イラスト狭心症とは?

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血管が細くなり
心筋が酸欠状態に

狭心症とは、冠動脈が狭くなることで血液が流れにくくなり、一時的に心筋が酸欠状態に陥る疾患です。圧迫されたような胸痛や苦しさが数分~数10分続き、顎・みぞおち・耳にまで広がることもあります。狭心症の原因は、動脈硬化。心臓とつながっている冠動脈の動脈硬化が進むと、脂肪組織(アテローム)が血管内で固まります。そこが狭くなると血液が悪くなり、心臓の筋肉に酸素が供給できなくなってしまい、胸痛み・圧迫感を訴えます。日本では欧米諸国よりも虚血性心臓疾患は少ないものの、高齢者の増加によって患者数も増えています。現在では3大死因のひとつにもなっており、急性心筋梗塞症だけでも年間15万人が発症し、そのうち死亡者数は30%にのぼります。

参照元:国立循環器病研究センター「虚血性心臓疾患(狭心症・心筋梗塞症)は日本人の3大死因の1つ」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph34.html

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心筋梗塞になる
「不安定型狭心症」

狭心症には3タイプあります。「労作性狭心症」は、階段の上り下りや運動時などに起きる狭心症で、冠動脈にたまったアテロームが原因です。「安静時狭心症」は、睡眠中や夜中から明け方に多く発症し、冠動脈が痙攣を起こして、発作が起きてしまいます。「不安定型狭心症」は、冠動脈に溜まっているプラークが破裂しやすい状態で、心筋梗塞に進行する恐れがある危険な狭心症。飲酒・喫煙・食べ過ぎ・入浴・ストレスなどが原因となり、発作が起きます。

 

 

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狭心症の症状

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痛みは長くて30分
体の奥からの胸痛が特徴

狭心症の症状に、胸の中央からみぞおちにかけて痛む、胸痛があります。息が詰まるような痛みや、胸が締め付けられるような痛み、圧迫されるような痛み、息苦しい痛みなど、体の奥深くから痛むような感覚が特徴です。痛みの範囲は、胸から喉・背中・左肩・左腕と広範囲にわたりますが、通常は2~3分、どんなに長くても30分程度で治まります。痛みの度合いもまちまちで、人によっては耐えきれないほどの痛む場合も。

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狭心症はゲップをすると
痛みが楽になる

狭心症の発作を起こす前に、予兆が現れる場合があります。心筋への酸素が不足すると、めまいや動悸、貧血や失神などの症状が現れます。胸の不快感や膨満感があり、げっぷをすると楽になることも。立っていられないほどのめまいを感じたり、げっぷで胸の痛みがなくなったら、狭心症を疑いましょう。狭心症の初期症状には、左肩が凝りやすい・左の背中が痛い・食べ物や飲み物が喉を通りにくい・冷や汗をかきやすいなどです。

 

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狭心症の検査

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狭心症は心電図で
特徴的なグラフが現れる

狭心症は、スクリーニング検査で病気を特定し、精密検査で診断して、治療方針を決めます。スクリーニング検査は、血液検査や血圧測定など、基本的な検査です。狭心症の診断に欠かせない検査が、心電図検査。狭心症になると特徴的なグラフになるので、心筋の酸素不足がわかります。また労作性狭心症など、通常の心電図では異常が認められない場合は、運動負荷試験を行い、運動状態の心電図を調べます。

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心臓カテーテル検査で
治療方法を確定する

診断と治療方針を確定する決め手となる、もっとも重要な精密検査は、心臓カテーテル検査です。手首や足の付け根などから、カテーテルを入れて冠動脈まで送り、血管造影剤を流して狭窄部を特定します。心臓CT検査も、冠動脈の狭窄部を調べる検査です。静脈から血管造影剤を注入して、冠動脈の状態を画像で診断します。心臓エコー検査は、心臓の動きや心筋・心室・心房・心臓の弁の状態、血栓の有無を確認します。

 

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狭心症の治療

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効果に即効性のある
「ニトログリセリン」

狭心症の治療には3種類あります。薬物療法では、血栓を作りにくくする抗血小板薬や、血管を拡張する硝酸薬など、効果の異なる複数の薬で症状を改善。特に発作時には、即効性があるニトログリセリン(硝酸薬)を処方されます。アテローム硬化症による狭心症は、経皮的冠動脈形成術で狭くなった血管をバルーンで押し広げたり(バルーン拡張術)、ステント(金網の管)を血管内に置き、血流を回復させます。

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治療が困難な場合は
バイパス手術を行う

バイパス手術は、プラークがたまって血流が悪くなっている血管の代わりに、う回路を作る手術です。手術の判断が難しく、医師によっても見解が異なりますが、基本的にはカテーテル治療が困難な場合に行います。新しい血管を作ることで、確実に血流が回復するので、術後の管理をきちんと行えば、再狭窄することがほとんどありません。成功率も高く安全ですが、手術時間が5時間に及ぶため、体への負担や合併症などの心配も。

 

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狭心症の予防法

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血液と血管に優しい
食事で動脈硬化を防ぐ

狭心症の治療後に大切なことは、狭心症にならないように動脈硬化の進行を抑えることです。高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満は生活習慣病ともいわれ、動脈硬化を促進する危険因子。食生活を改善することで予防できるので、塩分・糖分・脂肪分の取りすぎには注意が必要です。塩分は1日10g以下とし、良質なたんぱく質や食物繊維、ミネラルを摂取しましょう。青魚には心臓の働きにいいEPA・DHAが豊富なので、積極的に摂取してください。

参照元:国立循環器病研究センター「狭心症や心筋梗塞症の予防」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph34.html

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喫煙習慣があると
狭心症リスクが2倍に

タバコに含まれているニコチンが体内に入ると、心拍数を早めたり、血管を収縮させる作用のある「カテコラミン」という物質を分泌し、心臓に負担をかけます。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、狭心症などの虚血性心疾患発症率が2倍という調査結果もあるほど。百害あって一利なしなので、狭心症になりたくなければ、思い切って禁煙しましょう。一人では禁煙が難しい人は、禁煙外来に相談して、ニコチンが含まれない飲み薬を処方してもらうのも手です。

参照元:国立循環器病研究センター「たばこと循環器病の関係」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph32.html

 

心筋梗塞・狭心症を予防
するためには?