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心筋梗塞狭心症併発しやすい病気

いざという時に慌てないための合併症の知識

心筋梗塞を起こしたり、狭心症の治療を長期間続けていると、心臓の合併症が起きることがあります。急性心筋梗塞の合併症は、命に関わるものからゆっくり進行するものまで、症状はさまざま。突然起きることもあり、予防が難しい面がありますが、合併症について知っておくことで危険を回避できます。

 

心不全

 
 
概要

心筋梗塞や狭心症からの心不全は全ての病気の終着駅

心不全は、心臓が機能不全に陥り、全身に充分な血液を送れなくなった状態のことで、病名ではありません。心不全になると、細胞や臓器に酸素や栄養が行きわたらなくなり、多臓器不全を引き起こします。心筋梗塞や狭心症の合併症の一つですが、命に関わる全ての疾患の行きつく先が心不全と考えられていて、近年心不全による死亡率が増加。その半数近くが心筋梗塞や狭心症が原因です。

 
 
症状

呼吸困難や体重増加に注意!命に関わる場合も

心不全の主な症状は、血液を送り出す機能の低下と、血液を受けとる機能の低下の2つあります。発症するとだるさや疲れ、むくみ、動悸などの症状が現れ、特に注意が必要なのは、呼吸困難と体重増加です。最初はせきや息苦しさ等、風邪とよく似ているので見過ごされがちですが、悪化すると大事に至る場合もあります。心筋梗塞や狭心症の治療を受けた後、風邪に似た症状が長引く場合は、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

 
 
治療

薬物療法が効かない時はペースメーカーで心機能を回復

心不全には、急性不全と慢性心不全があり、それぞれ治療法が異なります。急性心不全は心臓の機能を高める薬で症状を和らげる治療、慢性心不全は心臓の機能を助ける薬を服用する、薬物療法を中心とした治療です。それでも効果が得られない場合は、ペースメーカーを埋め込む手術を行うのが一般的です。ペースメーカーで電気信号を与えることで、心臓が正常に機能し、全身に血液が回るようになります。

 
 

 

不整脈

 
 
概要

突然死の危険あり!電気信号の伝達異常による不整脈

不整脈は心臓の拍動が乱れて極端に早くなったり、ゆっくりになったり、リズムが乱れる心拍のことです。心臓の収縮は、心筋に電気信号が伝わって一定のリズムを刻んでいますが、伝達経路に異常があると拍動が乱れて不整脈になります。不整脈には2種類あり、心拍数が異常に早くなる「頻脈性不整脈」と、極端にゆっくりになる「徐脈性不整脈」の2つです。後者は心筋梗塞や狭心症等による、心筋の衰えや加齢が原因。また脈が飛ぶ「期外周期」もあります。

 
 
症状

心室・心房が痙攣すると失神して突然死を招くことも

不整脈の症状は、心拍リズムの乱れ方によって変わります。頻脈性不整脈は、心拍数が異常に早くなり動悸・めまい・脳貧血などが伴い、徐脈性不整脈は、脈拍がゆっくりになって、めまいや湿疹、痙攣などの症状が現れます。脈が飛ぶ期外収縮は、のどの詰まりや胸の締め付け感などの症状があります。不整脈で心室・心房が痙攣すると、血流が止まってしまいます。心筋が酸素不足に陥るため、失神して心肺停止状態に陥いることもあります。

 
 
治療

薬物療法やペースメーカーで不整脈をコントロール

不整脈の治療の目的は、心臓の拍動を正常に戻すこと。症状や不整脈の種類により、治療法が変わります。一般的には薬物療法で経過を見ながら治療を進めます。薬だけでは良好な結果が得られない場合は、カテーテル・アブレーションで不整脈が発生している部分の細胞を焼き切ったり、ペースメーカーを移植して、電気的にコントロールします。治療を必要としない不整脈は、日常生活の改善などを行いながら、経過観察をします。

 
 

 

心破裂

 
 
概要

急性心筋梗塞の発症後、数日で心臓が破裂する心破裂

心破裂は、心臓が破裂する疾患です。急性狭心症の3~10%におきる合併症で、初めて心筋梗塞になった人や、高血圧、高齢者に多くみられます。心筋梗塞を発症してから心破裂するまでの期間は3~5日と短く、内科的な処置では治療ができず、緊急手術で対応します。破裂すると出血しますが、破裂した場所によって、じわじわと出血したり、大量出血する場合も。中でも左心室自由壁破裂は、致死率が高い非常に危険な心破裂です。

 
 
症状

胸の痛みや呼吸困難、ショック状態に陥る危険な疾患

心破裂の主な症状には、胸の痛みと失神、頸動脈の張りなどがあります。破裂した場所によっては、血圧低下や呼吸困難などが伴うことも。聴診器で心臓の音を聞くと、雑音が聞こえるので、診断の目安になります。心破裂から心タンポナーデに進行すると、倦怠感や頻脈、肝臓の腫れ、下肢のむくみ、チアノーゼなどの症状が現れます。急激に進行した場合は、ショック状態に陥って、命に関わる大変危険な状態になります。

 
 
治療

緊急手術が難しい場合は血液を吸引して応急処置をする

内科的な処置では治療ができず、手術になります。大量出血すると、ショック状態に陥る可能性が高いので、緊急手術が必要です。手術が困難な場合は、緊急処置としてカテーテルで血液を吸引し、病状が安定してから手術になります。手術は人工心肺装置を使い、心室にできた穴を塞ぐという方法です。心破裂は緊急性の高い疾患ですが、緊急対応のできる医療機関はそう多くはなく、搬送先の病院選択が重要になります。

 
 

 

心室瘤

 
 
概要

血管の壁にできた瘤(コブ)が破裂する危険がある病気

心室瘤は、何らかの原因で、心室壁にコブができて、それが膨らむ疾患です。心筋梗塞の合併症としてできることがあります。壊死した心筋に圧力がかかり、飛び出しますが、コブができた部分の壁が薄くなっているので、破裂の恐れも。心筋梗塞を起こしてから、心室瘤ができるまでの期間はおよそ1か月~1年です。非常に危険な状態ですが、発症率は極めて少なく、世界でも100例ほどしかありません。

 
 
症状

心不全や狭心症とよく似た症状が現れる

心室瘤の特徴は、狭心症や心不全と症状が似ている点です。全身が疲れやすくなったり、動悸、息切れなどがあります。ひどくなると呼吸困難に陥ったり、締めつけられるような胸の痛みや違和感を感じることも。心臓を覆っている袋に、血液が大量に流れ込むと、脈拍が早くなったり、血圧が低下したり、心音が弱くなるなどの症状が現れます。こうなると大変危険な状態のため、一刻も早い処置が必要です 。

 
 
治療

症状が重い場合は心臓を小さくして血流を回復

比較的軽度の心室瘤は、心不全と同じ薬を使って治療しますが、重度の場合は手術で飛び出した瘤を取り除きます。息切れや呼吸困難等の心不全の症状は改善されますが、発症前の状態には戻りません。そのため、日常生活で心臓に負担をかけないように注意が必要です。バチスタ手術やドール手術など、左室形成術と呼ばれる手術で、壊死した部分を切除して、心臓そのものを小さくすることで、血液の流れが回復します。

 
 

 

心筋梗塞・狭心症を予防
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