心筋梗塞を発症するリスクにはさまざまなものが考えられますが、そのなかのひとつに「仕事による負荷」があげられます。仕事内容や働き方によって自律神経のバランスが乱れ、心臓に負担がかかりやすくなるためです。
こちらでは、心筋梗塞を予防するために知っておきたい仕事と心筋梗塞の関係性、またリスクを軽減するための方法について説明します。
高血圧が心筋梗塞の危険因子ということはよく知られています。しかし、デスクワークが高血圧を引き起こすことは想像しづらいでしょう。同じ姿勢が続くことで血流を悪化させ、血圧が高くなってしまうのです。また、デスクワークが主の方は運動不足に陥ることもあり、より血流は滞っていきます。
たとえばSEやイラストレーター、編集者などがこれに当てはまる仕事。座りっぱなしの作業が続くうえ精神的ストレスも多いため、心臓への負担が大きくなるのです。
顧客に合わせてスケジュールを組む販売や営業といった仕事は、短時間で食事を済ませなければならず、パンやおにぎりなど炭水化物のみで済ませがちです。また仕事が終わる時間も夜遅いことが多く、空腹の状態が長くなるぶん深夜にたくさん食べてしまうこともあるでしょう。
こうした不規則な生活は太りやすいほか、動脈硬化を引き起こして心筋梗塞へ発展するリスクも高くなります。
肉体的なストレスは、比較的わかりやすく体に悪影響を与えます。特に長時間労働によって就寝時刻が後倒しになってしまい、睡眠の質を保てなくなる場合には、心臓への負担という面でも問題視されるでしょう。睡眠不足は交感神経を優位にし、高血圧を招くことから心筋梗塞のリスクが高くなるためです。
またあるデータでは、就寝時刻が遅い人のほうが脳疾患や心疾患の発症率が高いという結果が出ています。勤務が長時間化することで食事のタイミングも不規則になり、健康状態に悪影響を与えるリスクもあるでしょう。
精神的にストレスを受けやすい人も要注意です。仕事に対して真面目で責任感や向上心が強く、完璧主義な人はストレスを感じやすい傾向にあるでしょう。このような人は、ストレスがたまると食べすぎ・お酒の飲みすぎ、・タバコの吸いすぎといった行動に出てしまいがち。その結果、心筋梗塞のリスクを高めてしまうのです。
さらに「自分の仕事や能力が正当に認められていない」「職場で自分の能力を活かしきれていない」という歯がゆさもストレスとなり、脳疾患や心疾患を引き起こしやすくします。
仕事におけるストレス要素をすべて排除するのは難しい話です。しかしできる限りストレスを解消し、生活習慣を改めることで心筋梗塞を予防することは可能でしょう。
たとえば意識的に軽い運動をすれば、ストレスが軽減するだけでなく血行促進などの効果も期待でき、健康状態を向上できます。加えて就寝直前の食事を避けたり、しっかりと睡眠を取ったりすることも大切です。もし精神的なストレスを強く感じているのであれば、カウンセリングを受けるなどして悩みを聞いてもらうのも有効でしょう。
気になる予防方法