでした。

この副作用の問題に対し、昨今、光明ともなるべき成分が発見されました。青魚の脂分などに含まれているEPAです。

山口大学の小林誠教授らの研究チームは、EPAが正常な血管に作用を及ぼすことなく、異常攣縮を起こした血管にのみ選択的に作用を及ぼすことを発見。加えて同研究チームは、加熱に弱いとされるEPAの構造を壊さず、純粋な形で抽出する製法も確立しました。今後の冠攣縮性狭心症の予防薬として、医学会では大きな期待を集めています。

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