心筋梗塞・狭心症を予防するためのサイト » 心筋梗塞・狭心症の前兆症状 » 前兆なしの心筋梗塞・狭心症もある!発作の予防法・対処法とは

「後になってみれば思い当たるフシもある」というケースも含めて、心筋梗塞や狭心症には、発作の前兆と思われる症状が起こることがあります。胸の違和感はもちろん、左肩や奥歯の痛みなどです。その一方で、前兆なしで突如として心筋梗塞・狭心症が発症する例も決して少なくはありません。ここでは、前兆なしの心筋梗塞・狭心症について詳しく解説します。

心筋梗塞の前兆に関する統計データ

心筋梗塞の前兆について、日本医科大学が大まかにまとめたデータがあります。

そのデータによると、心筋梗塞の発作に先立ち、何らかの前兆を生じた人は全体の約50~60%。半数以上の人は、心筋梗塞の発作を起こす前に何らかの自覚症状を経験しているということです。

それぞれの患者はどのような前兆を自覚したのか、具体的な内訳は以下の通りです。

  • 胸痛のみ…37%
  • 胸痛+その他の症状…51%
  • その他の症状のみ…11%

ちなみに「その他の症状」についての具体的な内訳は、以下になります。

  • 呼吸困難・息切れ…32%
  • 冷や汗…26%
  • 吐き気・嘔吐…14%
  • 心窩部痛(みぞおちの痛み)…9%
  • あご・喉・背中の痛み…6%
  • 心悸亢進(動悸)…6%
  • 疲労感・脱力感…4%

一般的に心筋梗塞や狭心症の前兆としてイメージする症状は、胸の痛みです。胸の痛み以外の前兆症状については、それが心筋梗塞の前兆だと気付くのはなかかなか難しいでしょう。

上記の「その他の症状」のうち、息切れや冷や汗、吐き気、背中の痛み、動悸、疲労感などは、心筋梗塞とは無関係に、日常的に経験することも珍しくない症状。そのため「その他の症状」しか経験していない人(11%)については、実質的に、前兆なしの心筋梗塞と考えても良いかも知れません。

「その他の症状」のみの症例を前兆なしの心筋梗塞としてカウントした場合には、全体の約半数の患者が、予期せずして心筋梗塞の発作を発症しているということになります。

前兆なしの心筋梗塞・狭心症の発作を予防する方法

前兆なしの心筋梗塞・狭心症を予防するためには、何より発作を起こさないような体質を維持していく必要があります。具体的には、動脈硬化を防ぐことです。動脈硬化の原因の大半が生活習慣にあるため、まずは暴飲暴食や運動不足などの不摂生な習慣を改めなければなりません。

万が一、動脈硬化や生活習慣病を指摘されている人が、以下のような状況に置かれた場合、前兆なしの心筋梗塞・狭心症を発症する恐れがあります。十分に注意して過ごしましょう。

ストレスを強く感じている時

仕事や家庭のこと等で強いストレスを感じている時、前兆なく突如として心筋梗塞・狭心症の発作を生じることがあります。

発作を予防するためには、ストレス解消よりも、むしろストレスを受けない日常を送ることが大切。可能であれば、今までよりも力を抜いて過ごしたほうが良いでしょう。

体を動かしている時

スポーツや肉体労働など、体を動かしている時に心筋梗塞・狭心症を発症することがあります。激しい運動をしている時だけでなく、階段を上る時や、布団の上げ下ろしをしている時に発作が見られることもあるので要注意。心臓に不安のある方は、なるべく突発的な動きをせず、ゆっくりと動くように心がけましょう。

気温が低い場所に移動した時

冬場に居間からトイレに移動した時や、浴室から脱衣所に移動した時などのように、暖かい場所から寒い場所へ移動したことがきっかけで心筋梗塞・狭心症が起こる場合があります。

冬は、なるべく家の中を一定の室温に保つようにしましょう。

緊張・興奮している時

喧嘩している時や怒っている時、車の運転をしている時、性行為を行っている時など、精神的に興奮・緊張している状況下で心筋梗塞・狭心症を発症することがあります。

精神的高揚が発作の引き金になることを認識し、なるべく平穏に過ごすことが大事です。

深夜・明け方

就寝中の深夜や、寝起き前後の明け方、何の前兆もなく心筋梗塞・狭心症を発症する例は少なくありません。多くの場合、心臓の血管攣縮が原因となって生じる発作です。

初期段階は狭心症の発作のみで治まる場合が多いため、その段階で早めに専門の病院を受診してください。

前兆なくして発作が起こった時の緊急対処法

心筋梗塞を発症すると、その約35%の患者が病院に到着する前に死亡するというデータがあります。命の明暗を分けるのは、周囲の初動です。心筋梗塞の発作で倒れたと思われる人(胸の痛みを訴えつつ意識が朦朧としている人)がいたら、速やかに適切な処置をとるようにしてください。

心筋梗塞を生じた人への救命法として、以下の手順をしっかりと覚えておいてください。

心筋梗塞を生じた人への救命法

1.大きな声を上げて周囲の人に気付いてもらう

大きな声を上げて緊急事態であることを周囲に知らせ、救命の協力を求めます。救急車の要請をお願いしたり、AEDを探してもらったり、心臓マッサージや人工呼吸をお願いしたりします。

場合によっては、偶然にも医療関係者が居合わせることもあるため、躊躇なく大声を出してください。

2.心臓マッサージや人工呼吸を行う

胸の真上から、1分間に100回のペースで心臓マッサージを行ないます。呼吸が停止している場合は人工呼吸も並行してください。

これらの具体的な救命法については、救急車を要請する際の電話で、救急隊員から指示があるはずです。

3.AEDを使用する

AEDがある場合には、心臓マッサージを行った後にAEDを使用します。AEDの人工音声に従って操作をするだけなので、操作法は決して難しくありません。ただし、緊急事態でも落ち着いて操作をするために、一度は操作法の講習を受けておくべきでしょう。

4.救急隊員にバトンタッチする

救急車が到着したら救急隊員に対応をバトンタッチします。この間、適切に心臓マッサージが行われていたならば、救命できる確率は飛躍的に上がることでしょう。

血管の攣縮を原因とした心筋梗塞・狭心症に要注意

前兆なしで心筋梗塞・狭心症を起こすことは、決して珍しくはありません。しかし、多くの場合、心筋梗塞や狭心症の原因は動脈硬化や高血圧です。いわゆる生活習慣病を予防・改善させる日常へと改めることで、心筋梗塞や狭心症の発症リスクを大きく低下させることは可能です。

その一方で、いかに生活習慣に注意していたとしても、血管攣縮を原因とした心筋梗塞・狭心症は予期することが難しいのが現状です。

血管攣縮とは、血管が痙攣を起こして収縮する症状のこと。寝起きなどの安静時に突如として発症し、最悪の場合、急性心筋梗塞に至って死を招くこともある恐ろしい症状です。

血管攣縮を原因とした心筋梗塞・狭心症患者の多くは、動脈硬化も同時に有している傾向があるため、発作を予防するためには、まず生活習慣を改善させることが大切。加えて、血管攣縮自体の発症を抑えるための具体的な対策をとる必要があります。

以下のページでは、血管攣縮に関して詳しく紹介しています。まずは血管攣縮についてしっかり理解し、そのうえで予防方法をチェックしていきましょう。