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胸焼けは心筋梗塞の前兆の可能性も

胸焼け

心筋梗塞や狭心症から身を守るためには、ささいな前兆に気づくことが重要ですが、実はその症状は動悸や胸の痛みだけではありません。一見消化器系の異変のように思える胸焼けも、注意したい前駆症状のひとつです。なぜ心筋梗塞・狭心症の前触れが胸焼けとして現れるのでしょうか?その理由について解説します。

 

前兆としての胸焼け

狭心症や心筋梗塞の前触れ

胸焼けは、狭心症や心筋梗塞の前触れとされる症状のひとつです。ここで言う胸焼けとは、「胸が焼けるような感じ」や「胸がチリチリする感じ」を指します。胸焼けと言うと食道や胃の異変ではないかと考えがちですが、心筋梗塞の前触れとして起こる胸焼けの場合は、実際に食道や胃に原因があるわけではありません。心筋梗塞の急性期では自律神経に混乱が生じるため、循環器や胃腸を中心として全身にさまざまな症状が生じ、胸焼けに似た兆候が起こることもあるのです。

冠動脈の攣縮による痛みの可能性

胸部以外にも症状がある場合は注意

胸焼けと似たような重苦しい感じが、胃部だけでなく肩(特に左肩)、首、背中、後頭部、みぞおち、歯やほほ等にも現れている場合は、冠攣縮性狭心症を起こしているかもしれません。
冠攣縮性狭心症は、冠動脈が痙攣することによって狭くなり、心臓に十分な酸素が行き渡らなくなるために起こる症状です。通常の狭心症が運動時に起こりやすいのに対して、冠攣縮性狭心症は夜間の安静時にも多く起こるため、予防がしにくいと言われています。
冠攣縮性狭心症が起こると、同時に自律神経が混乱し、心臓部で感じるべき痛みを肩や首など他の部位の痛みに勘違いしてしまうことも珍しくありません。このことを「関連痛」と言います。通常の狭心症であれば数分以内に痛みが治まるケースがほとんどですが、冠攣縮性狭心症の場合は数十分間も胸部の違和感や関連痛が持続するのが特徴的です。この症状を放置すると、心筋梗塞などのより危険な症状へ進むこともあります。

血管攣縮を詳しく見る
冠攣縮性狭心症について詳しく見る

埼玉医科大学国際医療センター副院長・教授の棚橋紀夫先生は、ご自身が監修しているパンフレットの中で、「狭心症と心筋梗塞の前兆は左胸の痛みだけではない」との旨を伝えています。前兆の中には意外な症状もあるのですが、そのうちの一つが胸やけです。

心臓に不安のある方は、胸やけを含めたこれら症状の特徴を、ぜひ押さえておいてください。以下、先生の監修パンフレットよりポイントを抜粋してご紹介します。

【病気のサインを知って重症化を防止しよう 狭心症・心筋梗塞編】より

監修パンフレットでは、「左胸の痛み以外の狭心症・心筋梗塞の前兆」として、分かりやすいイラスト付きで次の症状を紹介しています。

  • 胸の中心が痛む(心臓がある左側ではなく真ん中)
  • ときどき胸の中心が痛み、痛みが左肩から左腕に伝わることがある
  • 運動したりタバコを吸うと胸や背中が痛むことがある
  • 胸痛はないが、なんとなく呼吸が苦しく、ふらふらしたり吐き気がすることがある
  • 深夜、あるいは明け方に胸焼けがしたり、みぞおちが痛むことがある
  • 興奮したりストレスを受けたとき胸が痛むことがある
  • まぶた(眼瞼)に黄色っぽいシミのようなものができている

こちらのパンフレットでは、胸焼けが生じるタイミングを「深夜」と「明け方」としています。

深夜や明け方などの安静時に生じる狭心症・心筋梗塞は、主に冠動脈の攣縮を原因としたもの。予告なく発作が発症し、命を落とす例も珍しくない恐ろしい症状です。冠動脈の攣縮を予防する効果があるとして、メディアではEPAという成分が注目されたこともありました。

