心筋梗塞のリハビリの流れ

心筋梗塞のリハビリは流れも期間も決まっている
心筋梗塞の治療を終えると、数日後には急性期リハビリテーションに入ります。その後、回復期や維持期のリハビリに移っていくのですが、この流れに沿うことはリハビリの効果を最大限に活かすためにも重要です。また、それぞれのリハビリ時期の区分には、目安となる期間もあります。期間内に区分ごとのリハビリを進めることで、次のステップへと進み、心筋梗塞の再発予防につながるのです。

心筋梗塞後の治療方法

急性心筋梗塞の治療方法の多くは、再開通療法です。冠動脈が閉塞しても、心筋の全てが壊死しないうちに冠動脈の血流を回復させるのが再開通療法。血栓溶解療法とカテーテル治療、2種類の手段がある療法です。

血栓溶解療法

急性心筋梗塞の原因は、冠動脈内の動脈硬化部分に、血液のかたまりである血栓が生じて閉塞すること。血栓溶解療法では、かたまった血液を溶かして、血流を回復させます。よく用いられている薬剤は、組織プラスミノーゲン・アクチベータです。ただし、現状、日本の多くの病院では、血栓溶解療法よりカテーテル治療のほうが選択される傾向があります。急性冠症候群の診療に関するガイドラインに示されているエビデンスに基づくクラス分類で、クラス1として強く血栓溶解療法が勧められる基準が、発症から12時間以内で75歳未満の患者とされているためです。

カテーテル治療

カテーテル治療では、冠動脈の閉塞した部分をバルーンで拡張します。そこへ、筒状の金網であるステントを植込み、血管の内腔を確保することで血流を改善できるのです。血栓溶解療法よりもカテーテル治療が選択される傾向にあるのは、カテーテル治療のほうが治療による状態の改善が早く、成功率が高いため。ただし、カテーテル治療を行える設備があり、技術に熟達した医師が治療を行うのが成功の条件です。カテーテル治療を行える設備がない病院では、血栓溶解療法が選ばれています。また、カテーテルによる治療が困難な場合には、血管の走行を変更して、血流を改善する冠動脈バイパス手術が行われることも多いです。

リハビリの必要性

誰でも楽に体を動かして、心身ともに気持ちよく過ごせる生活をしたいものです。快適な生活を取り戻すために、リハビリをして心身を晴れやかに整えましょう。

リハビリの目的

心臓リハビリテーションの目的は、動作を楽にして、快適な生活を長く続けられるようにすることです。リハビリを始めると、自覚症状が軽くなる場合もあります。自律神経の働きがよくなり、不安やうつ状態も改善する効果が期待できるのです。これにより、心身ともに楽で快適な生活を長期的に望めるようになります。また、リハビリにより心筋梗塞の再発を防ぐことも目的のひとつです。

リハビリの区分

心臓リハビリには、時期的な区分がされています。心筋梗塞発症から1~2週間の急性期、2~3ヶ月目の回復期、生涯に通じた維持期です。3種類の区分では、リハビリの場所・内容・目的が、それぞれ異なります。急性期には身の回りの活動をするために必要だったリハビリが、回復期には社会復帰をするためのリハビリとなり、維持期には生涯にわたって快適な生活をするためのリハビリへと移行します。再発予防のためにも、心筋梗塞発症から生涯にわたり、リハビリは必要となるのです。

発症から離床までの時期

心筋梗塞の急性期治療を受けて数日後には、急性期リハビリが始まります。特に近年は、早い段階でリハビリを開始することが一般的。これは、寝たきりの生活を続けるよりも、リハビリをしたほうが心身の回復が期待できるためです。

急性期リハビリの目的

急性期リハビリの目的は、心筋梗塞発症前の状態まで回復することではありません。長期的に安静にしていると、筋肉がやせて関節が硬くなってきます。骨の強度も低下してくるため、体が思うように動かなくなってしまうことも。さらに括約筋などにトラブルが生じて、便秘や尿失禁を起こすこともあります。立ちくらみ、精神的に不安になってくるのも場合もあり、これらを解決するのが急性期リハビリの目的です。同時に床ずれなどの廃用症候群を防ぎ、症状改善を目指していきます。

急性期リハビリの注意点

急性期リハビリは、心筋梗塞の治療後から始めることが大切です。早い段階でのリハビリ開始により、回復期への移行もスムーズになります。歩行トレーニングを中心に進められるのも、歩行ができるようになれば、回復期リハビリでの自転車こぎや体操などに進みやすいためです。しかし、どんな症状にも、急性期リハビリが向いているとは限りません。合併症がある場合には、急性期リハビリが逆効果になることもあります。そのため、リハビリの時期は人によって変わっていくのです。

離床から退院までの時期

入院中から退院後数ヶ月までの回復期には、病院内と自宅、2つの場所でリハビリが行われます。回復期リハビリでは、入院中に退院後のリハビリ方法を学ぶことも必要です。リハビリの方法だけでなく、心臓病の知識も教わります。

回復期リハビリの目的

回復期リハビリの目的の第一は、社会復帰にあります。病院にずっと入院しているわけにはいきませんし、早く社会復帰をして快適な生活を送るのが、健康的な人生といえるでしょう。心筋梗塞発症後に社会復帰をするためには、体力を元の状態以上に整える必要があります。不安やうつ状態を抱えたままでいるのも、健康的であるとはいえません。そこで運動療法や食事の注意点、心筋梗塞再発の予防法なども学び、退院後にも続くリハビリに備えるのです。

回復期リハビリの注意点

回復期リハビリには、条件と期限があります。対象となるのは、心筋梗塞による外科手術を受けた後、安静にしていたことにより廃用症候群があり、手術後または発症後2ヶ月以内の人です。入院上限期限は90日間。急性期リハビリを終えて回復期リハビリに入ってから、2~3ヶ月で維持期リハビリに移行します。病院でも期限にあわせて指導が進められますが、患者本人としても期限があることを自覚し、回復期リハビリに挑むことが大切です。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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