悪い生活習慣・ストレス

セロトニンの増加などが心筋梗塞・狭心症を招く!
過度なストレスを感じると、交感神経が刺激されて血圧や血糖値を上昇させるホルモンが分泌されたり、血中コレステロール値が高くなります。またセロトニンの分泌も増えて、血管内で血栓ができやすくなり、狭心症や心筋梗塞の危険が高くなります。冠動脈の痙攣も心筋梗塞・狭心症を引き起こす要因の一つです。

 

そもそもストレスとは?

 

ホメオスタシスが機能不全となって身体の不調を訴える

ストレスとは、外部から刺激を受けた時に起こる、身体的反応のこと。ストレスを感じても、通常は「ホメオスタシス(生体恒常性)」が働いて、全身の機能や神経系が正常に機能するように、コントロールします。ところが強いストレスを受けると機能不全に陥り、ホルモンバランスが崩れて自律神経を失調したり、免疫力が低下して、心身の不調が現れます。過度の喫煙・飲酒、運動不足等の要因もストレスを招きやすいとされています。

 
 

交感神経が優位して心拍数・血圧・血糖値が上昇する

ストレスが続くと自律神経が乱れて交感神経が活発になります。交感神経が優位に立つとアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されて、早鐘を打つように心拍数が早くなり、血圧や血糖値も上昇します。同時に血管が収縮して、血液が心臓・脳等に多く集まります。さらに血小板の働きも活発になるので、血液がドロドロになって流れにくくなり、心筋梗塞・狭心症の原因になると考えられています。

 

 

 

ストレスとは?

 

ストレスを受けると、身体に様々な症状が現れます。不安や緊張感が高まって、イライラしたり、怒りっぽくなったり、気分が落ち込んでやる気を失ったり、感情の起伏が激しくなります。また身体の症状には、肩こりや頭痛、腹痛、腰痛、睡眠障害、食欲不振、だるさ、下痢、便秘、めまい、血圧や血糖値の上昇等の症状が現れます。またストレス物質の増加により、免疫力が低下することもあり、ストレスが原因で様々な身体症状が現れます。

 
 

ストレスの種類

ストレスを大きく分けると、「内面的ストレス」「外面的ストレス」の2種類があります。内面的ストレスには、不安や焦り等の感情を伴う「心理的ストレス」と疲労、病気、けがなど身体に影響を与えている「身体的・生理的ストレス」があります。外面的ストレスには、住まいや騒音、温度等、自分がいる環境から受ける「物理的ストレス」とアルコールやたばこ等、口にするもので受ける「化学的ストレス」があります。

 
 

注意したいストレスのタイプ

ストレスと聞いてすぐ浮かぶのは、家庭や会社等の人間関係。人間関係のストレスから、うつ病になる人も少なくありません。ストレスと病気は深い関係があることは知られていて、病人の中には看護師さんを見ただけで血圧があがってしまう人がいます。また夫婦喧嘩がエスカレートして、急激な感情の変化がストレスとなって、たこつぼ心筋症の発作を起こした人もいます。これらは全て人間関係がストレスとなっています。

 

 

 

細分化したストレスの種類の例

 

仕事からくるストレス

人間関係

まずは上記でも出てきた人間関係のストレス。

その中でも多くを占めているのは、仕事が絡んだ人間関係のストレスです。

本来ならば仕事でのミスや自分の実力不足で、上司などから怒られるというのは当たり前のことなのかもしれませんが、これは心理的なストレスがかかります。

さらにそのミスや実力不足により会社・取引先・お客様に被害を与えてしまったら、そのショックでストレスがかかります。

このことにより「次はミスができない」、「ミスしたらどうしよう」といった感じで、さらなるストレスが乗っかっていきます。

そのことからこのような形で自分が仕事からストレスを感じてしまうこともありますが、これに絡んでいる上司や取引先、お客様側にも自分が原因でストレスを与えてしまうことになります。

労働環境

またミスでなくても重労働や度を超えた長時間労働といったものは、心理的なストレスよりも身体的なストレスが体にかかってしまいます。

やはり人間はある程度の時間働いていくと、どれだけ身体を使う仕事かにもよりますが身体的な疲労が溜まります。

それを考慮しないで働いていくと、やがて心臓にも負担がかかります。

現にブラック企業と呼ばれる労働環境の劣悪な会社に勤めていた人が亡くなってしまったケースでは、自殺と並行して心筋梗塞などの病気の割合が多いのです。

労働時間や時間の流れの変化

転勤や部署異動などがあると同じ会社でも、1日のタイムスケジュールや労働時間が変わってきます。

例えば、支店内の僻地から都市部に転勤した場合。

今までは比較的、落ち着いた流れで仕事をしていた人が、同じ仕事なのにもかかわらず都市部に転勤したら、仕事をこなす量や一つひとつにかける時間が減少して時間の流れが早くなり、残業も増えてしまったといったようなケース。