深夜や明け方に原因不明の胸焼けを生じたことがある方は、くれぐれもご注意ください。

明け方の胸焼けから心筋梗塞を発症した事例【京都大学医学部附属病院】

深夜や明け方の胸焼けが狭心症・心筋梗塞の前兆である場合がある、と上記で説明しました。これに関連し、京都大学医学部附属病院循環器内科の公式サイトでは、実際に明け方の胸焼け自体が心筋梗塞だった、という恐ろしい事例を紹介しています。

患者は59歳男性会社員。それまで狭心症・心筋梗塞などの既往歴はありません。心筋梗塞の危険因子とされる喫煙習慣もありません。

以下、同病院の公式サイトから引用しつつ、同患者の胸やけ(結果として、胸やけそのものが心筋梗塞の症状だった)の症状についてご紹介します。

■胸焼け(=心筋梗塞)が起こったときの状況

自覚症状は感じなかった。 入院する3か月前に胸やけの症状があり目が覚めた。でもゲップが出るとするスッキリして治った。その後朝食後、駅までの歩行中胸やけの症状がありその症状が止まれば後はスッキリなにもない。毎日じゃなく3日に1回位できていたようだ。

■胸焼けの具体的な症状

通勤途上の時、胸やけみたいにゲップが何回も止まって大きなゲップが何回も止まって大きなゲップが出れば後はスッキリ。時々昼食後1H位後にも胸やけゲップが出るときがあった。

■胸焼けが起こる前の前兆

何も自覚症状がなかった。普段通りの生活の中でゲップが多くなっただけ。その時大きなゲップでスッキリするまでは少しだけ胸が気持ち悪い。

患者のここまでのコメントを遮るように、担当医からの警告が発せられています。

■担当医からのコメント

この患者さんの症状は非典型的です、症状がはっきりしなくても、症状が持続するときや、症状が何回も繰り返すときはやはり病院を受診してください。

■病院を受診したときの状況

時々ゲップが出るので胸やけの薬をもらおうと検査を受けた。医師は血圧、血液、心臓の検査後すぐ手術を言っていた。(心臓の鼓動等おかしいとカテーテルしないとダメといっていた。)

■受けた治療

カテーテルのステント治療(2本)、風船療法(1本)手術をやりました。

■術後の患者の感想

この手術をしていなかったら、後に後遺症が出たり死亡していたらと思うと、手術してよかった。

以上、京都大学附属病院の公式HPに掲載されていた患者へのインタビューの一部を抜粋しました。

恐ろしいのは、患者に胸痛などの明らかな症状がなかった、ということ。胸焼けやゲップの薬をもらうために検査を受けたところ、心臓の緊急手術となった、という流れです。

胸焼けやゲップ程度で病院を受診する人は、きっと少数派でしょう。こちらの患者さんは、本当に運が良かったとしか思えません。そのまま胸焼けを放置していれば、いずれ大きな心筋梗塞の発作を起こし、命を落としていたかも知れません。

医師が途中で遮るようにして出したコメントにも見られるように、心筋梗塞の前兆とされる症状が持続・反復した場合には、速やかに病院を受診すべきでしょう。

心配な場合は速やかに受診

心筋梗塞は早めの治療が大切

心筋梗塞や狭心症は、命の危険に繋がりかねない深刻な病です。自分の命を守るためには、ささいな前兆を見逃さず、重大な発作が起こる前に医療機関を受診することが何よりも大切となります。特に胸焼けは、単なる胃の不調として片付けてしまうことも多いですが、心筋梗塞や狭心症の前兆かもしれないということを忘れてはなりません。
心筋梗塞・狭心症リスクの高い方は、普段から胸焼けや肩・首の痛みなど、各所の違和感を見逃さないよう注意しておくと良いでしょう。不安な症状を自覚した場合は、早めに専門機関に相談するよう心がけてください。

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