心筋梗塞・狭心症を予防するためのサイトHOME » 予防フェイズ1~血管攣縮と動脈硬化を予防して健康を保つ!~ » 心筋梗塞の予防は寒暖差をなくすこと?冬夏の過ごし方や対策とは

寒暖差

冬になると、冷たい外気で冷えた体を熱い湯船で温めたり、エアコンがきいた暖かな部屋から急に寒い場所へ移動したりすることがよくあります。しかし、心筋梗塞予防の観点からいえば、こういった寒暖差を体に与えることはあまりおすすめできません。精神的にはストレスを解消しているようですが、寒暖差を感じさせることは身体的なストレスになるのです。

温度変化が心臓に負担をかける仕組み

寒暖差は身体的ストレスの原因

暖かな場所から寒い所へ移動すると、交感神経が刺激されます。交感神経が刺激を受けると、体温を保とうとして血管が収縮し、血流が悪くなることに。血液の流れが悪くなると、心臓は体中に血液を送ろうとしてポンプ機能を高めるため、血圧が急激に上昇します。このような影響はヒートショックと呼ばれており、心筋梗塞やその他の病気を引き起こしかねません。

特に冬の寒い季節は寒暖差のストレスを受けやすく、ヒートショックの影響が心配されます。実際、心筋梗塞の発症率は冬場のほうが高いです。室内と外気の寒暖差や、急激に寒さを感じる環境に身を置かないことが、冬場の心筋梗塞予防において重要だといえるでしょう。

寒暖差で引き起こされる狭心症に注意

寒暖差は心臓に大きな負担をかけてしまいますが、中でも注意したいのが寒さによって引き起こされる狭心症。狭心症には2つの種類があり、そのうちのひとつが「冠攣縮性狭心症」と呼ばれる疾患です。

冠攣縮性狭心症とは

冠攣縮性狭心症とは、虚血性心疾患のひとつ。冠動脈の痙攣によって一時的に血流が阻害されてしまう病気のことを言います。狭心症は運動したときに起こるもの、というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、冠攣縮性狭心症は就寝時や起床時など安静時に発作が起こるケースが多いため、「安静時狭心症」とも呼ばれています。場合によっては心筋梗塞に発展する可能性もあるため、早めの治療が必要です。

ちなみに、運動をした時に起こる狭心症は「労作性狭心症」と呼ばれています。

冠攣縮性狭心症の自覚症状は

冠攣縮性狭心症が起きると、激しい胸の痛みを感じるのが大きな特徴です。その他にも、胸が締め付けられる、圧迫感を感じるといった症状が起こります。さらに、みぞおちや肩、首、歯など、心臓と離れた部位に放散痛が起きることも。人によっては嘔吐や冷や汗、失神といった症状が現れる場合もあります。

冠攣縮性狭心症の症状は、数分から30分程度継続する点も特徴です。

冠攣縮性狭心症のメカニズム

冠攣縮性狭心症は、冠動脈の痙攣が原因で起こりますが、寒暖差も大きく関連していると言われています。これは寒冷状態が心臓の冠動脈を刺激することによって痙攣が起こってしまうため。このことから、寒い時期に外に出た際の寒暖差によって冠攣縮性狭心症の症状が出てしまう場合があります。

冠攣縮性狭心症の危険因子

冠攣縮性狭心症には、ここで紹介している通り寒暖差の影響を受けますが、ほかにも危険因子として喫煙や飲酒、脂質異常、ストレスなども挙げられています。特に喫煙は冠攣縮性狭心症における最大の誘発要因とされているため、患者に対しては喫煙指導が必須となっています。

また、冠攣縮性狭心症には遺伝的な要因もあると考えられています。遺伝的因子は欧米人よりも日本人の方が多く持っていると言われているため、特に近親者に冠攣縮性狭心症を発症したことがある人がいる場合は、特に注意した方が良いかもしれません。

突然死につながるケースも

冠攣縮性狭心症を発症すると、最悪の場合は突然死につながることもあります。これは、冠攣縮性狭心症を発症すると重度の不整脈を併発する可能性があるため。この場合に処置が遅れてしまうと、死に至る可能性も否定できませんので、早めに医療機関を受診し、しかるべき処置・治療を受ける必要があります。

冬の温度差改善ポイント

室内

冬の寒暖差をできるだけ小さくするためには、部屋の温度を上げすぎないことが大切です。室内の温度は20℃以上に保つのが望ましいですが、それ以上暖めすぎると、外気との温度差が大きくなってしまいます。金属のドアノブなど、急に冷たさを感じるような部分には、直接触れないようにカバーをかけておくとよいでしょう。

寝室

冬場の屋内で何より気をつけたいのは、浴室の温度管理です。入浴中の突然死は、12月と1月に最も多くなるというデータも出ています。寒い冬の時期には、衣類を脱いでから浴槽に浸かるまで、または浴室を出て脱衣所に移動する間など急激な温度差を感じるシーンが多いです。脱衣所や洗面所に小型の暖房器具を置くなどして、寒暖差を小さくするようにしましょう。

浴室

寒暖差対策は屋内だけでなく、外出する際にも気をつけたいポイントです。近所までだからと薄着や軽装で出かけたりせず、ちょっと外出するだけでも、コートなどの防寒用具を使用しましょう。厚手の靴下やマフラーなどで、足と首の後ろをしっかりと暖めるのがおすすめです。また、厚着をし過ぎて汗をかくことがないように調整してみてください。

屋外

就寝中の汗や呼吸によって、起床時の体内の水分量は、寝る前よりも少なくなっています。朝目覚めたときに喉の渇きを感じるのはこのためです。起床時には、コップ1~2杯程度の水を飲むようにしましょう。起床時には冷たい水を避け、常温の水を飲みます。これは急激な体温の低下にともなう血圧の上昇を防ぐためです。

夏の温度差にも注意

夏の寒暖差でも冬と同じ影響が

寒暖差による体への影響が心配なのは、冬だけではありません。夏の炎天下にさらされた後に、急に冷房のきいた部屋へ入ったり、逆にエアコンで温度を下げた部屋から真夏の日中に外出したりするときにも、冬の寒暖差を感じたときと同じ現象が起こってしまいます。

夏の暑さによって大量の汗をかき、体内の水分量が不足して血液がドロドロになってしまうことも、心筋梗塞のリスクを高める原因。外出時はこまめに水分を補給し、冷房の強い部屋へ入る前には汗を拭き、1枚羽織れるものを持っておくといった対策をしましょう。

B!ブックマーク Twitter Facebook LINE