海藻類

 

ワカメやコンブ等の海藻類は、水溶性食物繊維を多く含んでいて、血液をサラサラにする効果があります。海藻類を食べると、水溶性食物繊維が、腸内に溜まっているコレステロールや老廃物を包み込みます。老廃物は消化されないので、包み込まれたまま体外に排出されます。同時に、血液中のコレステロールも減少して血液がサラサラになり、動脈硬化を予防してくれます。

海藻類が健康に良いとされる理由

野菜以上に栄養価と心臓病予防効果がある「海の野菜」

縄文時代や弥生時代の遺跡から、海藻の一部が発見されたことから、日本人は古くから海藻を食物として利用していたことが明らかになりました。世界中で海藻を食用とする民族は、日本・中国・韓国・ハワイぐらいで、欧米諸国には食用の習慣がありません。近年、海藻にミネラルやビタミンが豊富に含まれていることが明らかになり、欧米各国でもシーベジタブル=「海の野菜」として食べられるようになっています。

世界各国で医薬品としての効果が認められた昆布

中国の古書「中薬大辞典」には、「昆布には血圧を下げる働きがあり、古くから漢方薬として使われていた」とあります。海藻にはヨウ素(ヨード)が多く、ヨードは人間の身体に不可欠なミネラルで、甲状腺から分泌されるホルモンの構成成分です。1812年にフランスでヨードの生産が始まると、日本でも昆布の研究が盛んに。1881年、アルギン酸の発見により、海藻の動脈硬化・心臓病の予防効果が注目を集めました。

研究で海藻が心疾患のリスクを下げることが明らかに

昆布やワカメを中心とする海藻類には、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。国立がん研究センターと国立循環器病研究センターが行った研究で、マグネシウム含有量の多い食品をよく食べる人は、あまり食べない人に比べて心臓の血管が循環しにくくなる虚血性心疾患の発症率が34%も低いことがわかりました。心筋梗塞や狭心症などにかかったことがない人は、マグネシウムが多い食品を摂っていることも明らかに。マグネシウム豊富な海藻を摂ることで、心疾患予防の効果が期待できます。

動脈硬化予防のために学会が海藻摂取を推奨

心筋梗塞は動脈硬化が原因となり、血栓で心臓の血管が詰まる病気です。日本動脈硬化学会が発行している「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、動脈硬化の発症リスクを下げる食材として、野菜や海藻が挙げられています。各種ミネラルやアルギン酸、フコイダンなどの余分なコレステロールを排出する有効成分が豊富なことから、血管を健康に保ち、動脈硬化を防ぐと考えられているようです。コレステロールを多く摂りがちな人は、海藻を中心とした食生活に変えてみましょう。

 

海藻類に含まれる注目の成分

アルギン酸の働きで
血液をサラサラに

海藻は「海の野菜」といわれるように、カルシウムやマグネシウム等、生きていくために必要な栄養素が詰まっています。中でもアルギン酸は、動脈硬化の予防効果が高い成分。海藻を食べるとゲル状になり、腸内にあるコレステロールを包み込んで、老廃物をそのまま体外に排出させる働きがあります。血液中のコレステロール値も下がるので、血液がサラサラになり、動脈硬化による心筋梗塞や狭心症の予防効果が期待されています。

秦の始皇帝が愛用した
不老長寿の成分フコイダン

海藻の中でも最近特に注目されている成分が、フコイダンです。昆布やわかめに含まれているヌルヌル成分で、すでに2000年前の秦の始皇帝の時代に、不老長寿の薬として重用していたと伝えられています。腸内でゲル状になり、コレステロールを包んで老廃物の排出を促します。血圧を安定させる働きもあり、生活習慣病や心臓病の予防効果も。最近では免疫力を高めて、がん抑制効果がある成分として研究が進められています。

血糖値と脂質値を下げる
豊富なマグネシウム

心疾患の発症リスクを下げるミネラルとして欠かせないのがマグネシウム。海藻のほかにも魚や果物、野菜などに含まれています。十分な量のマグネシウムを摂ると血糖値と脂質値が下がるという結果が出ており、動脈硬化による心筋梗塞・狭心症予防に効果が得られることがわかりました。がんの予防にも役立つと考えられていて、より研究の重要性が高まっています。

 

