発作時の対応

心筋梗塞や狭心症になったときに、周りの人ができる最善の対処法をご紹介します。心筋梗塞は、発症直後の対処が、生存確率を左右します。救急車の呼び方や心肺蘇生法、公共施設や商業施設に設置されているAEDの使用方法を理解しておけば、もしもの時に慌てず対応できますよ。蘇生時に気をつけたいポイントも紹介しますので、ご一読ください。

心臓発作がおこりやすい状況とは?

交感神経が活発になる早朝と夜に発作が起きやすく、時間帯は早朝6時~8時の間と、夜8時~10時の間に発症しやすいと言われています。朝に発作が多いのは、目覚めた後、交感神経が活発に動きだし、血圧が上昇したり、血液が固まりやすくなったりするから。発作を起こしやすい状況は、階段を上り降りしたり、重いものを持ったり、興奮したりしたときです。また、睡眠中や明け方から早朝、朝食後、就寝前やお酒を飲んだ翌朝など、安静にしていても発作が起きる場合もあります。

心臓発作に襲われた時の対処法とは

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倒れている人には
声をかけて意識確認

心臓発作を起こした人を発見したら、慌てず冷静に対応してください。倒れている人の肩を軽くたたきながら、「大丈夫ですか?」と声をかけて意識レベルを確認します。この時、絶対に体を揺すらないでください。そして救急車を手配してもらうために、周りの人に向かって大きな声で「協力してください。お願いします」と呼び掛けて、119番通報してもらいます。救急車が到着するまでの間に、気道を確保し、呼吸があるかどうか確認しておいてください。

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現在地と119番通報中の
電話番号を必ず伝える

救急車を呼ぶときは、慌てずに冷静に対処してください。119番をかけてつながったら、心臓発作などで倒れていることと、倒れている場所を伝えます。住所がわからなければ、目印になる建物で大丈夫です。病人の性別・年齢・症状をわかる範囲で正確に知らせてください。また通報している人の名前と119番に連絡している電話番号も間違いのないように伝えること。救急車のサイレンの音が聞こえてきたら、近くに行って救急隊員を誘導します。

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発作が15分以上続いたら
心筋梗塞を疑う必要あり

心筋梗塞の発作は、激しい胸の痛みと動悸が30分ぐらい続き、冷や汗・嘔吐も伴います。すぐに衣服を緩め、楽な姿勢を取らせて、救急車を呼んでください。吐き気があっても、吐かせたり水を飲ませてはいけません。狭心症は安静にしていれば、5~15分で治まります。しゃがみ込むような姿勢をとると心臓を圧迫するので、絶対に避けましょう。15分以上発作が続いたら心筋梗塞の疑いがあるので、その場合も救急車をすぐに呼んでください。

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激しい呼吸困難と全身の
むくみがあれば危険大

不整脈の中でももっとも危険とされるのが「心室細動」です。心室が痙攣して拍動が異常になり、突然意識を失って倒れ、呼吸も止まってしまいます。非常に危険な状態なので、すぐに救急車を手配してください。急性心不全の場合は、激しい呼吸困難に陥ります。手足が冷たくなって冷や汗をかき、全身にむくみが現れます。発作が起きたときは、上半身を起こした状態で座らせてください。この時、仰向けにすると呼吸が苦しくなるので、避けましょう。

心臓発作で倒れている人を発見したら

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【蘇生法1】
頭を後方に反らして
気道を確保する

倒れて意識を失うと、舌がのどの奥に落ち込んで気道が塞がれ、呼吸ができなくなります。気道を確保するために、あごを軽く持ち上げて、頭を後方にそらします。呼吸を確認するために、自分の顔を倒れている人の鼻と口に近づけてください。同時に胸の動きがあるかどうかも確認。ポイントは、目で胸の動きがあるかどうかを見て、耳で呼吸の音の有無を聞き、頬で息の有無を感じることです。10秒以内で素早く確認してください。

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【蘇生法2】
人工呼吸で
呼吸を取り戻す

呼吸がない場合は、マウス・トゥ・マウスで人工呼吸を行います。倒れている人の首を後ろに反らして、口が開く状態にします。親指と人差し指で鼻をつまんだ後、相手の口を自分の口で覆って、1秒間息を吹き込みます。この時、胸が持ち上がるか、しっかり確認してください。動かなければ、もう一度気道を確保して、人工呼吸を行います。嘔吐物があったり、出血している場合は、人工呼吸はせずに心臓マッサージを行ってください。

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【蘇生法3】
心臓マッサージで
心臓を蘇らせる

人工呼吸を2回行った後、速やかに心臓マッサージに移ります。心臓マッサージは胸骨圧迫マッサージとも呼ばれ、胸を両手で強く圧迫して、心臓の動きを蘇生させるものです。胸の真ん中に両手を重ねて置きます。このとき両手の指をしっかり組んでください。両肘をまっすぐ伸ばして体重を乗せて、胸が3.5㎝沈むように圧迫します。ポイントは、1分間に100回のテンポで30回行い、圧迫した後、しっかりと胸が戻るまで圧迫を緩めないことです。

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【蘇生法4】
救急車の到着まで
蘇生法を試みる

心臓マッサージを30回行ったら、人工呼吸を2回行います。これをワンセットにして、救急車が到着するまで、蘇生法(人工呼吸→心臓マッサージ)を続けます。2分間5サイクルの心肺蘇生法を行った後、呼吸や体動が戻ったかどうか確認してください。もし戻っていなければ、そのまま続けます。心臓マッサージは力を必要とします。周りに心肺蘇生法ができる人がいたら、交代しながら行うと良いでしょう。近くにAEDがある場合は、次に紹介する方法で蘇生法を行ってください。

 

イラストAEDとは?

 

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心臓に電気ショックを与えて蘇生させるAED

AEDとは自動体外式除細動器のことで、心室細動になった心臓に電気ショックを与えて蘇生させる装置です。心室細動は心室が突然に痙攣する不整脈です。痙攣を起こすと全身に血液が送れなくなって心肺停止状態になります。AEDで電気ショックを与えることで、心臓の機能を正常に取り戻せます。これまでは医療従事者でのみ行われていました。2004年より民間使用が許可され、病院・公共施設・商業施設などに設置されています。

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心電図を自動解析してAEDが必要か判断

倒れている人の上半身の衣服を脱がせ、アクセサリー等の金属も外してください。倒れている人の、右肩上部鎖骨周辺と、左胸部脇の下5~6㎝に、電極を貼りつけます。電源を入れるとAEDが心電図を自動解析します。音声ガイドに従い、周りに人がいないことを確認してからボタンを押して電気ショックを与えて、心臓マッサージを再開してください。2分後、AEDが自動で再電気ショックが必要かどうか判断します。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?