このような場合、僻地と都市部では人の流れや時間の活用の仕方が全く異なるので、馴れるまでに大きなストレスを抱えることになります。

実施に多くの企業でもベテランの方が出世に伴い、部署移動をしたことにより生活リズムが変わってしまいストレスから心筋梗塞を起こしたという事例もあるぐらいです。

このような形で一つの仕事というのは、様々な要因からストレスの宝庫であり、それに関わっている各自がストレスを抱えながら成り立っているのかも知れません。

身の回りで不幸からくるストレス

自分の身の回りで不幸なことが起こるというのもストレスを抱えてしまう原因です。

例えば自分の親や子供、友達などが病気にかかってしまうことや亡くなってしまうといったこと。亡くなってしまえば当然、誰でも悲しい気持ちになり落ち込み心理的なストレスがかかります。

また身内が病気になった場合、心配する気持ちや長期的に看病しているうちにストレスが溜まってしまいます。結果的にそれが要因で鬱状態や自分が体調を崩し、さらにストレスをかけることになります。

家庭環境からくるストレス

家庭環境の良し悪しもストレスに大きな影響を及ぼします。例えば貯蓄がなく常に金銭面のストレスを抱えているとそれだけでストレスは大きなものになります。夫婦関係がうまくいっていない場合、お互いが一緒に暮らしているだけでストレスです。子育てや介護で多くの時間を取られている場合も、これまたストレスを身体に大きくかけている状態になります。

よく介護中に介護している側が病気にかかってしまい亡くなってしまうという、恐ろしい事例がありますが、これはストレスが引き金になって起こっていることなのです。

自分発信の突発的ストレス

人間は毎日生活していると自分が予測していなかったトラブルに巻き込まれたり、反対に巻き込んだりしてしまうことも。

そんな突発的な事柄も全てストレスになってしまいます。ではその突発的なストレスの事例を挙げていきましょう。

ケース1 前方車に追突事故

車を運転する方や近年、自転車への需要が高まっていることから自転車を運転する人もこのストレスを抱えてしまう恐れがあります。

例えば車を運転していて、少し脇見をしたら前の車に追突してしまったという事例。

相手の運転手に怪我をさせてしまったことや警察を呼んで事情聴取されてしまうことは、自分の不注意が原因ですがストレスになってしまいます。

その瞬間や明後日に急性心筋梗塞なって死亡したという事例もあります。

ケース2 自転車で人を跳ねてしまった

自転車に乗っていて少し急いでいたので、速度を上げていたときに脇から出てきた人を跳ねてしまったというケース。

自転車は歩行者と自動車の中間的な位置付けであり、制限速度は明確に決まっていないので突然飛び出してきた人を跳ねてしまうというケースは多々あります。

たとえ自分が悪くなかったとしても、人を跳ねてしまったという事実があるので「怪我をしていたらどうしよう」「殺めてしまったらどうしよう」といったように大きなストレスがかかります。

実際に事故に遭われた方ではなく、人を跳ねてしまった側が事故直後にそのストレスから急性心筋梗塞を起こして亡くなってしまったというケースもあるぐらいストレスがかかります。

ケース3 交通違反をしてしまった

交通違反というのも完全に自分が悪いわけですが、ストレスを抱える原因です。

例えば車を運転していて、信号が青から黄色に変わる瞬間に交差点内に侵入してしまったとしましょう。

急ブレーキをすることは後続車との接触事故につながるので通常、速やかに交差点内から出てしまうのが正しいですが、警察官によっても良し悪しの判断が曖昧な事柄です。

そんなケースで交通違反になってしまったら、どこにも気持ちをぶつけられないストレスになってしまいます。

また常日頃から安全運転を心がけていて、免許を取得してからその日まで違反をしたことがなかったようドライバーさんが、突然違反を取られてショックから体調を崩し心筋梗塞になってしまったという事例もあります。

