心筋梗塞・狭心症を予防するためのサイト » 心筋梗塞・狭心症の前兆症状 » 食後の動悸は狭心症・心筋梗塞のサイン?

食後の動悸は狭心症・心筋梗塞のサイン?

食後には決まって動悸が起きるという人もいるようです。あまりにも激しい動悸を感じる場合には、何らかの病気が潜んでいる可能性があるため、一度、専門の病院を受診すべきでしょう。食後の動悸は、場合によっては狭心症・心筋梗塞の前兆である可能性があります。痛みを感じないからと言って、油断することのないようにしましょう。

食後の動悸は狭心症・心筋梗塞の予兆?

食事を摂った後に、決まって鼓動が激しくなるという人がいます。手首を押さえてみれば、頻脈を自覚することもできます。 多くの場合、特に痛みなどを感じることはなく、しばらく横になって安静にしていれば動悸は治まってくるでしょう。その状態に慣れてしまうと「いつものこと」と考え、特に不安を感じることも少なくなるかも知れません。

しかし、油断は禁物。その動悸こそ、生来的な狭心症・心筋梗塞へとつながっていく予兆である可能性もあるのです。 食後の動悸の原因は、「食後低血圧」か「食後低血糖」のいずれかが原因である可能性が高いでしょう。低血圧も低血糖も、狭心症・心筋梗塞を誘発する大きな要因となります。

狭心症・心筋梗塞の前兆である事の説明(メカニズムや原因)

食後の動悸の原因として考えられるのが、「食後低血圧」か「食後低血糖」です。

体質、生活習慣、年齢などの要因が関係し、食後に低血圧を起こしたり、低血糖を起こしたりする例は珍しくありません。低血圧も低血糖も、その代表的な症状の一つが動悸。かつ、低血圧も低血糖も狭心症・心筋梗塞の誘因として知られています。食後に動悸を感じる人は、血圧や血糖値を常に意識しておく必要があるでしょう。

■食後低血圧

健康な人が食事をした場合、食べ物を消化するため、一時的に腸に大量の血液が集まります。この働きを自律神経がサポートする形で、腸以外の血管は収縮。一定の血圧の中で、消化機能が効率良く働く仕組みとなっています。

ところが、高齢者や高血圧の人、自律神経に何らかの異常がある人においては、このメカニズムが上手に働かない場合があります。結果として、中には血圧が低下してしまう人もいます。消化が進んでいる間、安静にしていれば徐々に血圧も上昇。やがて何事もなかったかのように、体は普段の調子へと戻ります。

食後低血圧に限った話ではなく、そもそも低血圧の典型的な症状が動悸。食後に動悸を感じる人は、食後低血圧を生じている可能性があるので、食前・食後の血圧を測定して比較してみるようにしてください。

なお、低血圧は動悸だけではなく、ふらつき、めまいなども典型的な症状としています。食後低血圧が判明した場合には、ケガのリスクも避けるべく、階段を上ったり車の運転をしたりなどは避けたほうが良いでしょう。

■食後低血糖

健常な人の場合、食後の血糖値が一時的に上昇し、その後、インスリンの分泌によって血糖値が下げられます。 ところが、中には食後でも血糖値が上がらなかったり、逆に何も食べていないにも関わらず血糖値が上がったりなど、その動きが規則的ではない人がいます。この状態のことを低血糖と言います。

一般に低血糖と聞けば「血糖値が低い症状」と理解されがちですが、かならずしも「血糖値が低い症状」のみを指すわけではなく、「血糖値の動きが不規則」であることも含めて低血糖と呼んでいる点に注意してください。食後低血糖を有する人は、食事を摂った後、通常は上がるはずの血糖値が逆に下がってしまう場合があります。低血糖の典型的な症状の一つが動悸。よって、食後に動悸を自覚している人は、食後低血糖である可能性も否定できません。低血糖の症状には、動悸だけではなく、急激な眠気、疲労感、不安感、めまい、手足のしびれなど、様々なものがあります。食後に一定の眠気を感じることは通常ですが、起きていることに耐えられないほどの眠気を感じている場合は、食後低血糖の可能性もあります。車の運転などは危険です。

食後の動悸を誘発する別の要因

食後に動悸を自覚したとしても、かならずしも低血圧や低血糖の影響とは限りません。以下の理由で食後の動悸が生じる場合もあるため、ご自身で心当たりを確認してみましょう。

