心筋梗塞後の運動

心筋梗塞を経験した後は、順調に回復していたとしても心臓の調子が心配になると思います。体質改善のために運動は取り入れたいものですが、激しい運動は心臓によくありません。してはいけない運動はあるのか、どのくらいの運動がちょうど良いのかといったよくある疑問にお答えします。

控えたほうがいい運動

適度な運動は肥満や動脈硬化の解消にもつながりますので、心筋梗塞を経験した後でもぜひ生活習慣に取り入れていきたいものです。しかし、心臓に過度の負担がかかるような種類の運動は禁物。ここでは、心筋梗塞を経験した方に向いていない運動についていくつかご紹介します。

心臓の疲労につながる無酸素運動は避ける

腕立て伏せや腹筋のような筋力トレーニングは、いかにも肥満体質の解消に効果があるように思えます。しかし、このような運動は、無酸素運動といってダイエットには向いていません。無酸素運動は、短時間で瞬間的に筋肉を激しく使うタイプの運動です。心臓への負担が非常に大きく、さらに脂肪燃焼効果も低いので、心筋梗塞経験者は避けるべきです。同様に短距離走などのスポーツも心臓への負担が大きいため控えましょう。

短時間しかできない激しい運動は禁物

心筋梗塞が再発しにくい健康体になるためには、長い時間が必要です。医師から肥満解消を勧められている方は、特に粘り強く運動に取り組んでいかなければなりません

脂肪を燃焼させるためには、最低でも30分から1時間の運動をほぼ毎日継続的に行っていくことが肝心です。そのため、5分程度でヘトヘトになって30分続けることができないような運動や、毎日続けることが困難なほど疲労困憊する運動は向いていません。
参照元:国立研究開発法人国立循環器病研究センター

問題のない運動強度

心筋梗塞を経験した方が安全に運動を楽しむには、どれくらいを目安にすれば良いのでしょうか。

息が上がらないくらいの有酸素運動

心筋梗塞の一因となる肥満や高血圧・高脂血症を解消するには、有酸素運動が最適です。有酸素運動とは、大きな力やスピードを必要とせず、ゆったりと長時間続けるタイプの運動です。心拍数でいうと平常時から+30くらいの運動強度が目安であり、少し負担があるけれども息が上がるほどではない程度の運動です。。アメリカのある調査によると、糖尿病の患者さんでは、歩行習慣のある患者は歩行習慣のない患者さんより、死亡率が低いことが報告されています。さらに、一日少なくとも2時間歩く人は、心疾患による死亡率は34%低下。
Edward W. Gregg et al : Relationship of Walking to Mortality Among US Adults with Diabetes, Archives of Internal Medicine, Vol.163, 2003, 1440-1447 より)

周りに合わせず、自分の体調優先で

運動で心拍数が上がると、当然ながら平静時よりも心臓への負担は大きくなります。また、血液がドロドロしていて流れにくい場合、心臓は必死で鼓動しなくてはならなくなります

運動中のふいの発作を避けるためには、徹底して水分摂取を行ったり休憩を取ったりして、脱水や過度の疲労を避けることが何よりも重要です。複数人で行うスポーツでは、ついつい周りの健康な人に合わせて体調管理をおろそかにしがちになるため、特に気をつけるようにしましょう。

運動別の注意点

心筋梗塞を経験した後も、発病前にずっと行っていた趣味のスポーツを続けたいと思う方はたくさんいます。そこで、人気の高いスポーツであるゴルフとマラソンについて、気をつけたい点を個別に紹介します。

ゴルフ

心筋梗塞は起床後3時間以内に起こりやすいとされています。朝早くから開始することの多いゴルフは特に注意が必要です。できればプレイ開始の3時間前には起床しておき、開始までの間にしっかりと水分を取って血液のめぐりを良くしておきましょう

ゴルフは楽なスポーツに思われがちですが、瞬間的にふんばりを効かせたり、ゴルフ場内をたくさん移動したりするなど、意外と心臓への負担が大きいスポーツです。甘く見ることなく、危険性の高いスポーツであるということをしっかり認識しておくだけでもリスクは軽減できます。

マラソン

マラソンを行う際は、定期的に水分を取って脱水に気をつけてください。平静状態から急に運動を始めるのは心臓に一番負担がかかります。事前に準備運動をしっかりと行い、軽いジョギングで慣らしてから走り始めるようにしましょう

また、走り始めてからも少しでも心臓に違和感を感じたらすぐに休憩を取り、場合によっては運動を中止することが大切です。

心筋梗塞の再発リスクを高める血管攣縮
はご存知ですか

心筋梗塞を引き起こす主要な原因に、血管攣縮(れんしゅく)があります。血管攣縮とは、何らからの原因によって血管が痙攣し、収縮していく症状のこと。一度心筋梗塞を起こした人は、ふたたび血管攣縮から心筋梗塞の再発に至るリスクがあるとされています。

血管攣縮とはどんな症状か

血管攣縮とは、何らかの理由によって血管が異常に収縮し、その先への血流を阻害してしまう症状のこと。血管攣縮は体のいたるところにある血管で起こりうる症状ですが、万が一、心臓にある冠動脈で起こした場合、心臓に血液が運ばれない事態となります。すぐに血流が回復すれば良いのですが、場合によっては、その状態が20~30ほど続いてしまうことがあります。その状態のことを、私たちは一般に心筋梗塞と呼んでいます。また、冠動脈の攣縮が軽度な場合、心臓への血流が完全に遮断されるわけではないものの、心臓へ供給される血液の量は通常よりも少なくなります。その状態が15分程度続いた状態のことを、私たちは一般に狭心症と呼んでいます。

血管攣縮は、心筋梗塞や狭心症の原因ともなる非常に深刻な症状であることを理解しておきましょう。

心筋梗塞を発症した人は血管攣縮を起こしやすい

健康な人であっても血管攣縮を突如発症することもありますが、一般には、何らかの原因や前兆があって血管攣縮へと至ります。特に、コレステロール値の高い人、動脈硬化のある人、また心筋梗塞の既往歴がある人は血管攣縮を起こしやすいと言われています。

コレステロール値の高い人が動脈硬化を起こしやすいことは、よく知られています。そして、動脈硬化を起こしている人は、心筋梗塞になりやすいと言われています。これら一連の流れの中に血管攣縮が関わっている、ということです。

特に注意したいのは、過去に心筋梗塞を起こした人。過去の心筋梗塞の発症時に、すでに心筋の細胞の一部が壊死している可能性があるため、再発してしまうと致命的な結果を招きかねないからです。
参照元:冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)

血管攣縮に有効な成分「小林式EPA」とは

従来、血管攣縮に有効とされてきた治療法は、血管全体を拡張させるタイプの治療法。この方法によって攣縮を起こした部分は改善しますが、反面、他の健全な血管も同時に拡張させてしまうため、血圧低下などの様々な副作用が問題視されていました。
「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)」より引用

こうした従来の血管攣縮の治療法に対して、山口大学の小林誠教授の研究チームは、攣縮を起こした部分のみをピンポイントで拡張させる特殊な成分を抽出。成分の原料はイワシなどの青魚に含まれるEPAですが、これを特殊な方法で抽出することで血管攣縮の治療に有効な形へと仕上げました。
「血管異常収縮の分子機構と分子標的治療薬の探索」より引用

医学会を始め、マスコミでも大きく取り上げられたこの成分は、他の一般的なEPAと区別して「小林式EPA」と呼ばれています。

注目の成分「小林式EPA」開発の経緯やメカニズム、また、唯一「小林式EPA」が配合されている商品の説明は以下のサイトで確認してください。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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