医療分野で活用されるAI技術!

人工知能(AI)の活用は広がっており、その波は医療の分野にも届いています。そして進化するAI技術の一つが「AIによる心電図の読み取り」です。人工的に作られた機械知能が完全に人間の頭脳を超えて、世界が劇的に変化する転換期(技術特異点:シンギュラリティ)は2045年とも言われ、AIが人類を完全に超えるには、まだ少なからず時間がかかるかも知れません。しかし、一方で「人間が学習させた内容をベースに、AIに情報を処理させる」という技術は、急速な発展を遂げています。実際、スタンフォード大学の研究チームによれば、「AIは心電図のデータを使って人間よりも正確に心臓の不整脈を発見できる」と証明されました。

アルゴリズムでAIは動く!正解を導く計算方法!

AIによる不整脈発見の仕組みを簡単に説明すれば、正常な心電図のパターンと、異常なパターンに関するデータを事前に収集しておき、新しく得られた患者のデータが“どちらのパターン”に属するかを計算するというものです。そして、そこには「k近傍法」を始めとする情報処理技術が使われています。AIが情報を収集・比較し、「最適解」を導くまでの一連の“流れ”を「アルゴリズム」と呼びます。つまり、AIの性能はアルゴリズムの完成度に比例するとも言えるでしょう。心電図診断アルゴリズムに応用される技術は色々とありますが、「k近傍法」もその一つです。

k近傍法とは、新しく得られた「データA」と、既に集めたデータ群を重ね、データAに性質の近いものから順に“任意の数(k個)のデータ”抜粋し、得られたk個のデータ中“最も数の多いパターン”に「データA」を分類するという方法です。 正常な心臓のリズムに対する異常が不整脈だとすれば、患者の心電図の“パターン”を判別する心電図診断は、むしろAIにとって得意分野の一つと言えるかも知れません。

医療現場での運用の可能性

実際の臨床現場でAIを活用する為には、アルゴリズムの完成度だけでなく、そもそもそれらを使用する医師や患者自身に“AIの性能を信用してもらう”ことが不可欠です。人間が作り出したAIは、やはり人間が作っている限りミスを生じさせないとも言い切れません。技術的にはAIの医療応用が可能だと証明されましたが、臨床現場での安全な運用には不断の研究が望まれます。

(PDF)参照元:辰岡 鉄郎, “さらに②…心電図のAI認識に挑戦”, Interface, 2017年1月号

 

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