心筋梗塞の予防と運動の関係

日頃の生活習慣によっては、心筋梗塞のリスクを下げることができます。なかでも運動の効果は多くの専門家が認めており、心臓トラブルを抱えている方にも有効です。日常生活に運動を取り入れて、心も体も元気な毎日を過ごせるよう努めましょう。

適度な運動は心肺機能を高める

心臓に負担をかけない運動が大切

狭心症や心筋梗塞の原因にはさまざまなものがありますが、主な原因としては動脈硬化が挙げられるでしょう。動脈硬化を促進させるのが高脂血症や高血圧、糖尿病などの病気。これらの予防に有効なのが、軽めの運動です。無理のない範囲で体を動かすことにより脂肪が燃焼、血圧が下がることで心臓への負担を減らすことができます。

心筋梗塞や狭心症を発症した方にとって再発の心配はつきもの。なかには、発作の再発を恐れて運動を避けてしまう方もいますが、適度な運動は予防につながります。安全に配慮した運動を取り入れていきましょう。

おすすめは有酸素運動

有酸素運動に期待できる効果

運動は有酸素運動と無酸素運動の2種類に分類されます。運動強度の高い無酸素運動は心臓に負担をかける方法。一方で有酸素運動の強度は軽度、あるいは中程度のため無理なく心肺機能を高める効果が期待できます。

また有酸素運動は長く継続的に行えることが特徴。脂肪燃焼や血糖値を下げる効果も期待され、血圧の正常化にもつながります。心肺機能を高めるだけでなく、生活習慣病の予防や改善にも役立つのです。

しかし有酸素運動も、やり方によっては心臓に負担のかかる運動になってしまう場合があります。準備運動をしなかったり、自分に合っていない強度の運動をしたりしてしまうと負担も大きくなるため注意しましょう。

おすすめの運動方法

主な有酸素運動としては、ウォーキングや水中ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ラジオ体操などがあります。なかでも気軽に始められて、安全性も高いのがウォーキングです。

正しいウォーキング方法は、毎日30~60分、少し汗ばみながらも楽しく会話ができる程度で行うこと。背筋を伸ばして胸を張り、肩の力を抜いた正しいフォームで歩きましょう。3日以上空けてしまうと体が運動を始める前の状態に戻るといわれているため、定期性を保つことも大切です。

また「経験者だから」などといった理由で、テニスやバドミントン、短距離走などをするのはおすすめできません。一見、楽しく行えそうですが、これらは心臓に負担をかける無酸素運動になりますので避けましょう。

運動強度

心拍数を目安に運動強度をコントロール

自分に適した運動レベルを知るうえで、ひとつの目安になるのが目標心拍数です。この心拍数は、年齢や安静時心拍数によって変わります。まずは目標心拍数を計算してみましょう。

目標心拍数は、次の計算式によって求められます。

目標心拍数=〈〔220(運動によって心臓に負担がかけられる限界心拍数)-年齢〕-安静時心拍数〉×〔40~60%〕(運動強度:運動に不慣れな人の場合)+安静時心拍数

目標心拍数を求めたら、運動の最中に心拍数を計ってみます。もし目標心拍数より上回っているなら、いったん運動をやめましょう。目標心拍数に達していなくても、きついと感じるようなら中止します。目標心拍数はあくまでも目安のため、体調に合わせてコントロールすることが大切です。

運動強度の指標

狭心症や心筋梗塞を発症した人にとって、「どれくらいの運動強度が自分には安全なのか」を知ることはとても重要です。それを見極めるための方法が、運動負荷試験という検査。この検査にはマスター負荷試験やトレッドミル負荷試験などがあります。どの試験も医師の管理下で行われるため、安心して受けることが可能です。

運動強度を表す指標としては、METS(メッツ)があります。この指標は、運動によるエネルギー消費量を座位安静時代謝量で割ったもの。心臓トラブルを抱えている方なら、運動を始める前に必ず知っておきたい指標です。

他にも、自分の感覚から測るボルグスケールという指標もあります。ただし薬を服用されている方などは指標の目安にそのまま当てはまるわけではないため、医師の指導を受けるべきでしょう。

運動時の注意点

過度な運動は禁物

運動は狭心症や心筋梗塞の予防や再発防止に役立ちますが、やりすぎは禁物です。間違った方法で行うと再発のリスクを高めてしまうため、安全性には十分注意してください。特に無酸素運動は心臓への負担が大きいため避ける必要があります。

有酸素運動をする際も、勝ち負けにこだわる気持ちやついつい夢中になってしまう傾向があると、心臓に負担を強いることに。無理はせずゆったりとした気持ちで行うよう努めましょう。

また、その日の体調によって融通を利かせることも大切です。継続できることが大切になるため、その日の運動量を体調に合わせて微調整しながら続けてみてください。

運動は継続することが大切

運動の効果は、定期的に行うことで得られます。そのためには、毎日20~60分程度行うのが理想的です。また3日以上間が空くと体は運動を行う前の状態に戻るといわれているため、その点も意識しましょう。

心肺機能を高めるためには、少しずつでも継続することが大切です。習慣として続けることで心肺機能が高まり、心筋梗塞の予防にもつながっていきます。生活習慣の一部とするためにも楽しくできる有酸素運動を見つけて、続行していきましょう。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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