■食物アレルギー

食物アレルギーの影響により、血圧が低下することがあります。血圧低下の典型的症状は動悸。食後に動悸を自覚した場合、食材の中にアレルギーの恐れのあるものが含まれていないかどうか、確認してみてください。 食物アレルギーは、狭心症・心筋梗塞とは別の理由において、死を招く危険性のある症状。日ごろの食べ物については、十分に注意を払う必要があります。

■過食

一気に大量の食事を摂った直後、動悸を感じたことのある人は決して少なくないでしょう。その原因の多くは、病気ではなく、膨らんだ胃による内臓への圧迫と考えられます。胃は、まるで風船のように大きく膨らむ臓器。過食によって一時的に胃が風船のようになると、周囲にある臓器を圧迫し、各臓器の血流を阻害します。結果、心拍数が上がり動悸を自覚することがあります。

食後の動悸を予防する方法

食後の動悸を予防法としては、食後低血圧と食後低血糖を誘発する原因を作らないことが大事です。

■食後低血圧を誘発させないための方法

・食事を小分けにする
一度に大量の食事を摂るのではなく、1日に数回に小分けして食事を摂るほうが、食後低血圧の予防には効果的です。少量に分けた炭水化物を頻繁に摂ると良いとされています。

・食前に降圧剤を飲まない
高血圧で降圧剤を服用している人は、食前に降圧剤を飲まないようにしてください。食後低血圧を招く恐れがあります。

・カフェインを摂取する
食前・食後などにカフェインを摂取することで、血管の収縮を助けて食後低血圧の発症リスクが低下します。

■食後低血糖の予防法

栄養療法の専門ドクターとして知られる溝口徹医師(新宿溝口クリニック院長)は、以下の方法により低血糖症を予防するよう推奨しています[注1]。

・高タンパク・高脂質・低糖質の食事を意識する
タンパク質・脂質を含んだ食材を多く摂り、逆に糖質を含んだ食材を控え目にします。

・「肉類」を先に食べる
タンパク質・脂質を多く含む「肉類」などを先に食べることで、食後の血糖値の乱高下を予防することができます。

・糖質は最後に食べる
ご飯やパンなどの血糖値を乱高下させる原因となる糖質は、食事の最後に少量だけ摂るようにしてください。

・間食にはタンパク質・脂質の多いものを選ぶ
間食をする場合には、お菓子や果物などの糖質を多く含むものは禁物。ソーセージ、卵、ナッツ類などタンパク質や脂質を多く含む食材を選びましょう。

・小麦と牛乳を避ける
小麦に多く含まれるグルテン、牛乳に多く含まれるカゼインは、どちらも腸を荒らす原因になることがあります。低血糖の人は腸に障害が見られることが多いため、なるべく小麦と牛乳を避けたほうが良いでしょう。

いずれの場合でも、症状の改善が確認できるまでの間は、食後、むやみに動かないようにしてください。転倒など、思わぬ事故につながる恐れがあるからです。

「血管攣縮」を原因とする狭心症・心筋梗塞に要注意

狭心症や心筋梗塞の原因を大きく分けると3つ。「動脈硬化」「血栓」「血管攣縮」です。

これらのうち「動脈硬化」と「血栓」については、その原因の大半が生活習慣。暴飲暴食、糖質の過剰摂取、運動不足、睡眠不足、ストレスなどが原因で生じる症状のため、これら生活習慣の改善をすることで狭心症・心筋梗塞の予防を図ることができます。

その一方で「血管攣縮」を原因とする狭心症・心筋梗塞は、その発症メカニズムが異なります。何らかの原因で心臓の冠動脈が攣縮(痙攣を起こして収縮する症状)を起こし、血流悪化から狭心症・心筋梗塞へと至る症状です。

冠動脈が攣縮するメカニズムは、長く解明されていませんでしたが、近年、山口大学教授の小林誠教授らの研究グループが遂にその発症メカニズムを発見。改善に効果的な成分の製造にも成功しています。食後に動悸を感じるなど、何らかの心臓の変調を自覚している方は、生活習慣の見直しをするとともに、「血管攣縮」に関する正確な情報の確認しておいてください。

【ご注意!】血管の異常な収縮