大豆食品

 

大豆の成分・大豆イソフラボンは、悪玉コレステロールを分解して、血液の酸化を防ぐエストロゲン作用と、血管を拡張して血液の流れをよくする作用、また、抗エストロゲン作用があります。またサポニンや、レシチンには抗酸化作用があり、コレステロールや中性脂肪の増加を抑えて、血糖値の上昇を抑制する作用があります。

大豆食品が健康に良いとされる理由

遥か昔から
薬として使われてきた黒大豆

大豆には、黄大豆・黒大豆・青大豆の3種類があり、中でも黒大豆は、体にいい食材として知られています。中国では5000年ほど前から黒大豆の栽培が始まり、中国最古の医薬書「神農本草経」には、リウマチや関節炎の治療薬としての記述も。昔から、薬用として使われていたようです。日本でも1590年に編纂された「本草網目」に、黒大豆の薬効の記述があります。その頃、どのように作用するかは解明されていませんでした。

政府をあげた大豆による
心臓病予防キャンペーン

1960年代から、アメリカで心臓病患者が急増。1999年には、アメリカ食品医薬局(FDA)が、「大豆たんぱくを含む食品を1日25g接種すると、心臓病リスクの減少につながる」と発表し、国をあげての一大キャンペーンが始まりました。大豆人気が一気に過熱し、豆乳やチップス、肉代替製品など、FDAの健康機能表示を記した製品が登場。2000年には、国民の78%が大豆の心臓病予防効果を認識するようになりました。

厚生労働省が大豆の心疾患予防効果を発表

2007年に厚生労働省が発表した研究では、40~59歳の男女約4万人を対象として13年間大豆食品を食べた回数や量、生活習慣を記録して摂取量を調べました。大豆の摂取量ごとに3つのグループに分け、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを比べたところ、大豆や大豆食品を週5回以上食べている人は大豆食品を食べる回数が少ない人より脳梗塞や心筋梗塞を発症しにくいことが明らかに。このことから、大豆または大豆製品に心筋梗塞の予防効果が期待できます。

微小血管狭心症の改善に大豆が効果的

30代~60代の女性に見られる微小血管狭心症は、通常の狭心症と違い心臓の細い血管が小さくなる病気です。抗動脈硬化作用を持つエストロゲンの減少によって、部分的に血管の動脈硬化が起こることが原因。発症すると呼吸困難感や吐き気などが起こり、放置すると重大な心疾患につながります。大豆イソフラボンは、この微小血管狭心症の予防に役立つ成分。大豆イソフラボンを定期的に摂ることで末端の血管までしなやかに保ち、心疾患を予防してくれます。

 

大豆食品に含まれる注目の成分

抗酸化力の高いサポニンが
コレステロールを低下

大豆に含まれるサポニンは、脂肪を溶かして、血液の流れをよくする働きがあります。血液中のコレステロールや中性脂肪が酸化すると、血液が濁ってドロドロになり、動脈硬化を招きます。動脈硬化症の患者にサポニンを投与したところ、血液中の総コレステロールが71%、中性脂肪が88%改善したという報告があります。またレシチンにも脂質の代謝を活発にする効果があり、コレステロールや中性脂肪が減少し、血糖値の低下にもつながります。

エストロゲン効果で
心臓病リスクを軽減

大豆にはポリフェノールの一種、大豆イソフラボンが含まれています。植物性エストロゲンともいわれ、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が似ています。血流を促して動脈硬化を防ぎ、心臓病リスクの低下が期待できます。血液中のコレステロールのバランスを整え、酸化を防いで心臓を強くする、「エストロゲン作用」と、血管を拡張して血液の流れを促す「プロゲステロン作用」があり、この2つの作用で心臓病リスクを軽減します。

コレステロール排出に役立つ大豆ペプチド

大豆ペプチドは、大豆に含まれるたんぱく質が分解される過程でできる成分です。コレステロールの排出を促し、体内のコレステロール量を下げる働きを持っています。大豆ペプチドを摂ることで体内の総コレステロール濃度とLDL(悪玉)コレステロール濃度が低下したという報告もあり、過剰なコレステロールによる動脈硬化を防ぐ効果が期待できるでしょう。大豆ペプチドは体内に吸収されやすいため、健康維持だけでなく栄養摂取の面からも注目されています。

