イラスト動脈硬化とは

血管がもろくなる動脈硬化はゼロ歳児から始まっています

動脈硬化とは文字通り、動脈が硬くなる状態のことです。動脈の壁が硬くなったり厚くなると、しなやかさが失われて血液をスムーズに送り出すことができなくなります。特に心臓に血液を送る冠動脈が硬化すると、心臓に負担がかかり、全身にも悪い影響を与えて様々な症状が現れます。動脈硬化は中高年から始まると思われがちですが、実際にはゼロ歳時点からすでに兆しがあり、30歳頃には「動脈硬化」の病変が現れるといいます。

参照元:国立循環器病研究センター「誤解されがちな動脈硬化」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph21.html

動脈硬化が進むと深刻な虚血性心疾患を引き起こします

動脈硬化が進行すると、血管の中にコレステロールが沈殿して血管が狭くなり、心臓への血液供給が悪くなります。心臓を動かしている心筋が、酸素不足に陥ってしまうと、強い胸の痛みを訴えて狭心症になります。狭心症が進行すると、冠動脈の血管が血栓によって塞がれてしまい、その先の心筋に血液が届かなくなります。酸欠状態で心筋が壊死すると、心筋梗塞になります。締めつけられるような胸の痛みを伴い、一刻を争う、非常に危険な状態になります。

 

 

イラストなぜ、動脈硬化が起こるのか?

コレステロールが酸化してマクロファージに変わる

動脈硬化を進める要因の一つに、コレステロールがあります。血管の内側は3層構造からなり、内皮細胞の上には、内膜・中膜・外膜が順番に覆っています。内皮細胞には動脈硬化を防ぐ働きがありますが、高血圧や糖尿病等によってダメージを受けると正常に機能できなくなります。そこにLDL(悪玉コレステロール)が入り込むと、酸化LDLに変わります。血液中で「異物」として判断されると、白血球を取り込んでマクロファージに姿を変えます。

プラークを形成して血管をボロボロにする

マクロファージは、酸化LDLをエサにして増殖して死滅すると、LDLに含まれる脂質やコレステロールが沈殿して内膜に堆積して、プラーク(粥腫)を形成。内膜もどんどん厚くなり、弾力性が失われます。血管も細くなって、血液が充分に流れません。沈殿しているプラークが破裂すると出血を起こして、血小板が凝固して血栓を作ります。血管が完全に塞がれた状態になると、その先に血液が流れなくなります。すると心筋が酸素不足になって、心筋梗塞が起きます。

 

 

イラスト動脈硬化が進行するとどうなる?

進行すると心臓への血液供給が悪くなって心筋梗塞や狭心症になる

動脈硬化が進行すると、血管内で狭窄・閉塞を起こします。その先の血管に充分な血液が運ばれなくなると、全身に様々な症状が現れます。心臓に負担がかかり、心肥大や心不全、高血圧のリスクが高まります。血液が充分に届かなくなると、臓器や組織が正常に機能しなくなり、壊死することもあります。それにより狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などになります。また血管が破れやすくなり、くも膜下出血等の脳出血の危険もあります。

 

 

イラスト動脈硬化になりやすいタイプ

メタボリックシンドロームやストレスの受けやすい人は要注意!

動脈硬化は老化現象の一つともいえますが、進行には個人差があります。発症しやすいタイプは、高血圧・高血糖・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・肥満などがある人です。内臓脂肪型肥満で「高血圧・糖尿病・脂質異常症」の2つがある「メタボリックシンドローム」の人は要注意。厚生労働省の発表によれば、総コレステロール値220mg/dL以上、LDLコレステロール値140mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL以下になると、狭心症や心筋梗塞の合併症が増加するとのこと。また、過度なストレスを受けている人や喫煙習慣のある人も動脈硬化リスクが高まります。生活習慣病がある人は、動脈硬化の進行も早まりますので、生活習慣の見直しが必須です。

参照元:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042631.pdf

 

 

イラスト動脈硬化の検査方法

危険因子を調べる血液検査から
合併症の有無を調べる血管造影検査

動脈硬化の検査では、危険因子を調べるために、血液検査や血圧検査を行います。血液中のコレステロール値や中性脂肪値、血糖値、尿酸値や、血圧を確認して、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症の有無を調べます。危険因子が見つかると、ABI(足関節上腕血圧比)やCAVI(心臓足首血管指数)等で、血管の機能や硬さを調べます。また血管造影検査や血管内視鏡検査等をして、合併症の有無を調べます。

