野菜類

 

野菜類は、血小板が固まるのを抑制する成分や、ビタミンEやβ-カロテン、ビタミンC等、血液の酸化を防ぐ抗酸化物質を多く含むものがあります。血液をサラサラにし、血栓の原因となる酸化コレステロールの減少効果もあります。カリウムには、血液中の塩分を排出させる作用があるので、高血圧を予防する効果も期待。

野菜類が健康に良いとされる理由

野菜と心臓病の
因果関係が明かされる

野菜には、血液をサラサラにして動脈硬化を予防したり、心筋梗塞や狭心症になりにくくする効果があります。1948年「フラミンガム研究」で、心臓病との関連が明らかになりました。戦後、景気が上向きになったアメリカでは、心臓病や脳卒中が急増。アメリカ公衆衛生局では、その原因を探るために北部フラミンガム市の28,000人を対象に、大規模な疫学調査を実施します。その結果をもとに、心臓病対策がとられました。

野菜・果物を1日1皿増やすと
心臓病リスクが4%低下

アメリカ各地では、心臓病を抱えていない住民を2年ごとに追跡して、健康調査を行いました。1975年から832人を対象にし、20年にわたって食生活と健康の関係を調査したところ、野菜・果物を1日3皿食べた人達は、心臓病リスクが低下していることがわかったのです。2006年に行われた「メタアナリシス」調査では、「野菜・果物の摂取量を1皿増やすだけで、心臓病リスクが4%低下」と発表しています。

より多くの野菜を摂取すると
心筋梗塞の予防につながる

西部オーストラリア大学の研究報告によると、野菜を多く摂る高齢女性は摂取量が少ない女性よりも動脈の血管壁が薄く柔軟なことがわかりました。研究では70歳以上の女性954名を対象に、まったく野菜を食べないグループから毎日3回食べるグループまでに分け、試験後に血管の厚さを測定。結果、野菜を全く食べない女性と毎日3回食べる女性には、血管壁の厚さに0.05mmの差がありました。血管壁の厚さが0.1mm薄くなると脳卒中及び心筋梗塞のリスクが減少することから、野菜をたくさん食べると心筋梗塞の予防が期待できるといえます。

 

野菜類に含まれる注目の成分

動脈硬化を予防するリコピン・カロチノイド・ケルセチン

野菜は食物繊維やビタミンA・B・C・D・E、ミネラル、カロチノイド等が豊富。特に緑黄色野菜には、動脈硬化や心臓病を予防する、カロチノイド系の栄養素が多く含まれています。トマトに含まれるリコピンには動脈硬化の予防効果があります。にんじんやかぼちゃのβカロチン、たまねぎ・にんじんのケルセチン、赤キャベツやシソのルブロブラシンには、血管をしなやかにして血流を促し、中性脂肪を減少させる効果があります。これらを多く摂取することが、生活習慣病の予防につながるのです。

抗酸化作用のあるビタミンE・βカロテン・ビタミンC

緑黄色野菜や根菜類には、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には、体内の中性脂肪や悪玉コレステロールを抑制して、善玉コレステロールを増やす働きがあり、血液をサラサラにしてくれます。ほうれん草に含まれているカリウムには、血中の塩分を排出する作用があり、高血圧を防いでくれます。ビタミンEやβ-カロテン、ビタミンC等には、抗酸化物質が豊富に含まれています。血液の酸化や血栓を防ぐ作用があり、心筋梗塞や狭心症などの心臓病予防にも効果があります。

心疾患の予防に役立つカルシウム・マグネシウム

緑黄色野菜に含まれるカルシウムは、心筋を動かすために必要なミネラルです。体内でカルシウムが足りなくなると骨のカルシウムが消費され、血液のバランスが崩れて血栓ができやすくなります。悪化すると心臓の筋肉が異常を起こす原因になるため、しっかり摂るのがおすすめ。また、野菜・果物に入っているマグネシウムは血圧や血糖値の上昇、動脈硬化、脂質代謝異常を押さえるはたらきが。研究でマグネシウムを多く摂取している人はあまり摂取していない人に比べて、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが30%以上低いことがわかっています。積極的に食事に取り入れ、健康に役立てましょう。

 

野菜類のおすすめの食べ方

イラスト野菜には緑黄色野菜や根菜等、様々な種類があり、種類によって含まれる栄養素や効果が変わってきます。野菜を食べる時は、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE等の含有量が多い、小松菜やピーマン、ゴーヤ、とうがらし、モロヘイヤなどを取り入れるといいでしょう。ゴマや青魚、鶏のささみ等と一緒に合わせて調理するとより効果が期待できます。

