心筋梗塞・狭心症を予防するためのサイト » 心筋梗塞や狭心症の後遺症、不整脈とはどんな症状?

心筋梗塞の後遺症・不整脈

心筋梗塞の発作後、後遺症として不整脈の症状を訴える患者さんは少なくありません。病み上がりで不安な状態で心臓の不調を感じると、「また発作が起きるのでは?」と気になってしまう方も多いようです。ただし、やみくもに怖がっても逆にストレスになってしまいます。不整脈の症状や治療法について正しい知識を得て、ご自分の身体のコンディションをよく理解しておきましょう。

なぜ心筋梗塞後に不整脈が起こる?

心筋梗塞後によく起こる後遺症・不整脈。不整脈とはどういった現象で、何を原因として起こるのでしょうか?不整脈のメカニズム、心筋梗塞後に不整脈が起こりやすい理由を簡単にご紹介します。

不整脈とは
心臓の電気信号の乱れ

1日に約10万回も規則的なリズムで鼓動を刻んでいる心臓。心臓を動かしているのは、「洞結節」と呼ばれる部位から発信される電気信号です。電気信号は正しい通り道を通って心臓全体に伝わっていき、心臓を形づくる筋肉を収縮・拡張させています。この電気信号の発信が乱れたり、電気信号が正しく心臓全体に伝わらなかったりするとき、鼓動のリズムが乱れてしまうのです。この現象を「不整脈」と呼んでいます。

心筋梗塞後に
不整脈が起こる原因

心筋梗塞の発作が起こり、心臓の一部分で血流がストップした状態が長く続くと、心筋や神経が壊死してしまうことがあります。一度壊死した心筋が回復することはないため、壊死が起こると心臓の機能が弱ってしまい、不整脈が起こりやすくなるのです。本来、不整脈は健康な人でも中高年になれば1日に数回は起こっている自然な現象で、程度が軽ければ何の問題もありません。しかし、心筋梗塞を経験し心機能の弱まっている方は、不整脈からより恐ろしい「心室細動」へと移行するリスクが高く、注意が必要なのです。

不整脈の症状と危険性

不整脈の症状は、大きく分けて「期外収縮」「徐脈」「頻脈」の3つです。また、不整脈のなかには怖がる必要のない安全な不整脈と、すぐに医師に相談したほうがいい危険な不整脈があります。その違いを正しく理解し、むやみにパニックに陥らず冷静に対処しましょう。

心配のない不整脈

不整脈には、ふいに不規則なリズムで鼓動する期外収縮、脈が止まったように感じられたり、異様に遅くなったりする徐脈、異様に早く鼓動する頻脈の3タイプがあります。これらのうち、脈をとってみて初めて異常に気付く程度の軽微な期外収縮・徐脈や、興奮時・運動時に脈が速くなるような頻脈は、ほとんど心配はありません。激しい鼓動や息切れを感じる場合でも、数分間かけてじわじわと症状が始まった場合は、発作に対する恐怖感から始まった過呼吸の症状を不整脈と勘違いしていることがあります。ひとまずは落ち着くように努めてください。

危険な不整脈

ほとんどが恐れる必要のない不整脈ですが、なかには怖い症状につながる危険な不整脈もあります。

  • 急に失神する
  • 安静にしているにも関わらず突如として激しい息苦しさや動悸が始まる
  • 突然脈が数えられないほど早く打ちだす

こうした場合は、深刻な不整脈を起こしている可能性があります。心疾患を持病とする人の場合、深刻な不整脈が更に危険な「心室細動」に移行するケースが少なくありません。心室細動とは心臓の中で電気信号が空回りしてエラーを起こしている状態です。血のめぐりが停滞するため血栓ができやすくなり、血栓が脳に移動して脳梗塞を起こす原因になったり、最悪の場合心停止に至ったりする可能性もあります。

不整脈の対処方法

不整脈が起こった場合、どのように治療を進めていくのでしょうか?心室細動や心筋梗塞発作など、命に関わる発作を起こさないために、その原因となる不整脈の解消に早急に取り組んでいくことが大切です。

