水の飲み方

心筋梗塞の予防対策として、禁煙や運動と並び、水を飲むのがよいといわれています。厚生労働省でも、水分補給は心筋梗塞のリスクを回避するとして推奨されている予防法です。しかし、とにかくたくさん水を飲めばよいというわけではありません。心筋梗塞の予防に効果的な水の飲み方について見てみましょう。

水分補給と心筋梗塞の関係

水分量が減ると血液がドロドロに

人間の体は、およそ60%が水分でできています。体の中の水分は、筋肉や血管を通る血液にも含まれており、人が生きていくうえで重要なはたらきを担う存在です。体内の水分量が減ってしまうと血液中の水分が少なくなり、血液の粘度が上がってしまいます。適切な水分量に保たれた血液はサラサラとしていますが、粘度の上がった血液はドロドロとしており、心筋梗塞の原因となる血栓を作りやすくするのです。

たとえ糖分や脂肪分を控え、定期的にスポーツをしていても、血液中の水分が不足するだけで血液は詰まりやすくなり、心筋梗塞のリスクを高めます。適切な水分補給が心筋梗塞の予防に繋がるといわれるのはこのためです。

理想的な水分摂取のタイミング

空腹時

空腹を感じた際、食事を摂るサインだと考えがちですが、食事を摂っているのに空腹を感じる場合があります。これは、体にとって大切な水分が不足していることを脳が察知して、食べ物から水分を補給しようと体に空腹のサインを出すためです。空腹を感じたときは、単にお腹が減っているだけでなく、体が水分不足になっている場合もあるため、しっかりと水分を補給するようにしましょう。

就寝前

就寝中、人はコップ1~2杯分程度の汗をかくといわれています。就寝前に体内の水分が充分でないと、汗によって血液の粘度が上がり、寝ている間に心筋梗塞を起こしてしまう原因になりかねません。夜中にトイレに起きる回数が増える可能性があるため、たくさん飲み過ぎる必要はありませんが、就寝中にかく汗と同量程度の水は飲んでおくとよいでしょう。

目覚めたとき

就寝中の汗や呼吸によって、起床時の体内の水分量は、寝る前よりも少なくなっています。朝目覚めたときに喉の渇きを感じるのはこのためです。起床時には、コップ1~2杯程度の水を飲むようにしましょう。起床時には冷たい水を避け、常温の水を飲みます。これは急激な体温の低下にともなう血圧の上昇を防ぐためです。

成人の一日に必要な水分量

1日に1.5リットル以上を心がける

成人男性が1日に必要とする水分量は、1日におよそ2.5リットルといわれています。安静に過ごしていても、呼吸や汗、尿や便といった排泄により、1日あたり約2,000cc以上の水分が体内から失われるもの。夏場の汗をかきやすい季節や冬の乾燥する時期、スポーツや運動などを行った場合には、安静時よりも多くの水分が失われるため、意識して水分を補給することが大切です。

水分は食事からも1リットル程度摂取できますが、残りの1.5~2リットルは水分として補給する必要があります。飲み方の目安としては、1度に大量に飲むのではなく、体の水の消費に合わせて、1時間半ごとにコップ1杯程度の水を飲むように心がけましょう。

また、水分の摂取は心筋梗塞予防に有効な対策ではありますが、腎臓の機能が低下している状態では、水分の摂取が心臓に負担をかけることもあります。腎臓の機能が悪いと指摘されたことがある人は、主治医に相談することも大切です。