血管攣縮の予防に禁煙が必要な理由

心筋梗塞のリスクのなかには、冠動脈が血管攣縮を起こし、狭心症を繰り返し引き起こすことも含まれます。特にタバコは、そのリスクが大きいとされているのです。そのため、血管攣縮の予防のためには禁煙が勧められています。喫煙による冠動脈への影響や禁煙するためのポイントを見ていきましょう。

喫煙による冠動脈への影響

血管が痙攣する

ある研究で、正常な冠動脈の造影をしながらタバコを吸ったときの冠動脈の動きを観察した結果、ほとんどの被験者において一部、または全体の冠動脈が痙攣し、血管攣縮を起こすことがわかりました。

血管攣縮によって血管が狭くなると、心臓に十分な酸素や栄養素の供給ができなくなります。その結果、胸痛といった狭心症の発作が起こるのです。そして狭心症が安静時にも起こるようになり、発作が増えると心筋梗塞に発展する可能性があります。

こうした喫煙による冠動脈の攣縮は、タバコを吸っている人すべてに起こるわけではありません。しかし、上記の研究結果を踏まえれば、タバコが大きなリスクとなることは明白です。

ニコチンの影響

タバコは人体に有害な物質をいくつか含んでいますが、そのなかでもニコチンが与える影響は大きなものです。ニコチンは特に心機能を始めとした下記のような状態を引き起こします。

  • 心拍数の上昇
  • 末梢血管が痙攣し、収縮
  • 血圧の上昇

さらに、タバコに含まれる一酸化炭素も血液の循環に悪影響を及ぼします。一酸化炭素は血中に入るとヘモグロビンと結合する性質があり、これが酸素供給を阻害してしまうのです。そのため喫煙は不整脈や狭心症といった異常をきたすリスクを大きくし、ひいては急性心筋梗塞を引き起こす可能性も高くなります。

冠攣縮性狭心症のリスク

喫煙により誘発される

冠動脈が血管攣縮を起こして狭心症となる症状を、冠攣縮性狭心症と呼びます。また体を動かしていない夜中や明け方に発症するケースが多いことから、安静時狭心症とも呼ばれる疾患です。冠攣縮性狭心症の大きな原因はタバコであるとも言われており、喫煙によって発症リスクが高まることも研究でわかっています。

さらに、喫煙者本人のみならず周囲の人がタバコの煙を吸ってしまう受動喫煙でも、発症リスクは高まるもの。そのうえ、受動喫煙のほうが冠動脈への影響を受けやすいともされています。こうした理由から、疾患の予防には禁煙が不可欠となるでしょう。

ただしタバコは依存性が強いため、自分自身だけで禁煙をするのは困難です。そのため、かかりつけ医の禁煙指導を受けることをおすすめします。

禁煙のポイント

禁煙外来を利用する方法も

疾患予防のための禁煙は、かかりつけ医の禁煙指導を受けるほかに、大きな病院に設置されている禁煙外来を受診するのもひとつの方法です。「1日の喫煙本数に喫煙してきた年数をかけた数値が200以上である」などの条件から、ニコチン依存症と診断されれば健康保険の対象内になります。

ただしタバコに依存している状態から抜け出すには、本人の強い意志が大切です。そこで、禁煙の意志を固めるために自分でも以下のようなことを試してみましょう。

  • 禁煙できるまでの期間を決める
  • 朝起きぬけのタバコの代わりにすぐに歯磨きをするなど、喫煙する生活習慣を別のものに置き換える
  • タバコを始め喫煙道具をすべて捨てる
  • タバコが欲しくなったときにはガムを噛んだり、水やお茶を飲んだりしてまぎらわす
  • 大きく深呼吸をする

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?