不整脈検査と、投薬による治療

不整脈は、初動の対応が肝心です。深刻な心室細動の発作が突然起こってしまった場合は、ただちにAED(自動体外式除細動器)で救命する・救急車を呼ぶなどの緊急的な処置をとりましょう。救急車を呼ぶほどではない不整脈の場合にも、早急に主治医の診察を受け、まずは心電図をとるなどして心臓のコンディションを確認します。軽微な不整脈であれば治療を行わずに様子見するケースも少なくありませんが、心配な症状の場合は投薬で改善を試みるのが一般的です。

除細動器やペースメーカーの使用

主治医が投薬だけでは不十分と判断した場合は、心臓にICD(植え込み型除細動器)やペースメーカーの埋め込み手術を行うケースもあります。ICDやペースメーカーは、常に心臓の鼓動を監視し、異常があったときは鼓動を正しく調整してくれる機器です。異常な頻脈を検知したときには適切なリズムで心臓に電気信号を流し、心室細動を検知したときには心臓に電気ショックを与えて細動をストップさせてくれます。不整脈や心室細動を確実に解消できる力強い味方と言えるでしょう。

不整脈が起きる原因

心筋梗塞の既往歴のある方は心臓の機能が低下していますので、もともと心臓のトラブルが起こりやすい状態です。なかでも、不整脈は命に関わる危険もある深刻な症状。不整脈はなぜ起こるのでしょうか?その原因を正しく知って、できることから改善していきましょう。

疲れやストレス

心臓の鼓動の調整には、身体の興奮や活動を司る交感神経のはたらきが密接に関与しています。しかし、この交感神経はストレスや疲れによって簡単に調子を崩してしまいます。睡眠不足や疲労、緊張、食生活の乱れなどは神経にとって大敵です。ただでさえ心筋梗塞を経験して心臓の機能が弱まっているところに、これらの生活習慣による不調が重なると、不整脈の起こりやすい状態になってしまいます。こういった生活習慣はなるべく改めるようにし、自律神経が正常にはたらける体内環境を目指すことが大切です。

血管攣縮

不整脈の要因は疲れやストレスだけではありません。血管攣縮と呼ばれる突発的に起こる血管のけいれんも危険なサインのひとつです。血管攣縮とは、突如として血管がけいれんを起こしたかのように収縮し、極端に血のめぐりが悪くなる症状のこと。血管攣縮が心臓で起こると、死の危険がある深刻な狭心症や不整脈、心筋梗塞発作にもつながります。血管攣縮は突然起こるため対策がしにくく、また心疾患の既往のある方では起こりやすい症状でもありますので十分な注意が必要です。

>>血管攣縮について詳しく知る

その他の後遺症

心筋梗塞を経験したら、不整脈の他にも気をつけておきたい後遺症がいくつかあります。回復に向けての治療を進めるなかでは、こういった後遺症にも気を配っていく必要があります。代表的な心筋梗塞の後遺症を2つご紹介します。

心不全

心筋梗塞を起こして心臓の一部の血流がストップした状態が長く続くと、血液によって酸素の供給を受けられなかった部分が壊死してしまいます。この壊死した部分は元通り回復することができません。その分心臓の機能が弱まり、十分な機能を果たせなくなってしまった状態が「心不全」です。心不全が起こると、息切れや激しい疲れなどの症状が現れます。ひどい場合には食事や着替えをするだけでも疲れてしまい、日常生活が困難になることもあります。

抑うつ

心筋梗塞は心に重いストレスがのしかかる病気です。発作の再発や死の恐怖に思い悩む患者さんはかなりの数にのぼります。そのためか、心筋梗塞を経験した方のなかでも2割ほどの人は抑うつ状態やうつ状態など、心理的にトラブルを抱えた状態に陥ると言われています。心筋梗塞による心機能の低下は、長く付き合っていかなければならないものです。焦って回復しようとはせず、身体だけでなく心の健康にも気を配りながら治療にのぞんでください。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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