イラスト心筋梗塞とは?

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冠動脈が塞がり
心筋が壊死する疾患

筋梗塞は虚血性心疾患の一つで、冠動脈が完全に詰まり、心筋(心臓の筋肉)が壊死する病気です。心筋梗塞を起こす原因のトップに、動脈硬化があります。動脈硬化が進むとコレステロール(プラーク)が沈着して血管が狭くなります。プラークが破れると血液が流れなくなり、その先の心筋に血液と酸素・栄養が供給できなくなるので、虚血状態に陥ります。壊死した部分が大きいと非常に危険で、命に関わることもあります。

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朝と夜に発症しやすく
心肺停止になることも

心筋梗塞は、発症後から3日以内を「急性心筋梗塞」、30日以上経過して病状が落ち着いてきたものを「慢性心筋梗塞」と呼んでいます。急性心筋梗塞は突然発症し、治療が早ければ早いほど、治癒率も高まりますが、意識がなくなると心肺停止状態に陥る場合があります。その場合は一刻を争いますので、救急車が来るまでの間、人工呼吸などで心肺蘇生措置を行います。発症しやすい時間帯は、午前6時~8時、夜8時~10時の時間帯です。

 

 

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心筋梗塞の症状

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心筋梗塞の症状は
30分以上続く胸の痛み

心筋梗塞の顕著な症状は、胸の痛みです。前胸部から胸骨下・顎・左上腕・首にかけて、激しい痛みがあり、焼けつくような痛みや圧迫感が30分以上続きます。重症になると数時間以上に及んだり、ショック状態に陥ることも。心筋が壊死すると心臓の機能が低下して、全身に酸素がいきわたらなくなり、息苦しさを感じることもあります。また、心機能の低下により急激に血圧が低下すると、顔面蒼白になったり、冷や汗をかいたり、吐き気を催す場合があります。

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心室細動を起こすと
心筋が痙攣して危険

壊死を起こした心筋の部位が大きくなると、心不全を起こしたり、不整脈になる場合もあります。特に心臓がブルブル震える「心室細動」や、脈が極端に早くなる「心室頻脈」が起きると非常に危険で、一刻も早い処置が必要です。高齢者の場合、息切れを感じても胸の痛みが伴わない場合があるため、胃腸等のトラブルと思い込んで発見が遅れるケースもあります。また糖尿病患者や高齢者の中には、痛みを感じない場合もあるため、該当する方は注意が必要です。

 

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心筋梗塞の検査

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急性心筋梗塞の診断に
有効な心電図検査

心筋梗塞は、スクリーニング検査と精密検査を行い、診断や治療方針を決定します。主なスクリーニング検査は、血液検査・胸部レントゲン・心電図検査です。心電図検査は、急性心筋梗塞の診断にもっとも有効な検査で、障害を受けていれば心電図に異常が認められます。胸部レントゲンでは、心臓や肺の大きさを調べます。心筋梗塞を起こすと、壊死した心筋細胞の成分が血液中に流れ込むので、障害が起きているレベルがわかります。

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冠動脈造影検査で
冠動脈の状態を調べる

スクリーニング検査で病名を特定後、精密検査を行います。精密検査には、心筋シンチグラム検査と冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)があります。心筋シンチグラム検査は、静脈注射で放射性物質アイソトープを注入して、シンチレーションカメラで心筋の状態を調べます。冠動脈造影検査は、カテーテルから造影剤を注入して、エックス線で冠動脈の状態を観察します。異常があれば、その場でカテーテル治療を行うことも。

 

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心筋梗塞の治療

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ステント療法で
血流を回復する

心筋梗塞の治療は、1分1秒を争います。一刻も早い血流の回復が必要なため、冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)で狭窄・閉塞した部位を特定した後、バルーン療法もしくはステント留置をします。バルーン療法は先端にバルーンがついたカテーテルを冠動脈まで送り、狭窄・閉塞を起こしている部位をバルーンで押し広げて、血流を回復させます。効果が期待できない場合は、ステント療法で血栓部にステント(金網上の筒)を入れて、回復させます。

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冠動脈バイパス手術で
血流を回復する

バルーン療法やステント療法では血流が回復しない場合は、冠動脈バイパス手術を行います。冠動脈バイパス手術は、狭窄・閉塞を起こしている部分を避けて、う回路を作って血流を回復させる手術です。高い効果が期待できますが、開胸するため肉体に負担がかかります。そのため、最近では医療技術の向上により、カテーテル治療が主流になってきています。またカテーテル治療と同時に血栓溶解剤を点滴することで、血栓を溶かして血液をサラサラにします。

 

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心筋梗塞の予防法

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ストレスのない生活と
正しい健康管理で予防を

日本人の死因のトップは「心臓病」ですが、中でも心筋梗塞を含む「虚血性心疾患」が急増しています。心筋梗塞になる原因は、高血圧・高コレステロール・糖尿病・肥満・動脈硬化・喫煙習慣など。こうした危険因子は、自己管理を徹底することで予防できます。バランスの取れた食事や運動習慣、禁煙、ストレスのない生活に加えて、体重・血圧を測る習慣を身につければ、予防への意欲が高まり、早期発見にもつながります。

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定期的な健康診断で
早期発見・早期予防を

自己管理に加えて、医療機関での定期健診も予防には欠かせません。市区町村や職場などで行う健康診断を上手に活用すれば、基本的な検査は受けられます。健康診断を受けると、貧血、高血圧や脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病の有無、肝機能、腎機能、動脈硬化のレベルがわかります。余裕があれば、人間ドックなどで、骨密度測定やがん検診なども受けるといいでしょう。定期健診で早期発見・治療をすれば、進行も抑えられます。

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?