交通事故関係以外にもこのようなケースも。

ケース4 工事現場で自分の作業ミスのせいで作業員が怪我をした

工事現場というところは事故が起こりやすく、安全に関しては徹底されている現場が多いですが毎日そんな環境で仕事をしていると、だんだん注意力が散漫になってしまいます。

例えば工事足場と言われる、マンションの外壁工事などで工事現場の作業員が作業するためのもの。

あれも作業員が一から組み立て作業を始めるのですが、工事足場を組み立てる際のボルトを締め忘れ、作業台の床が抜けて作業落下したというケース。

工事現場での高所作業では安全ロープをするのが原則ですが、そのロープを掛けている作業台自体が落下してしまったら、大怪我や死亡事故は避けられません。

もし自分のミスで他の作業員をこのような事故に巻き込んでしまったら、ストレスがかかり心筋梗塞になるリスクは高くなります。

環境の変化からくるストレス

環境の変化というのもストレスを抱える大きな原因です。ここからは何個か事例を挙げてみましょう。

定年退職

定年退職後、今まで元気だったのに急に体調を崩し亡くなってしまうという事例は少なくはありません。全てとは言えませんが、これもストレスが大きく関係しています。仕事という常にストレスを抱えるものから解放されたのだから、何故ストレスが原因なのかと思う人もいるでしょうが、急に生活の中心であるものが無くなってしまうと人は虚無感に襲われてしまます。何もやることがなくなってしまうとストレスを感じてしまうのです。

転職

転職は当然、今までとは違い生活リズムが変化するのでストレスを感じやすくなります。転職というのは自分が選んだ会社が実際どんな会社なのか所属してみなければ分からない、いわば博打的なところがあるのでそのストレスは計り知れません。

会社に慣れるまでは神経を常に張り巡らすので気疲れかれしてしまいます。新しく人間関係を築いていかなければならないので、その分のストレスもあります。転職をしたことがない人は学校のクラス替えを思い出すと良いかも知れません。クラス替えをした4月は何故か体が疲れていると感じたことがある人は少なくはないと思います。あれもいつの間にか自分がストレスを感じているということなのです。

気候・気温からのストレス

気候・気温なんかからもストレスを感じてしまいます。日本といえば特に夏の期間が長く、近年では5月ぐらいから暑くなり始め、10月ぐらいまでその暑さが続きます。何もしていないのにも関わらず暑さを感じる上、仕事や移動をしているとそれだけでストレスが溜まります。熱中症や熱射病などのリスクも高まります。

冬時期も寒さから身体には大きく負担がかかり、心臓など急性期の病気で亡くなる人が特に多い季節になります。また梅雨時期や台風多発時期にはその影響で体調を崩す人も少なくはありません。そのことが要因でストレスへとつながる可能性もあります。季節や気温など避けることができないものからも、人間はストレスを感じてしまうほど敏感なものなのです。

体内に取り込むものからのストレス

体内に取り込むものからもストレスを感じてしまいます。

例えば身体に合わない食べ物。これは嫌いな食べ物というわけではなく、アレルギー反応が出てしまう食べ物のこと。甲殻類アレルギーや小麦アレルギーなど挙げていけばキリがないですが、一番危険なのは自分にどんなアレルギーがあるか把握していないこと。症状が軽度な場合、見落としてしまいがちなのでいつの間にかストレスを感じてしまっていることも。

飲酒や喫煙をするという人は、過度にしてしまうと身体的に刺激が強いものなので、ストレスを感じやすくなってしまいます。特に喫煙は血管が収縮する作用があるので、血管にストレスがかかります。常用的に薬を飲んでいるという人も仕方がないことなのかも知れませんが、薬というのも刺激が強いのでストレス反応が出てしまいます。身体に取り込むものは、直接身体に届くので影響は大きなものになります。

生活習慣病からのストレス

生活習慣病になっている人も身体へ常にストレスを抱えている状態です。例えばメタボになってしまっている人。好きなものを好きなだけ食べてダラダラしているイメージがありますが、これも身体にはストレス。

メタボの人は高血圧や糖尿病にかかりやすくなっているので、病気からくるストレスにかかっている状態になっています。特に高血圧は血液を体内に循環させるために、心臓や血管へ常に負荷をかけている状態なのでそのストレスは計り知れません。心臓や血管に負荷がかかっているということはやがて、脳卒中・脳内出血・心筋梗塞などの重篤な病気にかかる恐れがあります。そのことから生活習慣からくるストレスは大変危険なのです。

災害によるストレス

地震や津波、台風などの被害に遭われた方の中でも後日、心筋梗塞で亡くなる方が多いという事例が報告されています。

具体例を挙げていくと、ここ数十年で起きた阪神・淡路大震災や新潟中越地震、東日本大震災や熊本地震など災害後、運よく生き残ったのにも関わらず、突然心筋梗塞で多くの人が亡くなっています。

