心筋梗塞のリハビリの中止基準とは

リハビリを安全かつ効果的に行うために中止基準
リハビリテーションは、運動能力を増加させ、心筋梗塞の再発予防を目的とする行為です。ところが、リハビリの最中に体調不良となり、かえって心臓に負担をかけてしまうこともあります。在宅でリハビリを行っているときなどは特に、運動処方を忘れがちになるため、注意が必要です。また、リハビリを中止すべき基準についても、あらかじめ確認し、日々のリハビリの中で注意することが求められます。

リハビリを中止すべきときとは

心臓リハビリテーションを行う人は、心筋梗塞を発症して治療を行ったという、万全ではない体調の状況にあります。体調に異変が生じる危険性は常にあり、同時に考えられるのが、転倒や転落のリスクです。リハビリを中止すべきときについて解説します。

リハビリを途中で中止すべきケース

リハビリを途中で中止すべきケースは、まず、脈拍が140/分を超えた場合です。30回/分以上と呼吸の頻度が上がり、息切れする場合にはリハビリを中止すべきでしょう。徐脈が出現した場合、不整脈が増えた場合なども、リハビリの続行は危険といわれています。運動時の収縮期血圧が40mmHg以上、あるいは拡張期血圧が20mmHg以上の上昇を見せた場合も同様です。意識状態の悪化、呼吸困難、めまい、吐き気、頭痛、狭心痛、強度の疲労感が出たときも、速やかに中止しましょう。

回復を待って再開するケース

いったんリハビリを中止しても、回復を待つことで再開してもよいケースもあります。脈拍が運動前の30%を超えた場合、2分間安静にして10%以下に戻らないときは、リハビリを中止、あるいは強度を軽くする必要があります。脈拍が120/分を超えた場合、1分間に10回以上の期外収縮が現れた場合も同様です。簡単な目安としては、軽い動悸や息切れが現れたとき、いったんリハビリを止めて様子を見てみるとよいでしょう。

リハビリのリスク

リハビリは、正しく行うことでこそ効果を得られます。一方で、リスクがつきものなのは見落とされがち。安全に、しかも有効にリハビリを行うには、不整脈や心臓発作などのリスクも知っておくことが大切です。

運動療法中の不整脈や心臓発作

運動療法は、強度が軽すぎたり、時間が少なすぎたりすることで、十分な効果を得られない場合もあります。その一方で、不整脈や心臓発作のリスクを抱えているのも事実。運動の強度がいかに影響するかは個人によって違うため、体調の異変に気を付けながら運動療法を行う必要があるのです。強い運動をすれば、骨折や腰痛などを起こす確率が高くなり、心臓への負担も増えます。強い運動をすればよいということではなく、不整脈や心臓発作などのリスクに注意しながら運動療法を行うことが大切なのです。

心筋梗塞の原因となる不整脈

心筋梗塞の原因のほとんどは、心室細動と呼ばれる不整脈です。心臓の血液を全身に送っている心室が震えて細動すると、血液を送り出す役割を十分に果たせなくなります。脳や腎臓などの重要な臓器への血液供給が不足し、やがては心臓も停止に至ります。発症から1時間以内に状態が急変する場合が多いため、不整脈が出たら要注意です。リハビリ中に不整脈が出たときには、いったんリハビリを中止して様子を見るようにしましょう。

運動を控えたほうがよいとき

継続することが大切といわれているリハビリですが、運動を控えたほうがよいときもあります。運動は、すればするほどよいという単純なものではありません。健康を考えながら、控えるべきときは運動を控えることが大切です。

体調が悪いとき

リハビリの運動を控えたほうがよいのは、体調が悪いときです。例えば、発熱したとき、関節や筋肉に痛みを感じるとき、息苦しさや動悸、めまいなどを感じるときなどは、運動を控えたほうがよいでしょう。前日の疲れが残っていると感じるときも、無理をしてはいけません。足にむくみが出ているときにも要注意です。このように、自分の体の状態に敏感になることで、リスクを未然に防ぐことができるのです。

天候や環境が悪いとき

自宅での運動療法として、屋外でウォーキングをしている人もいます。まじめな人ほど、毎日続けなければという気持ちが強く、天候や気温を無視してしまいがち。しかし雨や風が吹いている日には、運動は控えておくのが賢明です。寒暖差など、気温も注意しましょう。暑い日には水分を十分に補給するようにし、寒い日には防寒をすることが大切です。家の中でも、気温差によって心臓発作が起こることがあるため、十分に注意しましょう。

正しいリハビリ方法で行うことが大切

心臓リハビリテーションには、運動療法のほかに、食事療法や生活習慣の改善も含まれます。いずれも、正しい方法で行えばこそ、効果を得られるものです。病院で指導されたことを守りながら、バランスよくリハビリを進める必要があります。

運動療法と食事療法を組み合わせる

肥満やコレステロールの増加は、心筋梗塞の原因につながります。体重の減少を目指す必要がある人もいますが、運動療法だけで体重を減らすのは簡単ではありません。例えば、バナナ1本分の約160キロカロリーを消費するにしても、40分間の速足歩きが必要といわれています。無理して、運動だけで体重を減らそうとするのは厳禁です。適切な方法は、運動療法と食事療法を組み合わせて続けること。食事の栄養バランスにも気を配れば、健康的に心筋梗塞の原因を減らすことができるでしょう。

無理せず長く継続すること

運動療法は、軽すぎても少なすぎても不十分です。しかし、無理して運動するのは、もっとよくありません。運動中に心臓発作や不整脈を起こしてしまう可能性もありますから、無理しているかもしれないと感じたら、運動をいったん止めるようにしましょう。適切な運動処方を心がけて、長期間にわたる継続をすることが大切なのです。心臓リハビリテーションは、心筋梗塞を発症してから、生涯にわたって継続する必要があります。快適な生活の一部として、取り組むようにしましょう。

 

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