海藻類のおすすめの食べ方

イラスト海藻類には、わかめやコンブ、もずく、ヒジキなど、スーパーで手軽に手に入るものがたくさんあります。定番といえば、お味噌汁ですが、サラダや酢の物にしたり、ヒジキの煮物を多めに作っておけば、常備菜としても使えます。わかめをカリカリに炒ってご飯にまぶしたり、ふりかけ代わりにしても、いいでしょう。乾物は、水で戻すとかさが増すので分量に注意。1年を通して手に入るので、色々工夫して、毎日摂りたい食材です。

おすすめのレシピ

帆立の貝柱と海藻をミックスしたヘルシーサラダ

ホタテの貝柱と水で戻した乾燥ミックスわかめ、水菜、千切り生姜を加えた、ヘルシーサラダです。ドレッシングの代わりに、ユズ風味のポン酢をかけると、あっさりとした味わいが楽しめます。ホタテは、コレステロール値を下げて、動脈硬化を予防するタウリンが豊富。海藻と一緒に食べると、相乗効果で心臓病予防効果が高まります。

わかめとブロッコリーのゆかり和え

わかめとゆがいたブロッコリーを、ゆかりと白ごまで和えた一品です。ブロッコリーの茎も一緒に入れると、しゃきっとした歯ごたえを楽しむことができます。ブロッコリーに含まれている、スルフォラファンが血栓をできにくくして、動脈硬化を防いでくれます。わかめと一緒にたべると、より高い心臓病予防効果が期待できそうです。

わかめとカリカリじゃことゆかりのおむすび

乾燥わかめとじゃこを、フライパンで乾煎りし、ごはんとゆかりを一緒に混ぜて作るおにぎりです。じゃこには、DHA・EPAが豊富です。コレステロールを抑えて血液をサラサラにしてくれます。わかめには、食物繊維やミネラルが豊富。コレステロールを体外に排出するように促して、動脈硬化や心臓病リスクを低下させてくれます。

手軽に作れる梅とわかめのスープ

だし汁に梅干しとわかめを入れてさっと作れるスープです。糖や脂質の代謝を良くするマグネシウムが豊富なわかめが入っており、動脈硬化予防に効果的。また、食物繊維も多く脂質を増やす余分な糖をカットしてくれます。梅干しのクエン酸がミネラルの吸収をサポートするので、より高い効果が見込めます。

 

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海藻類を食べる際の注意ポイント

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01

海藻類は栄養たっぷりでヘルシーですが、ヨードを含んでいるので、食べ過ぎないように。日本人は昔からヨードに強い傾向がありますが、食べ過ぎると甲状腺機能低下を引き起こします。甲状腺の病気を治療中の人が、海藻を食べ過ぎると、服用中の薬が効きにくくなったり、甲状腺肥大の心配があります。厚生労働省によると1日の摂取量の目安は3.0mgまで。これを海苔に換算すると約50g。食べ過ぎなければ、特に問題ないでしょう。

 

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02

海藻に含まれるヨウ素は、コレステロールを下げて動脈硬化を予防する効果があります。より効果を高めるには、油と一緒に調理するのがベストです。油揚げと一緒にお味噌汁の具にしたり、油で炒めて煮物にするといいでしょう。また酢の物のように、酢と一緒に和えて食べるのもおすすめです。酢の力で食物繊維が柔らかくなり、フコダイン等の栄養成分が、より効果的に吸収できるようになります。

 

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03

海藻は動脈硬化予防に効果的な成分ですが、女性は摂り過ぎNG。国立がん研究センターの日本人女性を対象にした研究では、海藻を食べる頻度が高い人ほど甲状腺がんの発生リスクが高いと報告されています。特に閉経後の女性はホルモンバランスが崩れるためか、がんの予防作用が働かないことも。乳頭がんの割合も非常に高くなっているので、健康に良いからとたくさん摂るのではなくほどほどに控えましょう。

 

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04

海藻に含まれるビタミンKは、体内で色々な機能に関わっている成分です。しかし血栓を作りにくくする薬・ワーファリンを併用すると、薬の効果が打ち消されて血栓ができやすくなります。毎日必要な量だけ海藻を食べるなら問題ありませんが、短期間で大量に摂取するのは止めましょう。心臓病を患っている場合は心筋梗塞を引き起こしやすいため、いつもの食事でも摂取量には注意してください。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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