血栓を溶かすナットウキナーゼで心疾患予防

大豆発酵製品の納豆には、ナットウキナーゼと呼ばれる酵素が含まれています。ナットウキナーゼは血栓を溶かす作用が強く、血栓による血圧上昇や血管の詰まりを防いでくれます。加えて、ナットウキナーゼ以外の血栓を溶かす酵素を増強する作用も。そのため、高血圧による動脈硬化や血管が詰まることで起こる狭心症・心筋梗塞の予防に効果的です。薬と違い、摂取しすぎると血が止まらなくなるという報告もないため、安全な成分といえます。

 

大豆食品のおすすめの食べ方

イラスト大豆類には、動脈硬化を予防し、心臓を強くする効果があるので、毎日のメニューにぜひ1品加えたい食材です。調理の味付けに、味噌や醤油を使ったり、副菜に豆腐や納豆を添えれば、栄養成分を簡単に摂取できます。また加熱して柔らかくなるまで煮込むと、大豆イソフラボンの成分をより効果的に摂ることができます。また毎日同じメニューでは飽きてしまいがち。豆腐ハンバーグにしたり、サラダに豆腐や大豆を使うと、バラエティ豊かな食卓になります。

おすすめのレシピ

色鮮やかな大豆といかとグリーンアスパラ炒め

食べやすい大きさにカットした、いかとネギ、アスパラを、大豆と一緒にフライパンで炒め、ポン酢・だし汁・酒で味付けした、色鮮やかなメニューです。大豆イソフラボンの働きで、血液の流れをよくして、心臓の働きを強くします。いかのタウリンには、善玉コレステロールを増やして、血液をサラサラにする効果で相乗効果も期待大。

副菜といえばコレ!大豆とひじきの煮物

大豆とにんじん、しらたきと一緒にひじきを炒め煮した、副菜の定番メニューです。海産物のひじきは食物繊維がたっぷり含まれていて、血液中のコレステロールの増加を抑制してくれます。胆汁酸を体外に排出し、コレステロールの代謝を促すので、動脈硬化の予防効果が。またカルシウムも多く、血流改善効果も期待できます。

家庭でできる絶対に失敗しない黒豆のふっくら煮

黒豆は、じっくり煮込んだわりには、しわしわになりがちですが、砂糖シロップに一晩つけてから煮たり、釘や重曹を一緒に入れて煮ると、ふっくらつやつやに仕上がります。圧力鍋を使うと時間短縮に。レシチン・α-リノレン酸・オレイン酸の働きで、悪玉コレステロールや中性脂肪を抑制して、血流促し、動脈硬化を防ぎます。

みょうがが決め手!ごま豆乳冷やしうどん

野菜と豚肉をごま豆乳のたれであえた冷やしうどんは少ない量でも大満足の一品。豆乳に含まれる大豆イソフラボンやサポニンなどが動脈硬化を防ぎ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らしてくれます。また、薬味のみょうがは香りに血行促進効果があり血管の維持に効果的。加えて付け合わせに食物繊維が多い海藻を使うと心疾患の予防に最適です。

 

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大豆食品を食べる際の注意ポイント

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01

大豆には、16種類のアレルギー物質が含まれているので、アレルギー体質の人は注意が必要です。特に乳幼児は耐性が弱く、たんぱく質の消化・吸収ができないので、アレルギー症状が現れることが多いそうです。症状は、じんましんや湿疹、皮膚の赤斑、下痢・おう吐、目のかゆみや充血、めまい・頭痛などがあります。ひどい場合はアナフィラキシーショックに陥ることも。味噌・納豆はOK。豆乳・黒豆・もやし・大豆油などは要注意。

 

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02

大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きがあります。心臓を強くしたり、動脈硬化を予防する効果がありますが、女性が過剰摂取すると、ホルモンバランスに悪い影響を与えます。更年期障害と似たほてり、子宮内膜症や乳がんなどの発症リスクが高まります。1日の摂取量は70~75mgで、豆乳200mlで49.6mg、納豆1パック(50g)で36.8mg、大豆水煮(50g)で36.0mg相当です。過剰摂取に気をつけて。

 

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03

納豆にはナットウキナーゼという酵素が入っています。ナットウキナーゼは血栓を溶かす作用があり、動脈硬化や虚血性心疾患の予防に役立つ成分。しかし、納豆には血液を固めるビタミンKも含まれているので注意が必要です。手術の予定がある人やビタミンKによって効果が弱まる薬(ワーファリン)を服用している人は、納豆を食べるのは控えましょう。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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