心筋梗塞・狭心症を予防するためのサイト » 心筋梗塞・狭心症の前兆症状 » 狭心症・心筋梗塞に関連する不整脈の症状

狭心症・心筋梗塞による不整脈は危険のサイン

心臓病をお持ちの方に限らず、めまいの経験ぐらいはほとんどの人が思い当たることでしょう。一口にめまいとは言っても、その症状や原因は様々です。中には、原因不明のめまいも決して少なくはありません。原因を絡めての説明となると、医療機関によってめまいの説明が異なることは多々あるくらいです。ここでは、心臓病に関連するめまいに軸を据えたうえで、その症状や原因に関して解説していきます。

不整脈とは

不整脈とは、本来ならば規則的かつリズミカルに打つ鼓動が、多くなったり、少なくなったり、不規則になったりする症状のこと。大別して3つのパターンがあります。

3つの不整脈のパターン

・頻脈
脈拍が異常に速くなるタイプの不整脈。心臓の力強いポンプの働きが失われ、心筋が小刻みに震えるようになるため、血液が全身に送られにくくなり失神・死亡することがあります。

・徐脈
脈拍が異常に遅くなるタイプの不整脈。心臓のポンプが収縮する回数が激減するため、血液が全身に送られにくくなり失神・死亡する恐れがあります。

・期外収縮
脈拍が飛んだリ、突然大きな脈拍が単発したりなど、心筋の動きが不規則になるタイプの不整脈。1日に10,000回以上の期外収縮が生じた患者のうち、約20%の人に心機能の低下が確認されました[注1]。

以下を原因とする不整脈は突然死を招く恐れがある

・狭心症・心筋梗塞
狭心症・心筋梗塞を発症した時、または発症した後に不整脈を生じる場合があります。狭心症・心筋梗塞の症状は治まったものの、のちの不整脈によって命を落とすリスクもあるため、しっかりと管理をしなければなりません。

・心筋症
大きく分けて、肥大型心筋症と拡張型心筋症の2種類。若者の突然死の原因の第1位が、肥大型心筋症と言われています。遺伝的要素が確認される場合もあります。

・催不整脈性右室心筋症(右室異形成症)
主に右心室の筋肉に不整脈を生じる病気。右心室が拡大する一方で、左心室は正常なままである例が大半です。自覚症状が出にくい点が特徴です。

・サルコイドーシス
眼や皮膚、臓器などにサルコイド結節と呼ばれる塊が生じる病気があります。塊が心臓に生じた場合、心臓機能の低下や不整脈が見られます。原因不明の病気です。

・先天性心疾患、弁膜症、心筋炎
先天的に心疾患を有する患者、または弁膜症や心筋炎を生じた患者においても、心室頻脈・心房細動などの不整脈を生じることがあります。

・ブルガダ症候群
主に遺伝的要素を原因とし、夜間の就寝中などに突然死するリスクのある不整脈。直接的な死因は心室細動です。日本人の若年~中年男性に多く見られ、かつては原因不明の「ポックリ病」として扱われていました。

・QT延長症候群
トルサード・ド・ポアンツと呼ばれる一過性の心室細動。赤ちゃんの突然死の主な原因は、QT延長症候群による不整脈ではないかと考えられています。

・心臓震盪
胸に強い打撃を受けた際などに発症する心室細動。野球のボールが当たった時などに見られます。運動中の少年・青年に多く見られることから、その対策として、昨今の学校ではAEDの設置が常識化しつつあります。

・たこつぼ心筋障害
心臓の収縮時、左心室が「たこつぼ」のような形になる病気。災害など、精神的ストレスの影響で多発することが分かっています。中高年の女性に多く見られる症状で、大半の症例は一過性で終わりますが、中には突然死を起こす症例も見られます。

・特発性心室細動
心電図でも異常がなく、かつ心機能も正常であるにも関わらず、突発的に心室頻脈から心室細動に発展する症状。一部には遺伝的な要素も見られます。

怖くない不整脈とは

一方で、突然死の恐れなどはほとんどない「怖くない不整脈」もあります[注3]。

・精神的興奮や運動後の頻脈
プレゼンの直前や試験の直前など、精神的に興奮している時には頻脈になります。あるいは、運動直後もまた激しい脈拍を自覚します。これらのタイプの頻脈は健常者にも起こることであり、心配する必要はありません。

・1分間に120回以内の頻脈
安静にしている時に脈拍が速くなったとしても、1分間に120回以内であり、かつ時間とともに徐々に頻脈が治まってくるような例は、病的な頻脈に分類されないことが大半です。

・自覚症状のない徐脈
たとえ徐脈を生じたとしても、意識が遠のくなどの自覚症状がない場合には、その大半が心配のない徐脈と判断されます。たとえ怖くない不整脈であったとしても、「心筋梗塞ではないか?」との不安から過呼吸などに陥り、全身の体調が不良となって病院に運ばれるケースもあります。まずは不整脈に対する正しい情報を知り、自身も周囲も落ち着いて、正しい行動を取るようにしましょう。

狭心症・心筋梗塞で不整脈が発症するメカニズム

上記の通り、狭心症・心筋梗塞を発症した際、同時または事後的に不整脈を生じることがあります。 心臓は、微弱かつリズムカルに送られる電気信号によって規則的に収縮しています。不整脈が発症するということは、狭心症・心筋梗塞により、この電気信号に何らかの異常が生じているということでもあります。

心臓に送られる電気系統の電位差が不整脈の直接的原因

心臓が収縮する際のエネルギー源は、ATP(アデノシン3リン酸)という物質です。狭心症や心筋梗塞によって心臓に虚血が生じると、このATPの量が減少。その結果、心筋細胞の電気系統に異常をきたし、健康な心筋細胞と虚血状態の心筋細胞との間に、微妙は電位差が生じます。この電位差の影響により、不整脈が発症すると言われています[注4]。

狭心症・心筋梗塞による不整脈の改善法

アメリカで行なわれた大規模試験において、狭心症・心筋梗塞を原因とする不整脈に対し、一般的な抗不整脈剤であるタンボコール錠など(1Cタイプの抗不整脈剤)を用いたところ、死亡率は低下するどころか上昇した、との報告があります。 狭心症・心筋梗塞の影響による不整脈に対しては、ペースメーカー型の除細動器の埋め込みが必要となるケースが多いため、症状を自覚している方は早めに専門医院に相談することが望まれます[注4]。

血管攣縮による狭心症・心筋梗塞には要注意

不整脈が起こったからと言って、その瞬間、狭心症・心筋梗塞を起こしているとは限りません。あるいは、狭心症・心筋梗塞の前触れとも限りません。不整脈に対して過度に不安になる必要はないものの、狭心症・心筋梗塞と関連がある症状であることは認識しておきましょう。

なお、狭心症・心筋梗塞の直接的な原因とされているものには、「動脈硬化」「血栓」「血管攣縮」の3種類があります。これら3種類のうち、最も怖いのが「血管攣縮」。何らかの原因により、突如として心臓の冠動脈が痙攣を起こし収縮して血流を阻害。心筋に多大なダメージを与え、最悪の場合は死にいたる症状です。 普段から不整脈を自覚している方は、「血管攣縮」による狭心症・心筋梗塞に関する知識をしっかりと確認し、その予防・対策法を学んでおくようにしてください。

【ご注意!】血管の異常な収縮