以下、国立循環器病研究センターから発表された動脈硬化の検査に関する資料です。

[21] 動脈硬化 - 「動脈硬化の検査いろいろ」より

■動脈硬化の危険因子を調べるチェック項目

動脈硬化を発症するリスクのある原因を調べるチェック項目は次の通りです。

  • 血圧
  • 空腹時の血液中の脂肪
  • 空腹時の血糖
  • 喫煙歴
  • 血液の尿酸値
  • 身長・体重・ウエストとヒップの計測
■動脈硬化の程度を調べる検査

動脈の酒類によって検査方法は次のようなものが採用されています。

  • 冠状動脈
    血管内エコー、シンチグラム、MRI、血管内視鏡、冠状動脈造影
  • 脳動脈
    シンチグラム、MRI、脳動脈造影
  • 頸動脈
    エコー、血管造影、MRI
  • 大動脈
    CT・MRI・エコー・大動脈造影
  • 下肢動脈
    シンチグラム、エコー、脈波、血管造影

それぞれの検査方法について、詳しい内容は次の通り。これらの検査により動脈硬化がどの程度進んでいるかを知ることができます。

  • 血管内エコー
    血管の内腔からじかに病変を観察する方法。
  • シンチグラム
    弱い放射線を出す薬を体内に注入し、体外から放射線の分布状態を記録、病変を調べる検査方法。
  • MRI
    体に電磁波をあて、断層を撮影する。
  • 血管内視鏡
    心臓の冠動脈にカテーテルを挿入し、病変を目視する。
  • 冠状動脈造影・血管造影・大動脈造影
    レントゲン検査を行うために、エックス線を透過しにくい薬品を体内に注入し、画像に写りにくい血管がはっきりと現れるようにするもの。
  • エコー
    人の耳には聞こえない超音波を体にあてて、血液の流れるようすを映し出す検査。
  • 脈波
    心臓から出た血液が動脈を流れていく脈のスピードを測定する検査方法。

上記の検査方法は、何らかの症状がある場合の検査です。

ほかにも一般的な診療で行われる動脈硬化の程度を知る手がかりとなる検査には、心電図・眼底検査などがあります。

このように、動脈硬化の危険因子を調べるための検査には、さまざまな種類があることがわかります。

血管年齢がわかる
「CAVI検査」で動脈硬化を発見する

足の血管が動脈硬化になると、痛みが現れます。そうした人の7割は、心臓や脳の血管にも動脈硬化が起きていますが、どの程度進行しているかは、判断がつきません。動脈硬化を簡単に発見する検査が「CAVI(キャビィ)検査」です。この検査では、仰向けになって両腕・両脚首の血圧と脈拍を測定するもの。動脈の硬さや詰まり、血管年齢がわかります。5分程度で検査が終わり、その場で医師の診断を受けられます。

 

 

イラスト動脈硬化を予防する方法

予防の第一歩は生活習慣病の改善と
運動習慣を身につけること

生活習慣病のある人は、病気の治療をきちんと受けることが大切です。また、合併症がある人は、脂質異常症、高血圧、閉塞性動脈硬化症などの治療薬を服用して、危険因子をコントロールします。また悪玉コレステロールが増えると、血液中のコレステロール値が高くなるだけでなく脂肪も増加します。ジョギングやウォーキングなど、1日20~60分程度の有酸素運動を週2~3回続けると、体脂肪が減って心肺機能が高まり、動脈硬化が予防できます。

以下、国立循環器病研究センターから発表された"運動と循環器病"に関する資料です。

[20] 運動と循環器病 - 「効果的な運動とは?4つのポイント」から

心臓や血管など、体に過度の負担をかけずに運動をするためには、「運動の種類・強度・所要時間・頻度」の4つに考慮し行うことが大切です。

■より体への負担が少ない「動的運動」

運動の種類には「静的運動」と「動的運動」の2つがあります。

「静的運動」は筋肉の収縮は少ないものの、筋肉増強には有効。一方、運動によって筋肉の収縮を何度も繰り返す「動的運動」は、そのポンプのような働きによって血管に圧力をかけ心臓へ血液を戻しています。