おすすめのレシピ

トマトだれソーメンと鶏肉とゆでたまごの梅煮

トマトをすりおろした、トマトだれでいただく、口当たりがさっぱりしたソーメンです。トマトにはカリウムが豊富。不足しがちな水分を補い、余分な塩分を排出します。おくらのガラクタンには、動脈硬化を防ぐ働きがあります。食物繊維の一種ペクチンには、コレステロール値を下げて、血糖値を安定させる働きがあります。

ひき肉と玉ねぎをたっぷり詰め込んだピーマンの肉詰め

ひき肉と細かく刻んだ玉ねぎをこねたタネを、ピーマンにたっぷり詰めてフライパンで焼くレシピです。ピーマンの香り成分ピラジンは、血液をサラサラにし、ビタミンPが毛細血管をしなやかにして、血流を促してくれます。さらに、ビタミンA・E・食物繊維・クロロフィル(葉緑素)は、コレステロールの酸化予防と排出を促す効果アリ。

ナムル風もやしと小松菜&ゴマがけの和え物

小松菜ともやしをさっとゆがいて、塩とごま油でナムル風に味付け。その上に、ゴマを振りかけるだけの簡単レシピです。小松菜には、ビタミンAやβカロテン、αカロテンが豊富。抗酸化作用があり、心筋梗塞や狭心症のリスクを軽減させる効果があります。ゴマはビタミンEが豊富で、コレステロールを抑えて血流を促してくれます。

野菜をたっぷり使った彩りの良い五目煮

ゴボウやレンコン、ニンジン、大豆を煮上げてだしを吸わせた五目煮は、栄養たっぷりの野菜をふんだんに使ったレシピです。低脂肪かつビタミン・ミネラルを多く含む大豆をメインに、血糖値の低下に効果的な食物繊維が入った根菜類を組み合わせています。血中の余分なコレステロールや塩分を排出する働きもあるため、心筋梗塞の要因となる動脈硬化の予防にも役立つ成分です。

酒かすペーストを使った根菜のみそ汁

発酵食品の酒かすを使ったみそ汁は、コクや味わいに深みが出る一品。みそを減らして塩分を抑えているので、おいしさを保ちつつ動脈硬化予防が可能。食物繊維が豊富な大根やニンジン、ゴボウなどを入れているので、コレステロールを減らして血栓を作りにくくしてくれます。みそ汁にすることで溶けだした成分も残さず摂取できるため、効率良く栄養を摂るにはもってこいのレシピです。

 

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野菜類を食べる際の注意ポイント

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01

野菜には熱を加えると、栄養素が壊れてしまうものと、そうでないものとがあるので、調理方法を間違えると、効果が半減してしまいます。小松菜やキャベツ等の緑黄色野菜に含まれているビタミンEやβカロテンは、油に溶けやすいビタミン (脂溶性)。油で炒めたり、ゴマ油で和える等、油と一緒に摂りましょう。淡色野菜に含まれているビタミンCや酵素は、加熱すると壊れてしまうので、火を通し過ぎないように調理するといいでしょう。

 

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02

根菜類の皮は、栄養がたくさん詰まっています。カボチャの皮にはβカロテンが豊富です。さつまいもの皮にはビタミンCやカルシウムが多く含まれています。ニンジンの皮のすぐ下にも栄養がたっぷり詰まっているため、なるべく皮のついたまま食べたほうが好ましいです。調理する時は皮を剝きすぎないように気をつけましょう。またニンジンの皮を多めに剥いた時は捨てないで再利用を。千切りにしてきんぴら風に炒めてゴマを振りかければ、無駄なく栄養を摂ることができます。食材を上手に活用しましょう。

 

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03

リコピンやカルシウムなどの有効成分が含まれている野菜でも、調理法によっては食べすぎると肥満をまねきます。肥満は動脈硬化や高血圧など、心筋梗塞になる前段階の状態。心筋梗塞を防ぎたいのであれば、カロリーを摂り過ぎないよう、食材によって調理法や組み合わせを変えましょう。また、同じ食材でも調理方法によっては予防効果を半減させる可能性が。煮汁や油の中に成分が溶け出すことから、同じ量を食べても効果が減ってしまうのです。そのため、煮物やてんぷら、フライなど煮物・揚げ物として摂るのは向いていません。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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