心筋梗塞と狭心症のリスクを高める危険因子
心筋梗塞・狭心症のリスクを高める要因には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム(肥満)などがあります。これらは動脈硬化を招く危険因子で、死の四重奏とも呼ばれています。動脈硬化が進むと血管がもろくなって血液がドロドロになります。血栓もできやすくなって、心筋梗塞・狭心症のリスクが高まります。
高血圧になると強い力で血液を押し出すので、心臓に大きな負担がかかります。同時に心臓に血液を送る「冠動脈」に動脈硬化が起きると、血液が流れにくくなって狭心症を発症します。さらに血栓ができると心筋梗塞を引き起こします。
高血圧とは、血管の内側にかかる圧力が通常より高い状態のこと。血圧は一日のうちで大きく変動し、年齢等でも変わります。上の収縮期血圧が140mmHg以上、下の拡張期血圧が90mmHg以上になると、高血圧になります。
高血圧になると動脈硬化になり、血管に老廃物が溜まります。血液の流れが悪くなると、心臓や腎臓、脳などの、重大な病気を引き起こします。動脈硬化が冠動脈に及ぶと、狭心症や心筋梗塞の発作が起きる可能性があります。
糖尿病が悪化すると、血糖値があがって動脈硬化になります。動脈硬化が冠動脈にまで広がると、血管内に老廃物が溜まって狭心症の発作を起こします。冠動脈に血栓ができると、心筋が壊死して、やがて心筋梗塞を引き起こしてしまうのです。
糖尿病は血液中のブドウ糖濃度が高くなる病気。初期症状はほとんどありませんが、高血糖が続くと、のどの渇き、口の中のねばつき等を感じたり、頻尿や多尿になります。また体重の減少やだるさ・倦怠感等もあります。
糖尿病になっても、初期症状がほとんどないので、のどの渇きや倦怠感などが現れた時には、かなり血糖値が高くなっています。悪化すると3大合併症「網膜症・腎臓病・神経障害」や、狭心症・心筋梗塞等の虚血性心疾患を発症します。
血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの増加やHDLコレステロールが減少して、動脈硬化を促進します。冠動脈の血管が狭くなると、血液が流れにくくなって狭心症になり、血栓ができて血液の流れが止まると、心筋梗塞を発症します。
LDLコレステロール(悪玉)140mmHg以上、中性脂肪150mmHg以上、HDLコレステロール(善玉)40mmHg未満のいずれかになった時、血液中の脂質の濃度が異常になったとして、脂質異常症(高脂血症)と診断されます。
自覚症状がなく「沈黙の病気(サイレントキラー)」といわれる病気です。この病気の危険なところは、動脈硬化を促進して狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患を誘発すること。またすい臓に負担がかかり、急性すい炎になることも。
メタボ・肥満になると、血液中のコレステロール値等が高くなって、血管が傷ついて血栓ができやすくなります。血管が狭くなると、血液が流れにくくなって狭心症になり、完全に塞がれてしまうと、心筋への血液が止まって、心筋梗塞になります。
メタボ・肥満とは、食べ過ぎや運動不足等で、カロリーが余ると、内臓脂肪に変わり、血液中に脂質を放出します。血液中の脂肪が増加して動脈硬化を促進し、高血圧・糖尿病、心筋梗塞・狭心症のリスクが高くなります。
動脈硬化を引き起こす危険因子「高血圧・高血糖・脂質異常症・糖尿病」を含むメタボ・肥満。危険因子の数が多いほど、心筋梗塞・狭心症のリスクが高くなり、危険因子のない人に比べると2~30倍以上になるといいます。
悪い生活習慣・ストレスの多い生活を続けていると、交感神経が活発になって、セロトニンの分泌が増えます。血液中のコレステロール値が高くなって血管を傷つけたり、血栓ができやすくなり、狭心症や心筋梗塞のリスクが高くなります。
ストレスにより不安・緊張感が強くなり、感情の起伏が激しくなったり、食欲不振やだるさ、頭痛、めまい、睡眠障害、下痢・便秘などの症状が現れます。ひどくなると血圧・血糖値が上昇したり、免疫力が低下することもあります。
ストレスを受けると、ほかにも身体に様々な症状が現れます。感情の起伏が激しくなったり、肩こりや頭痛、血圧・血糖値の上昇等の身体症状が現れます。ストレス物質の増加による、免疫力が低下することもあります。
ビールや日本酒、ワインなどのお酒に含まれる「アルコール」は、デンプンや糖の発酵により生成される物質です。アルコール摂取の際にはその量に注意する必要があり、過剰に摂取すると高血圧など健康にさまざまな影響を与えることがわかっています。
タバコの煙には、わかっているだけでも200種類以上の有害物質が含まれており、タバコを多く吸う人は吸っていない人に比べて心筋梗塞の発症率が高いと言われています
運動不足は生活習慣病を引き起こし、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクを高めると言われています。そもそも運動不足とはどのような状態を言うのか、なぜ運動不足が心筋梗塞や狭心症などに繋がってしまうのかを紹介します。
糖質は、過剰に摂取すると食後高血糖や生活習慣病に繋がり、心筋梗塞や狭心症のリスクをあげると考えられています。そこで、糖質と心筋梗塞・狭心症の関係について説明していきます。
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こし、さまざまな疾患の原因になることが知られています。高血圧は循環器疾患につながることも多く、心筋梗塞や狭心症も例外ではありません。
心筋梗塞・狭心症を予防
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