その理由として精神的にとても大きなストレスがかかるからです。

地震へのさらなる恐怖・家族の死・避難所生活でのストレス・地震後の生活など先行きの見えない状況が大きく関係しているのです。

そして災害からストレスを受けた人はその証拠として、心臓にある兆候が見られるのです。

災害後に多いたこつぼ心筋症

災害後、心筋梗塞で死亡してしまう方は多くの人に同じ兆候がみ見られるのです。

それが冒頭で名前を出させてもらった、たこつぼ心筋症というものです。

普段心臓は一定の収縮を繰り返し、体全体に血液を送るポンプのような役割をしています。

しかし何かしらの要因で心臓に負担がかかると、心臓は正常な収縮ができなくなってしまい、ポンプの力が弱くなってしまいます。

これがいわゆる不整脈というものです。

この不整脈が災害時に起こるたこつぼ心筋症の場合、左心室部で起こり血液を体内に送りきれなくなることから左心室部の血液量が増え膨れ上がって、たこつぼのようになってしまうのです。

このような状態なってしまうと心臓は徐々に機能しなくなり、心筋梗塞のような症状になってしまうのです。

心筋梗塞の他にも、心臓が正常に機能しなくなることにより心臓内で血栓が溜まり飛び出して、脳梗塞やくも膜下出血の原因にもなります。

精神的なものだけではない身体的ストレスも

精神的なものだけでなく、災害後の生活環境というのも大きく影響しています。

まず地震のような大規模災害ではライフラインが止まり、水分が確保できなくなります。

水分が一定量飲めなくなってしまうと、血液がドロドロになってくるので血管内をうまく流れず、心筋梗塞のリスクは高くなります。

また食料も通常の食事ではなく、食べられないか食べられても保存食になってしまうので、塩分量がどうしても多くなってしまいます。

それに加え、もともと心臓などに持病を抱えている人は薬が手に入らないとそれだけで、心筋梗塞のリスクが高くなります。

どんな些細な症状でも油断してはならない

このような災害時の急性的な心筋梗塞は、必ず自覚症状というものが出ます。

胸の痛み・呼吸がしにくい・動悸・頭痛といった症状です。

災害時は医療行為もまともにできる状態ではないので、ついつい外傷を負った重症患者様を優先にすることを第一に考えてしまい「胸の痛みぐらいだったら少しぐらい我慢しよう」と診療を遠慮してしまう方が多いですが、心筋梗塞は数時間ほっておくとだけで重症化して死亡する確率が高くなってしまいます。

このような日本人特有の考え方も、死亡者を増やしてしまった原因になっています。

 

 

 

どの要因のストレスでも最終的には
身体へ影響を及ぼす

 

上記では「内面的ストレス」「外面的ストレス」と大きく2つに分けていき、散々細かな説明をしていきましたが、結局最後は「病気」として身体へ影響を及ぼすのがストレスというものです。例えば仕事が原因でストレスを抱えている場合、イライラや不安など最初は心理的なストレスがかかります。
そのストレスが原因で食欲不振や睡眠不足、鬱状態など次のステージに進んでいきます。

この時、そのストレスから暴飲暴食、飲酒喫煙過多に走ってしまう過多も少なくはありません。このようなことが原因でやがて身体的なところに異常をきたしてしまいます。

また逆に病気や怪我など身体的ストレスが長期間かかっている状態だと、病気への不安や長期的な入院から心理的ストレスを感じてしまい、それがやがて身体に影響を与えてしまいます。その身体への影響で心筋梗塞や狭心症につながるといったことも珍しくはありません。どんなことが影響してストレスがかかっていたとしても結局、心と身体は繋がっているので両方に影響を及ぼしさらなるストレスが加わる要因となるのです。

 

 

 

ストレスが危険な理由

 

1Danger

命にかかわる合併症を発症。65歳以上の要介護原因にも

ストレスは、生活習慣病の引き金となります。中でも高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・メタボ(肥満)は、死の四重奏と呼ばれる生活習慣病で、そのままにしておくと、動脈硬化に拍車がかかり、心筋梗塞・狭心症、脳卒中等の合併症を発症する可能性が高くなります。これらの合併症は命にかかわったり、半身まひや認知症等につながることも多く、65歳以上の人が寝たきりになって「要介護」になる要因の一つともいわれています。

 
 

2Danger

極度のストレス体験は心臓病治療の予後に大きく影響する

スウェーデンが心臓病患者を研究したところ、不倫やDV、パワハラ等、夫婦間での強いストレスを受けた経験があると、治療を受けても予後が思わしくないことがわかりました。またストレスにより免疫システムが正常に機能しなくなると、身体機能の低下や骨粗しょう症、癌等になり、老化が促進するそう。重度の病人を介護する女性を対象にした研究では「実年齢よりも身体機能が10歳老いている」という報告もあります。

 

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?