体を温め、リラックスできる入浴の時間は、ストレス解消や健康を保つうえで上手に活用したいものです。しかし、間違った入浴法を続けていると、健康面で逆効果になりかねません。入浴がもたらす体への影響や注意点、おすすめの入浴法などについて見ていきましょう。
入浴する際に冷えた体を温めようとして、いきなり浴槽に入るのはおすすめできません。体が冷えているときに急に熱い湯船に浸かると交感神経が刺激され、血圧の上昇を招いて心臓に負担をかける原因となるためです。
また、いきなり肩まで湯に浸かることも、心臓に負担をかける原因となります。急に肩まで湯船に浸かると心臓に水圧がかかり、血圧の上昇に繋がってしまうのです。温度の変化や水圧が心臓にどのような影響を及ぼすかについて正しい知識を持ち、できるだけ心臓に負担をかけない方法で入浴することを意識しましょう。
入浴の際は、いきなり熱いお湯に浸からないことが重要ですが、それに加えて、できるだけ体が受ける温度の変化を少なくすることも大切です。冷えた脱衣所や浴室と浴槽の間を行き来するのも、血圧の変動を招きます。脱衣所は暖房器具で暖め、浴室内にはかけ湯をして、温度の変化をできるだけ防ぎましょう。
浴室や脱衣所を暖めていても、40℃以上の熱いお湯に浸かるのはおすすめできません。熱いお湯に浸かると交感神経を刺激して血圧が上がったり、熱い温度に血小板が反応して血液の粘度が上がり、血栓ができやすくなったりするためです。血行を促しながらストレスを解消し、ゆったりとリラックスできるお湯の温度は、ややぬるめの38~40℃程度といわれています。
浴槽に腰から下まで浸かる半身浴は、水圧で心臓に負担がかかることを防ぐ入浴方法。肩の冷えが気になる場合は、厚手のタオルなどをかけて入浴するとよいでしょう。ぬるめのお湯に15~20分ほど浸かると体が温まり、リラックス効果も得られます。ただしたくさん汗をかくため、水分補給を忘れないようにしましょう。
温泉施設には、さまざまな温度の温泉があります。ややぬるめのお湯ならよいのですが、42℃以上の熱い温泉は、血液が固まりやすくなるため避けたいところです。自宅と違い、脱衣所の温度調整も難しいため注意しましょう。
気になる予防方法