カテーテル治療

カテーテル治療は、PCI(経皮的冠動脈インターべンション)ともいい、ステント(細い管)を冠動脈まで送って、狭窄・閉塞している血管を広げて、血流を回復させる治療です。4つの手法があり、冠動脈の状態に合わせて選択します。治療の範囲は広く、複雑な症例でもカテーテル治療が行われるケースが増えています。

 

カテーテル治療とは

1

4つの治療方法から
病態に合わせて選択

カテーテル治療とは、冠動脈にカテーテル(細い管)を入れて、心筋梗塞で塞がったり、狭心症で狭くなった血管を広げて血液を流れやすくする治療です。一口にカテーテル治療といっても、治療法は複数あり、①「冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)」、②「バルーン療法(冠動脈形成術=PTCA)」、③「ステント療法」、④「アテレクトミー」があります。狭窄・閉塞を起こしている冠動脈の状態に合った治療法を選びます。

2

カテーテルはしなやか
血管を傷つけません

狭窄・閉塞を起こしている冠動脈の状態に合わせて、治療法を選択します。カテーテルは、肘、手首、足のつけねの動脈から挿入して冠動脈まで送ります。足の付け根の動脈が10mm、手首の動脈3mmあり、カテーテルの太さは約1.7~2mmと細く、しかもしなやかなので血管を傷つけることはありません。カテーテル治療を行うことで、心筋梗塞・狭心症の根本的な原因を取り除いて血流を回復させることができる、効果が高い治療です。

 

カテーテル治療の方法

1

冠動脈内血栓溶解療法は
直接薬で血栓を溶かす

カテーテル治療は、手首、腕、足のつけね部分の動脈にカテーテルを挿入して、冠動脈まで送る治療です。「冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)」は、カテーテルに血栓溶解薬を注入し、冠動脈造影を行いながら、狭窄・閉塞部を特定して血流を回復。即効性と高い効果が期待できます。バルーン療法(冠動脈形成術=PTCA)」は、先端に小さなバルーンをつけたカテーテルを送り、圧力をかけてバルーンを膨らませて血流を回復します。

2

ステント留置療法で
血管を固定する

ステント留置療法では、バルーンの先にステント(金網状の筒)をつけて冠動脈まで送り、狭窄・閉塞を起こしている部分でバルーンとステントを開きます。冠動脈を内側から広げるので、血管が拡張して血流を確保。ステントを残したままカテーテルを取ると、冠動脈が補強されて血液の流れがよくなります。アテレクトミーは、先端にドリルのような器具がついたカテーテルを冠動脈に送り、血栓を削って穴をあける方法です。

 

カテーテル治療の利点

Advantage01

低侵襲かつ確実に効果の高い治療ができる

カテーテル治療のメリットは、問題を起こしている部分に直接アプローチできる点です。冠動脈内で詰まっていた、血栓やプラークを完全に取り除くと、すぐに血流が回復して、高い治療効果が期待できます。X線撮影のモニターを見ながら治療を進めるので、安全・確実にカテーテルを冠動脈まで送ることができます。外科的手術とは違い、局所麻酔を使って1時間半程度の短時間で治療が終わり、入院期間も3~6日程度。患者の体に負担が少ないリスクの少ない治療です。

 

カテーテル治療がおすすめのケース

Case01

比較的、症状の軽い心筋梗塞や狭心症に適応する

カテーテル治療は、短時間かつ体への負担が少ない治療ですが、再狭窄が起こりやすい、難しい病変には適応できません。心筋をどこまで回復できるかにより、適応の有無を判断します。具体的には①冠動脈の狭窄が75%以上、②心筋が壊死していない、③胸に強い痛みがある、④狭窄部の血管に一定量以上の血液が流れていることの5項目が挙げられ、これらを総合的に判断したうえで、カテーテル治療の必要性を見極めます。

 

カテーテル治療の経過

Course01

術後、すぐに血流が回復して長期間安定する

カテーテル治療を受ける前と後では、血液の流れが全く変わってきます。治療前の冠動脈を血管造影で確認すると、血流がせき止められて白く濁っていますが、カテーテル治療をすると、すぐに閉塞した血管が広がり、血流が再び流れていることがはっきり確認できます。またステント留置後、血管の断層写真を確認すると、留置した部分の血管が内側から押し広げられて、狭窄した部分が完全になくなっているのが認められます。

 

 

カテーテル治療に関する不安・疑問

カテーテル治療は血管の中に細い管を入れて行う治療法です。そのため「血管が傷つく?」と心配する方も多いのでは。また、治療前には入院が必要となり、事前準備も必要です。何を準備したらいいのかわからず、戸惑う方も少なくありません。治療前に、どんな心構えが必要なのでしょうか。カテーテル治療の不安や疑問にお答えします。

 
01

血管の中にカテーテルを通すので痛みが心配です

治療をするときは、手首や足のつけねなど、カテーテルを挿入する部分に、局所麻酔をかけるので心配しなくても大丈夫です。麻酔は普通の注射をする時と同じ注射器を使うので、針を刺したときに、一瞬チクっとした痛みがありますが、麻酔が効いてくれば痛みを感じなくなります。麻酔が効いた状態でカテーテルを挿入しますので、強い痛みや苦痛を感じることは、ほとんどありません。万が一、我慢できないほどの痛みがあるときは、麻酔を追加します。

 
 
02

カテーテル治療の説明はどのタイミングで行われる?

外来で診察を受けカテーテル治療が必要と判断した場合は、その段階で医師から説明があります。入院が必要となるので、看護士が治療の流れや注意事項等を詳しく説明し、治療にあたってのアドバイスをしてくれます。治療内容を具体的に伝えるために、写真やビデオなどを使って説明する病院もあるようです。安心して治療を受けるためにも、不安や疑問があれば、納得できるまで質問するといいでしょう。

 
 
03

検査後に水分を取るよう言われましたがなぜですか?

通常、カテーテル検査を行う前に、造影剤を投与します。造影剤は、尿と一緒に排泄されますが、水分量が少ないと体内に存在する時間が長くなります。腎臓にかかる負担や、副作用の心配を避けるために、水分を多く摂り体外に排出させてくださいという意図でしょう。目安としては、3時間以内に500ml程度の水を摂取します。水のほかに、お茶、ジュースなどを飲んでも大丈夫です。治療中に吐き気があった場合は、点滴で対応するので水分は必要ありません。

 
 

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?