この動的運動では無理なく多量の血液が全身へと行き渡らせることができます。しかも心筋にかかる負担は静的運動よりも動的運動のほうが少なくて済むのです。

■呼吸を続けながら行う「有酸素運動」

運動はエネルギー源の違いによって、「無酸素運動」と「有酸素運動」に大別されています。

「無酸素運動」は短距離走など、体に酸素を供給するための呼吸が追いつかないほど激しい、短時間に強いパワーを発揮する運動のこと。

体に急激な負担のかかる運動でもあります。

一方「有酸素運動」は、ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクスなど、呼吸を繰り返しながら続ける運動。有酸素運動は心臓に負担をかけることなく体の脂肪を燃焼させられるのが特徴。

肥満の解消や糖尿病予防にも有効です。

■適切な運動量

有酸素運動を行う際は、全力を出しきらずに体力の40%~60%の運動を行うのが適切です。

これは「じんわりと汗をかく」、もしくは「ずっと続けられる」と思える運動量。ただ、病気や体調、年齢などによって個人差があるので、運動をする際はなるべく軽いものから始め、少しずつ量を増やしていくと良いでしょう。

運動する時間は1回につき20~60分程。有酸素運動を20分以上続けると脂肪が燃焼され始めます。

20分間の運動をするのが無理なようなら、休み休みでもいいので1日につき合計30分以上、週2~3回の頻度で行うのがおすすめです。

ほかにも一般的な診療で行われる動脈硬化の程度を知る手がかりとなる検査には、心電図・眼底検査などがあります。

このように国立循環器病研究センターから、運動習慣の有効性が詳細に解説されています。

血液をサラサラにする食材を使ったメニューで
動脈硬化を予防

食べ過ぎると、肥満や高血圧、脂質異常症になり、動脈硬化を進めるので、食べ過ぎに気をつけましょう。塩分や糖分、脂質を控え、さばやイワシなどDHA・EPAを含む青魚を中心にして、野菜や海藻類、食物繊維、ミネラル、カリウムを含む食材を多めに摂るようにしましょう。また高コレステロール食品を調理する時は、蒸したり、ゆでたりすると油分が落ちるので、調理の仕方を工夫して、上手に摂取しましょう。

 

イラスト動脈硬化検査が可能な医療機関

首都圏 - 国立病院機構東京医療センター

独立行政法人 国立病院機構東京医療センター
*画像引用元:国立病院機構東京医療センター公式HP
(http://www.ntmc.go.jp/)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構東京医療センター
  • ■所在地
    〒152-8902 東京都目黒区東が丘2-5-1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~17:15
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:03-3411-0111
  • ■サイトURLhttp://www.ntmc.go.jp/

「国立病院機構東京医療センター 循環器内科」の医療情報

■特徴

患者の多くが狭心症・心不全・心房細動例の治療で通院しています。

■診療概要

狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患、心不全、心房細動・大動脈解離などの心臓・大血管の疾患を専門としている診療科です。

■実績

心臓カテーテルの検査と治療は1年あたり約600例が行われています。経皮的冠動脈形成術(PCI)については、その中で1年間に約250例を占めます。

大阪府 - 国立病院機構大阪医療センター

独立行政法人 国立病院機構大阪医療センター
*画像引用元:国立病院機構大阪医療センター公式HP
(http://www.onh.go.jp/)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構大阪医療センター
  • ■所在地
    〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~17:15
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:06-6942-1331
  • ■サイトURLhttp://www.onh.go.jp/

「国立病院機構大阪医療センター 循環器内科」の医療情報

■特徴

365日24時間体制で疾患に対応し、夜間や休日も循環器の専門医師が常駐。

■診療概要

扱われている主な疾患は、虚血性心疾患・心不全・不整脈・血管疾患(心臓以外)など。心臓移植しなければならないほど重い心不全であっても、大阪大学と連携しながら診療が行われています。

■実績

循環器内科は救命救急センターの一部としても機能しており、心肺停止のような危険な状態でも患者が受け入れられています。

福岡県 - 国立病院機構福岡病院

独立行政法人 国立病院機構福岡病院
*画像引用元:国立病院機構福岡病院公式HP
(https://www.fukuoka-nh.jp/)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構福岡病院
  • ■所在地
    〒811-1351 福岡県福岡市南区屋形原4-39-1
  • ■時間:月曜~日曜:24時間
  • ■定休日:なし
  • ■電話番号:06-6942-1331
  • ■サイトURLhttps://www.fukuoka-nh.jp/

