心筋梗塞のリハビリの注意点

心臓リハビリテーションは注意点を守ることで効果を得られる
心筋梗塞を予防するためのリハビリテーションには、運動療法や食事療法、生活習慣の改善など、いくつかの内容が含まれています。いずれも、ルールを守って実行することが、効果を得てリスクを避けるためのキーポイントです。ここでは、リハビリの注意点について、運動強度や食事、自宅でのリハビリ方法、継続の必要性について解説します。

運動強度の設定

心臓リハビリテーションの一環である運動療法を安全に、なおかつ有効に行うためには、その人に合った運動の方法を決めることが重要です。これを運動処方と呼び、運動の種類や強さ、時間、頻度が指示されることで、より有効なリハビリとなります。

安全かつ効果的な運動療法にする運動処方

心臓リハビリテーションにおける運動の種類で推奨されるのは、速足歩きや自転車こぎ、体操など。こうした運動の強度は、最大能力の40~60%が目安です。運動中の心拍数をトレーニング心拍数と呼び、リハビリの強度を導き出す際に使用します。トレーニング心拍数は、運動負荷試験の結果によって決まるのですが、個人差があるため注意しましょう。もうひとつの運動強度の目安としては、自覚症状もあげられます。ややきつい、軽く息がはずむ、やや汗ばむ程度の運動強度が理想です。

強過ぎる運動は逆効果

リハビリの効果を最大限に活かすために、目安としたい運動強度は、最大能力の40~60%です。頑張る性格の人、もともと運動が得意な人にとって、自分の最大だった能力の半ばで運動を行うのは納得がいかないかもしれません。運動選手は、記録を伸ばすために、最大能力でトレーニングを重ねます。これは最大能力を向上することを目的としたトレーニングです。こうした強い運動では、骨折や腰痛などの障害の発生率を高め、心臓への負担も増加します。心臓リハビリテーションは健康を維持することが目的のため、運動強度を守ることが大切です。

食事にも気をつける

心臓リハビリテーションには、食事療法も含まれます。入院中には管理栄養士が栄養バランスやカロリーを考えた献立が提供されますが、退院してからは自宅で食事に気をつけなければなりません。そのため、食事に対して指導を受けることも大切なのです。

心臓リハビリになる栄養バランスのよい食事とは

心臓リハビリの効果につながる食事療法では、栄養バランスを考える必要があります。心筋梗塞の危険因子となる脂質異常症、高血圧、肥満などを改善するカロリーコントロールも重要ですが、塩分やコレステロールに注意した栄養バランスのよい食事を心がけましょう。3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)をはじめ、ビタミン・ミネラルを過不足なく補給する必要もあります。そのためには、主食、主菜、副菜を上手に組み合わせることが大切です。

食事療法での注意点

たんぱく質・脂質・炭水化物・食物繊維・ビタミン・ミネラルという6つの基礎食品から、1日に30品目を補給するのがおすすめです。また、心臓病の薬と食品には、薬の作用に影響を与えるものがあります。例えば、抗凝固剤のワーファリンを処方されている場合、ビタミンKを多く含む納豆やキャベツなど、一部の野菜は控えなければなりません。1日にどれだけ食べてもよいかは、個々の体重や日常の活動量によって決まります。不安な場合、疑問を感じた場合は、必ず主治医に確認するようにしましょう。

継続することが大切

心臓リハビリテーションは、心筋梗塞発症後の急性期から始まり、回復期、維持期とリハビリを続けることで心身が回復します。逆に、放っておけば心身の状態が低下してまう危険性があるのです。快適な生活を送るためにも、リハビリを継続するようにしましょう。

運動能力はリハビリによって増加

心筋梗塞発症によって低下した体力や運動能力は、急性期からリハビリによって回復させていくことが求められます。早い段階からリハビリを始めるのは、ベッドに寝たきりの期間が長くなるほど、運動能力が低下してしまうため。運動能力の低下を防ぐためにも、急性期治療の数日後から始めるのが効果的なのです。リハビリによって、生活の質が向上します。快適な生活を続けるためには、急性期以降もリハビリを継続することが必要です。

継続的なリハビリによる症状の抑制

継続的な心臓リハビリテーションにより、心臓病の症状や再発を予防することが可能です。心臓リハビリテーションによる生物学的効果は、論文や研究などで報告されています。冠危険因子とされるコレステロールや血圧、肥満を防ぎ、心臓機能が改善されるほか、自律神経が整うことから、心拍機能もよくなっていきます。つまり、心筋梗塞の再発を予防するためにも、継続的なリハビリが役立つのです。血液が凝固しにくくなることにもつながり、筋量が増加することで抗酸化効果も期待できます。

在宅で取り組む場合の注意点

病院では、医療スタッフが付き添って心臓リハビリテーションが進められますが、退院してからは、自宅でのリハビリがスタートします。自分で注意しなければならないことも多いので、あらかじめ押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

在宅運動療法での10の注意点

在宅運動療法では、10の注意点があります。
1.運動は、速足歩きや自転車こぎ、体操などを中心に行う
2.運動前には準備運動、運動後には整理運動を
3.最大能力の40~60%で運動を行う
4.1回の運動時間は、30~60分
5.運動回数は週3~7回が適切
6.脈拍数に注意
7.60歳を過ぎたらジャンプやジョギングより歩行を選ぶ
8.食事や起床からは1時間以上空けること
9.水分補給を心がける
10.体調が悪いときは休む
これらの注意点に気をつけて、リハビリを行いましょう。

運動処方を守って継続すること

在宅運動療法では、継続することが大切です。リハビリは、退院してからも生涯にわたって続ける必要があります。安全に、長く継続するためには、運動処方に従うことを忘れてはいけません。運動処方は、運動の種類・強度・時間・頻度です。4つの合言葉を心にとめておけば、在宅運動療法でとまどうことはないでしょう。生涯を快適に過ごすことは、誰しもが望むこと。心筋梗塞の再発を予防するためにも、正しく心臓リハビリテーションを継続しましょう。

 

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