「国立病院機構福岡病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

採血・心電図・心臓超音波検査・運動負荷試験などの基本検査と問診・診察を綿密に実施することで正しい診断・適した治療をほどこしています。

■診療概要

高血圧症・狭心症や急性心筋梗塞など虚血性心疾患・心不全・不整脈・肺血栓塞栓症・下肢閉塞性動脈硬化症など、ほとんどの循環器疾患に対応可能。

■実績

心臓リハビリテーションが積極的に行われています。

愛知県 - 国立病院機構東名古屋病院

独立行政法人 国立病院機構東名古屋病院
*画像引用元:国立病院機構東名古屋病院公式HP
(http://www.tomei-nho.jp/)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構東名古屋病院
  • ■所在地
    〒465-8620 愛知県名古屋市名東区梅森坂5-101
  • ■時間:要問い合わせ
  • ■定休日:土曜・日曜・祝日
  • ■電話番号:052-801-1151
  • ■サイトURLhttp://www.tomei-nho.jp/

「国立病院機構東名古屋病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

広い敷地の中にあり、自然豊かな環境にも恵まれ、患者がゆったりと療養を受けられる病院。インフォームドコンセントを大事にしており、患者が納得のいく診療が心がけられています。

■診療概要

主に心臓・血圧・血管系の疾患を対象とし、急性心筋梗塞・狭心症・心不全・弁膜症・不整脈などの心臓病、大動脈瘤・閉塞性動脈硬化症といった血管の疾患、さらには高血圧・高脂血症などの生活習慣病に対応。

■実績

心臓エコー装置・ホルター心電図・エルゴメーター運動負荷心電図装置・心臓核医学検査・デジタル血管造影装置・MRI装置などの医療機器を完備し、質の良い医療が提供されています。

北海道 - 国立病院機構北海道医療センター

独立行政法人 国立病院機構北海道医療センター
*画像引用元:国立病院機構北海道医療センター公式HP
(https://www.hosp.go.jp/~hokkaidomc/index.html)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構北海道医療センター
  • ■所在地
    〒063-0005 北海道札幌市西区山の手5条7-1-1
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~15:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:011-611-8111
  • ■サイトURL
    https://www.hosp.go.jp/~hokkaidomc/index.html

「国立病院機構北海道医療センター 循環器内科」の医療情報

■特徴

365日24時間の体制で専門医が常駐。心臓血管外科の協力も受け、さまざまな心臓・血管病の診察を受け入れています。札幌市ACSネットワークに加わっており、休日や時間外でも循環器専門医師が対応。

■診療概要

対象としている疾患は、狭心症・心筋梗塞・虚血性心疾患・心不全・不整脈・高血圧・心臓弁膜症・心筋症・心筋炎・閉塞性動脈硬化症・解離性大動脈瘤・深部静脈血栓症など。

■実績

2017年度の主な治療実績では、冠動脈カテーテル治療223例、末梢血管インターベンション64例、不整脈アブレーション154例、ベースメーカー植え込み52例などの手術を実施。

沖縄県 - 国立病院機構沖縄病院

独立行政法人 国立病院機構 沖縄病院
*画像引用元:国立病院機構 沖縄病院公式HP
(http://www.okinawa-hosp.jp)

  • ■病院名
    独立行政法人 国立病院機構 沖縄病院
  • ■所在地
    〒901-2214 沖縄県宜野湾市我如古3-20−14
  • ■時間:月曜~金曜:08:30~15:00
  • ■定休日:土曜・日曜
  • ■電話番号:098-898-2121
  • ■サイトURLhttp://www.okinawa-hosp.jp

「国立病院機構沖縄病院 循環器内科」の医療情報

■特徴

検査では、心電図・24時間ホルター心電図・心臓超音波検査・頸動脈エコー・心筋シンチグラフィー、そして動脈硬化の進行具合や早期の血管障害を調べることができるABI検査が採用されています。さらに詳しい検査と手術を必要とする患者に対しては、牧港中央病院との連携体勢が整えられています。

■診療概要

診察の対象となっている疾患は、狭心症・心筋梗塞・弁膜症・心筋症・心不全・不整脈など。心臓・大動脈などの血液循環に関する臓器の疾患に対して外来が設置されています。

■実績

沖縄県では唯一の「難病医療拠点指定病院」として認定されています。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?